
BAUHAUSからZOC、悲撃のヒロイン症候群まで 深淵なるゴシックの世界から覗くアイドルクロニクル|「偶像音楽 斯斯然然」第11回
BAUHAUSからZOC、悲撃のヒロイン症候群まで 深淵なるゴシックの世界から覗くアイドルクロニクル|「偶像音楽 斯斯然然」第11回
これは、ロック畑で育ってきた人間がロック視点でアイドルの音楽を好き勝手に語る、ロック好きによるロック好きのためのアイドル深読みコラム連載である(隔週土曜日更新)。
ヴィジュアル系とゴシック
ヴィジュアル系とゴシックの関わりは深い。ゴシック・アンド・ロリータは、ゴシックと少女趣味ファッションであるロリータを合わせた日本独自の文化であるが、これを広めたのは1997年にメジャーデビューした、MALICE MIZERのギタリスト・Manaだと言われている。また、コスプレの定番であるメイド服の流行も氏の影響力が大きい。
90年代のゴシックは、ヴィジュアル系ファッションと混同されることが多く、アンダーグラウンドで異端的存在だった。そんなゴシックが一般的にも浸透したのが、2004年に映画化され、大ヒットした嶽本野ばら原作『下妻物語』だ。これを境に、雑誌『KERA』とその別冊『ゴシック&ロリータバイブル』を中心としたムーヴメントが大きく出来上がった。北出菜奈(2003年デビュー)やthe brilliant greenの川瀬智子によるTommy heavenly6(2003年活動開始)、当時新進気鋭のブランドだったh.NAOTOの衣装も話題になったバンド、GaGaalinG(2005年デビュー)など、ゴシックファッションを全面に出したアーティストも多く登場した。海外ではEvanescenceが成功を収め、Within Temptationなど、ゴシック色の強い女性ヴォーカルのヘヴィロックが台頭している。日本のインディーズでも、HEAD PHONES PRESIDENT、Dazzle Vision、0 Limited Excution……など、女性ヴォーカルのゴシックヘヴィロックシーンは盛り上がりを見せていた。
Evanescence「Bring Me To Life」
ゴシックと無機質なサウンドでヘヴィロック界に風穴を開けた、Evanescence「Bring Me To Life」(2003年)
こうしてゴシックは広く浸透していったわけだが、同時期にDIR EN GREYの海外人気、そして、D’ERLAGER(2007年)、LUNA SEA(2007年)、X JAPAN(2008年)といったレジェンドバンドの復活など、氷河期とも言われていたヴィジュアル系シーンの再評価と重なっていくところも注目すべきところである。
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