可憐なアイボリー［ライブレポート］メジャーデビュー記念東名阪ツアー完走！「みんなと冒険の続きを楽しんでいきたい」

撮影：名和洋祐
取材＆文：大宮高史

2024年の新メンバーオーディションで4人が加入し、12人体制となった可憐なアイボリー。今回のツアーでは、1月29日（水）発売のメジャーデビューアルバム『白じゃいられない』のリリースを前に、昨年12月6日（金）の名古屋公演から6公演をまわってきた。1月11日（土）に行なわれたツアーファイナルの東京・夜公演では、寺本理絵と永尾梨央が開演前の影ナレから“そんな声量でいいんですか？”と客席を煽って気勢を上げる。Overtureが流れる中で12人が勢ぞろい。「少女たちとアイボリー」で、12人でのフォーメーションダンスにより華やかで見ごたえの増したライブが始まる。

メンバーごとに細かなアレンジがなされつつも白一色で統一された衣装は、風をいっぱいに受けて広がる帆のようで、これから何色にも染まっていく気概を見せた。「遠キョリ。だって本気」で客席にキュートなオーラを振りまき、疾走感ある「拝啓ライバル」「不屈のアイドル」では、ソロパートで各メンバーが強い目力とともに歌声を響かせていく。メンバーの挨拶を経て、「同担☆拒否」は撮影可能タイムとなる。ファンはそれぞれの推しにフォーカスして撮影を楽しみ、場内がヒートアップしたところで「最近めっちゃかわいいね」「#超絶かわいい」「おまえも♡」とコール＆レスポンスが楽しい曲が続く。ソロパートも多い曲たちで、皆ここぞとばかりにキュートなアピールに余念がない。さらに“そんなもんですか？　もっと愛を届けてください！”（寺本）と、まだ序盤にもかかわらずファンを煽っていった。

そして昨年リリースされたユニット曲のライブコーナーに突入し、オリジナルメンバーに新メンバーが加わってのパフォーマンスで新たな印象を見せる。高澤百合愛・波左間美晴・柴咲あかり・一ノ瀬直緒の4人でキュートさ全開の「メルヘンライフ」、寺本・土屋玲実・福田ひなた・橘美空が青春のエネルギーを表現した「ネバギブ!」、永尾・小田桐ななさ・西原悠桜・河合ここゆの4人でのロックでセクシーな「SSS」と、曲ごとに切り替わるメンバーの表情でも会場全体を魅了していった。

MCでは、2025年に実現したい夢も語られた。“Zepp DiverCity(TOKYO)を埋めて大きなステージに立つ”“脚本を書いて舞台をやってみたい”“どの公演も完売したい”“地上波の番組に出てお茶の間を笑顔に”“47都道府県をまわって、みんなに会いに行く”など、たくさんの夢が叶うようファンにアピールしていく12人だった。

ライブは終盤にさしかかり、メジャーデビューアルバムのリード曲「恋の矢印」がこのステージで初披露される。白衣装からグレーをベースにした衣装で、“私、白じゃいられない！”とプリンセスになる決意を示した青春ラブソングを歌い、メジャーデビューにかける想いをパフォーマンスで示す。

透明感あるサウンドが雄大さを感じさせる「ビュティホ」からライブ定番のキラーチューン「ファンサ」「君は必ず好きになる」と続き、最高の笑顔で踊るメンバーにファンもジャンプやクラップで応えて、ライブ本編は幕を下ろした。

だが、熱いアンコールに応えて、再び集結したメンバーは、ステージ上で円陣を組んで「僕らはきっとすごくない」のパフォーマンスにいっそうの力を込める。

このツアーでは、ソールドアウトを目指して24時間配信やチラシ配りなどを行ない、地道に努力してきたが、目標には届かなかった。それでもオーディションや日ごろの活動でアイドルの楽しさを実感してきたことをファンに伝えていく、そして、今の悔しさをメジャーデビューにぶつけたいと語っていたメンバーに、スタッフから手紙が届く。

そこには日頃の活動への感謝と、4月からの全国6ヵ所（大阪・北海道・広島・福岡・愛知・神奈川）でのツアー開催が決まったことが綴られていて、ツアーの感慨にひたっていたメンバーとファンから大歓声が巻き起こる。歓喜の中“これから先も悩むことや苦しむことがあるかもしれないけど、ファンのみなさんやいつも支えてくれるスタッフのみなさん、このチーム・カレアイのみんなと冒険の続きを楽しんでいきたいです。そばにいてください”とリーダーの永尾が宣言し「チームメイト」を披露し、ファンとの絆を確かめ合ってツアーを締めくくった。

ライブでもテレビでもSNSでも、もっと大きな存在になりたい。思い思いの夢を抱いて、色とりどりの景色をファンに見せていくべく、メジャーデビュー後も可憐なアイボリーの挑戦は続いていく。