玉城ティナ[イベントレポート]映画『惡の華』ショッキングなセリフに対して「言えない言葉はありません」

玉城ティナ[イベントレポート]映画『惡の華』ショッキングなセリフに対して「言えない言葉はありません」

玉城ティナ[イベントレポート]映画『惡の華』ショッキングなセリフに対して「言えない言葉はありません」『惡の華』公開直前特別試写会トークステージ

玉城ティナが、9月15日に開催された『惡の華』公開直前特別試写会トークステージに登場した。

映画評論家として人気の町山智浩をスペシャルゲストに迎え、原作者の押見修造、井口昇監督による鼎談となったこの日のトークイベント。

町山は2013年に「まんが秘宝 男のための青春マンガクロニクル」の中で『惡の華』論を寄稿。その際にTwitterから上がった“実写化するとしたら監督は誰がよいでしょう?”という質問に“井口昇監督はどうでしょう?”と回答していた。また、押見とも交流のあった町山。今回は、知られざる『惡の華』誕生の裏側を町山、押見、井口が語り合い、その場に3人がミューズと崇める玉城ティナが飛び入り参加した。

以前から業界内で度々持ち上がっていた『惡の華』の映画化。町山は“映画プロデューサーと『惡の華』に関して話すと、中学生の性描写がある点でこのまま映像化することは危険で難しい、高校生に設定を変えないとまずいんじゃないかという話もあったけれど、これは突破しましたね!”と一言。監督は“僕もそういうことは言われたことがありましたが、映像化するのであればやはりなるべく忠実にしたかった。そうでないとまったく意味が変わってしまうので”と話した。“実現できたというのも日本映画界がだんだん変わってきたからだと思うんです。それまではキラキラ映画が主体というか、『惡の華』が映画化しにくい環境だった。それが少しずつ変わってきたのだと思います”と、今だからこそ本作が映像化された背景を説明した。

押見が唯一訪れたのは桐生市での撮影。本作のハイライトとなるお祭りの櫓のシーンとなるが、町山はこのシーンを“非常に美しかった”と称賛。井口は“あのシーンは11月の寒い時期に撮ったのですが、少しずつエキストラさんが減っていくんですよ。気づいたら1時間後くらいに100人ぐらいいなくなっていて。カットが進むごとに画が狭くなっていくんです”と裏話を披露し、会場には大きな笑いが起きた。

“空の色がとても綺麗だった”と、町山がもう1つ美しいシーンとして挙げたのはクライマックスの海のシーン。撮影の順番が変わり、急遽海に入ることになったキャスト陣だったが、ウェットスーツを着ることなく撮影に臨んだという。それによってリアルな姿を撮ることができ、“もしウェットスーツを着ていたら、あんな風には撮れなかった”と、監督は撮影当時を振り返った。

玉城が仲村役として目の前に現れた時の感動を聞かれた押見は、“感動しました。恋をしてしまいました”と真っ直ぐに答えた。そこへ町山から“そんな玉城さんが今日ここへ来ています!”とサプライズ発表。“あ! そうなんですか!”と驚く押見の横から現れた玉城に、客席からも大きな拍手が発生。舞台に出るや否や、町山からのお願いで、映画とは打って変わり穏やかな声で“クソムシが”とキメ台詞を披露した玉城。

劇中で度々ショッキングなセリフを口にするキャラクターを演じたが、撮影前に“言えない日本語はありません”と監督に宣言したとのこと。押見は玉城演じる仲村と、自身の描いた仲村に“まったくズレを感じなかった”と話した。さらには“仲村さんのシーン全部最高。改めて自分の漫画を読み返すと、なんてショボいんだと思いますね”と衝撃発言をした。

出来上がった作品を観ての感想を聞かれた玉城は、“1回目観た時は自分が仲村さんに近づけているのかという不安が残ってしまっていたんですけど、2回目では『惡の華』の世界観としてちゃんと1つの仲村というピースになれているのかなと思えました。観たことのない邦画になったなと思いました”と作品に対する自信をのぞかせ、町山は“僕はこの映画を観た時にスターの誕生する瞬間を観た時の感動を味わいました。『愛のむきだし』を観た時に感じた「これはすごいことになるぞ」という衝撃を受けました。玉城さんをキャスティングした時点で勝ったね!”と大きな太鼓判を押した。

監督はもちろん、原作者、映画評論家からも寵愛を受けることとなった映画『惡の華』での玉城ティナ。彼女の新境地を劇場で目撃してみてほしい。

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