©浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee

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でんぱ組.inc 古川未鈴・相沢梨紗・藤咲彩音、「『デデデデ』という素晴らしい作品にでんぱ組も入っていくことができた気がして嬉しかった」『デデデデ』スペシャルイベント出演

映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(以下、『デデデデ』)が、6月10日(月)に<浅野いにお(原作者)×でんぱ組.incスペシャルイベント>を開催。

でんぱ組.の「あした地球がこなごなになっても」は、『デデデデ』の挿入歌に起用。同イベントには、同曲の作詞を担当した浅野いにおと、でんぱ組.incの古川未鈴・相沢梨紗・藤咲彩音の4名が登壇し、楽曲誕生秘話や当時のエピソードなどを語った。

本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

2015年に発表され、ビルボードジャパンでは1位を獲得するなどの大ヒットした同曲が、同作の前章ではインストゥルメンタルで使用されていたが、後章では“すごく重要なシーン”で流れると風の噂で聞いていたという古川は“そういう心構えで観ていたんですけど、それでもいいところで流れて胸を打たれました”と目を輝かせ、相沢も“曲を使っていただけるらしい”とだけ聞いていたそうで“どこで流れるんだろうと思ったら「えーっ!」って感じだったのでびっくりしましたね”と吐露。藤咲は“前章(のインストゥルメンタルで)で終わりだと思って後章を観たら、(いいところで流れて)普通に泣きました(笑)”と笑顔を見せた。

中川凰蘭役のあのが、“最高の場面で最高の曲が流れる”と言っていたことが話題に上ると、古川は“同じ時代を戦ってきた元アイドルのあのちゃんがお声をやられているというのが、個人的には嬉しいなと思える部分の1つでした”と感慨深げに語り、浅野から“あのちゃんは制作段階で「この曲を使うよ」という話をした時もすごい反応をしていた”と明かされると、古川は“嬉しい! 知っていてくれたんだ”と声を弾ませつつ、“あのちゃんとあまりしゃべったことがないんですけどね”とぶっちゃけて会場の笑いを誘った。

改めて、同作を観た感想を求められると、古川は先日、早朝に緊急地震速報の警報が発令された際、一瞬危機感を持ちつつも、何ごともなくすぐに平常に戻ったことで同作を思い出したそうで“大変なんだけど慣れちゃった自分がいて、それが『デデデデ』と通ずるものがあって、『デデデデ』を観たから気づけたことなんだなって思いました”とコメントすると、浅野は“珍しい切り口だな”とツッコんで笑わせた。

同じ質問に、地球が滅亡するという状況で、何をしたいか改めて考えたという相沢は“不安になったからもう1回観ようって思ったり、観ていく中で「大丈夫かも」って思えたり、落ち込むのに励まされたりして、今までにない感覚で作品を観させていただきました。落ち込んだ時に観たいなって思いました”と述べ、“とんでもない気持ちになって帰った”という藤咲は、“前章を観てほのぼのとした気持ちで帰って、後章を観たらドカーンとぶつけられる感覚で、違うものを観ている感覚でした。最終的には自分の心のよどんだ部分を吸い取ってくれるみたいな感じだったんですけど、感想の手が止まらなくなって、言葉を生みまくる製造機みたいになりました”と興奮気味に語った。

また、同曲との関係性を聞かれた浅野は、もともとアイドルファンになる要素が自身にはなかったといいつつ、でんぱ組.incの「でんでんぱっしょん」を聴いて衝撃を受けたそうで“そこからでんぱ組のパーソナルな部分を見ていったら、僕が認識していたアイドル像とは全然違って、しかも、みなさんその時点でちょっと歳いってたじゃないですか”と歯に衣着せぬ物言いをしてでんぱ組.incのファンを爆笑させつつ、“アイドルというものに対しての客観性とか、俯瞰して見ている感じがして入りやすかったし、みなさんほの暗い10代を過ごしてきたバックボーンがあって、そこから這い出てきて、本来みなさん暗い性格かのかもしれないけど、曲はとんでもなく明るく振る舞っているその価値観が健気に見えた”と、でんぱ組.incに興味を持ったきっかけを話した。

続けて、浅野は“「でんでんぱっしょん」がなかったら『デデデデ』はないんですよ”と告白して、3人とでんぱ組.incのファンを驚かせ、“おんたん(凰蘭)というキャラクターは、でんぱ組のグループとしての性格をまんま表していて、表裏があって、みんなわかっていてから騒ぎをしようというスタンスに、当時、時代性も感じたし、それをキャラクターにできないかというのがありました”と説明。加えて、浅野は“おんたんってツインテールじゃないですか。それは未鈴ちゃんがツインテールだから”と打ち明けると古川は歓喜。“僕はそれまでツインテールのキャラクターをメインに持ってきたことは1度もないんですけど、未鈴ちゃんのように普段からツインテールをしている子がいると認識したから漫画に描いてもいいと思えるようになって、あのキャラクターが生まれました”と同曲以外でもでんぱ組.incと同作が深く繋がっていることを明かした。

そして浅野は、当時、自身のXで「でんでんぱっしょん」を絶賛したところ、でんぱ組.incのプロデューサーからCDジャケットのイラストの発注があったことを振り返り、“その流れで「歌詞もどうですか?」って言われて、僕はやりたがりなので「ちょっとやってみますか」と言ったのが発端でした”と同曲と関わることになった経緯を語り、歌詞を執筆するためにメンバーにインタビューをすることとなったが、でんぱ組.incが多忙だったため、海外遠征に行く直前に空港でインタビューを行ない、“地球が滅亡する日に何をしたい”と聞いたところ、メンバーが数人泣いてしまったと回顧。

そういう質問をした理由について浅野は“もうタイトルが決まっていて、当時『デデデデ』の連載が始まって1、2年くらいの時だったと思うんですけど、漫画家って1度連載が始まっちゃうと、そのストーリーが頭にロックされちゃうので、その世界観から離れられないんですね。だから、歌詞を頼まれたけど、『デデデデ』についての物語にしないと僕も混乱しちゃうから、『デデデデ』のセルフイメージソングじゃないけど、ここに物語の世界観を曲として定着させることで、自分が今後(漫画を)描く時にブレないようにしようというくらいの気持ちで書きました”とコメント。

さらに、原作ではエンディングのタイミングで同曲の歌詞が掲載されているが、浅野は“その時(執筆時)はもうアニメ化が動いていたので、ボク的には自分で仕込んでいるというか、あとあと「この曲使ってください」って言いやすいように原作に仕込んでおくかという姑息な感じはありましたけど、あのシーンにはこの曲が合うということは自分が1番わかっていたので、それをゴリ押しするためにそうしました”と告白して、でんぱ組.incのファンから拍手を浴び、相沢は“でんぱ組はみんなオタクなので、アニソンになることに対して異常な憧れがあるんですけど、9年越しにでんぱ組にアニソンが増えて「ブワッ!」というものがオタク的にはありましたね”と喜んだ。

そして、同曲が9年越しに同作の挿入歌として採用されたことにちなみ、この9年で変わったこと、変わらないことを質問されると、相沢は“9年「姫毛」はずっとありますね”と答え、古川は“優しくなった”といい、“後輩のメンバーが増えて、後輩になんて声をかけたらいいのかと悩んだりしたんですけど、優しくなろうという気持ちで、無愛想なのはやめようって思いました”とコメント。浅野は“連載を9年していたので、その間に変わるということはないんですけど、前会った時は僕、金髪だったんですけど、今は総白髪なんですよ。精神年齢は変わらないけど身体だけは朽ちていくことがよくわかりました”とぶっちゃけて会場を沸かせた。

最後に、コメントを求められた相沢は“このたびは『デデデデ』という素晴らしい作品にでんぱ組.incも入っていくことができた気がして嬉しかったです。今日、改めていにお先生にでんぱ組と作品の繋がりを聞かせてもらったら、これからライブで歌う気持ちがより強くなるなと感じました。みなさんにもこの曲と映画を愛していただけたら嬉しいです”とアピールし、浅野は“10年近くかけたでんぱ組と『デデデデ』の関係、「あしこな」という曲を架け橋にしてようやく伏線が回収されました。安心しております。そしてでんぱ組のみなさんありがとうございます”と晴れやかな表情を見せた。

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