TEAM SHACHI［ライブレポート］あふれる想いを全力パフォーマンスで届け切った＜シャチサマ＞Day2公演

改名後初の関東開催、そして、初の2デイズ開催となった今年の＜シャチサマ＞の会場は、埼玉県にあるハイブリッドレジャーランド東武動物公園。遊園地と動物園を併設しているレジャーランドの中にあるドーム型の半野外のイベントステージHOLA!が舞台となった。

ウォーターキャノンによる放水や水鉄砲の演出が印象的だったDAY1＜～サマースプラッシュ！やんちゃで自由な真夏の祭典～＞に対して、DAY2のタイトルは＜～沸騰！リアルサウナHOLA！～＞。タイトルからも、多くのタフ民（TEAM SHACHIのファンの総称）が暑くて熱いライブになることを予想し、期待して臨んでいたに違いない。

夕方4時。熱気溢れる会場内にシャチサマ仕様の「Overture」が鳴り響き、モニターにメンバー4人の紹介映像が次々に映し出されると、タフ民のクラップとコールがどんどん力強くなっていくのが感じられた。

客席後方の芝生スペースから秋本帆華、咲良菜緒、大黒柚姫、坂本遥奈の4人がサプライズで入場すると、咲良の“シャチサマ、頭振れ～い！”という激しい煽りから「ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY POWER BALL」でライブがスタート。アグレッシブなナンバーでのDAY2の幕開けに、大きな歓声が上がると、2曲目は「そこそこプレミアム」。2曲連続での盟友・浅野尚志が手がけた楽曲でタフ民のコールにも熱が入り、ボルテージが一気に高まったところで、新たなTEAM SHACHIのライブアンセムとなった「沸き曲」を披露。ホーンセクションのブラス民も加わり、会場を一気に沸かせると、ミディアムナンバー「You!」へ。“湯”と“You! ”をかけた遊び心で、早速“リアルサウナ”というテーマを体現したブロックとなった。

最初のMCパートでは、自己紹介とブラス民の紹介後、改めてDAY2のコンセプトを説明。咲良が“今日のライブは、サウナ10回分くらい汗をかけると思う”と語ると、坂本が“まだまだリアルサウナを体感していきましょう”と煽って、次の曲へ。

次のブロックも“リアルサウナ”と謳うに相応しい熱いセットリストが組まれていた。まずは、“構え”のポーズから「TEAM SHACHIのソーラン節（南中ソーラン）」でスタート。《ドッコイショ ドッコイショ》《ソーラン ソーラン》という祭りのかけ声のコール＆レスポンスで一体感が生まれたところで、サブステージへ移動して「FANTASTIC MIRAI」を熱唱。サビでの転調も相まって、心を揺さぶるロックナンバーでタフ民の魂を熱くさせると、再びメインステージへと戻り、「DREAMER」「サマラバ」へと続いていく。特に、「サマラバ」で、メンバーが2人ずつ左右のミニステージに立ち、ウォーターキャノンで水しぶきが上がる中、タフ民とともにタオルを回す光景は圧巻だった。タオルを回すことで、熱気がHOLA!内を循環する様はまさに“リアルサウナ”。ロウリュからのアウフグースを想起したタフ民も多かったことだろう。

今回のシャチサマでは、メインステージのほか、花道で繋がったサブステージと客席内の左右にミニステージがセットされていたのだが、ライブ中に何度も客席の中を通って移動していくので、どの席にいても最前気分を味わえるというのが最大の特徴だ。推しをこんなにも近くに感じられる大型ライブはなかなかないのではないだろうか。

次のMCパートでは“会場全体がお風呂みたい”“MCのたびにタフ民のみんなも整っているのでは？”といったサウナトークを展開しながら、“リアルサウナ”を体感させるライブはまだまだ続いていく。

咲良の“全員整列！”という煽りから「OEOEO」で次のブロックに突入すると、「縁爛」へと続く。タフ民のコールとともに作り上げる新旧のライブ曲から、さらに「抱きしめてアンセム」へ。そして、お馴染みのダンスや体操で熱くなったこのブロックの最後は《冷たい風が吹いた》という歌詞から始まるロックバラード「レースのカーテンを揺らした」でクールダウン。サビの4人のユニゾンが野外に響き渡り、それをじっと見守るタフ民の姿がとても印象的だった。まさに“ととのい”ソング的な役割を果たしたところで、前半パートが終了。

タフ民が思い思いに水分補給やクールダウンする中、モニターには、東武動物公園内で撮影された映像が映し出される。ワチャワチャした4人の姿にほっこりしたところで、ライブは後半戦へ。

後半戦は「のんあるすいけん feat.炒飯」でスタート。衣装もこの曲のMVで着用しているチャイナ風の衣装へとチェンジ。《あい あい》というコール＆レスポンスで一体感が生まれると、TEAM SHACHIの可愛らしさがギュッと詰まった「おとなりさん」、さらにブラス民を従えての「Kissy-麺」へと続く。炒飯で始まり、きしめんで終わったこのブロック。中には“サ飯”を連想したタフ民もいたのではないだろうか。

そして、いよいよ“リアルサウナ”を体感するライブもラストブロックへ。咲良の“まだまだととのいたいよね？　ととのうためには、熱くならないといけないよね？　思い切り汗かこうぜ！”というMCから、ブラス民とともに「いけいけハリウッド」「いいくらし」というチームしゃちほこ時代の楽曲を披露すると、サブステージへと移動して、ライブ鉄板曲「番狂わせてGODDESS」でクライマックスへと向かっていく。

DAY2本編の最後は「START」。今回のシャチサマ2デイズを1つの通過点と捉え、また新たな目的地に向けてスタートを切るといった強い意志が感じられるようなエンディングとなった。この曲の咲良の落ちサビからのエモーショナルな大サビへの展開では、タフ民の全力のクラップとコールが不可欠。まさに、ブラス民とタフ民とともに作り上げた＜シャチサマ2024＞の大団円となった。

しかし、それだけでは終わらない、終われないのが＜シャチサマ＞であり、TEAM SHACHIのライブだ。アンコールには、さらなる壮大なシャチサマ“後夜祭”が待っていた。まずは、8月7日にリリースした新EP『待ち合わせに、飽きもと。』から新曲「まつりびと〜カキツバタ〜」を披露。カキツバタは愛知県の県花である。続いて、客席を練り歩きながらの「尾張の華」。この曲では、カラーボールを投げるファンサービスも。地元・愛知への想いとタフ民への感謝の気持ちが込められたアンコール前半となった。

そして、＜シャチサマ＞2デイズの締め括りとして、いかにもTEAM SHACHIらしいエンディングへと突入する。

秋本から、TEAM SHACHIが今目指している満員の日本武道館でのライブ開催という目標が語られた後、最後の曲振りを託された大黒は“2日間最後の曲だよ！　みんな、やる気ある？　この曲は何回でもやるから”と煽って、「沸き曲」へ。この日2回目、＜シャチサマ＞を通して3回目のパフォーマンスとなったのだが、大黒の煽りを待っていました！とばかりに受け止めるタフ民のリアクションからは、＜シャチサマ＞の最後に再び「沸き曲」で1つになることを誰もが望んでいたかのようにも感じられた。それほどまでに、タフ民にとってもこの曲が絶対的ライブアンセムとなったことを証明した瞬間だった。

ここでさらに＜シャチサマ＞最大の見せ場がやってくる。お立ち台に立つと何度でも「沸き曲」が流れてくるという“無限沸き曲”へと突入し、10分近く立て続けにパフォーマンス。最後は、メンバーもタフ民も、残っている全気力と全体力をぶつけ合って、出せる限りの声を振り絞って、熱い2日間が終了した。

本編ラストに歌われた「START」には、こんな歌詞がある。《僕らの物語は終わらない》《僕とキミの明日が始まる》。まさに、灼熱の東武動物公園での2日間の＜シャチサマ＞を完遂したところから、またTEAM SHACHIとタフ民の新たな挑戦が始まろうとしている。DAY1のMCで、秋本が“目が離せないグループになりたい”と語ったのが印象的だったが、TEAM SHACHIのこの秋からの動きもますます目が離せない。9月からは、＜友達万博＞と題したライブシリーズを開催し、来年1月4日（土）にTOKYO DOME CITY HALLで行なわれる＜決戦の鯱詣 2025～ポジティブ・エキサイティング・ソウル・ライブ～＞へと繋げていく。観る者の心を沸かせ続けるTEAM SHACHIのライブにこれからも注目し続けてほしい。