松村沙友理［イベントレポート］最近の大阪について語る「パリなんじゃないかと思う！」劇場版『マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』大阪先行上映会

推理小説の登場人物となり、参加者が話し合いながら事件の解決を目指す体験型ゲーム『マーダーミステリー』。同ゲームシステムをベースに朝日放送テレビにて2021年3月に、ストーリーテラーに劇団ひとりを迎え『マーダー★ミステリー　探偵・斑目瑞男の事件簿』としてドラマ化。今までにない俳優による緊張感のある即興劇（アドリブ）と先の読めない展開が話題となり、2021年12月には舞台化、さらに2022年3月にはシリーズ第2弾ドラマが放送された。

劇場版の舞台は“一夜のうちに3人の生贄の血を滴らせると死者が蘇生する”という不気味な伝承が残る鬼灯村。その伝承をもとに“三つ首祭り”という奇妙な鬼祭が行なわれていた夜、村の長を務める一乗寺家当主の遺体が発見される。屋敷にいた8人はそれぞれ人には言えない秘密を抱えており、殺害の動機を持っていた。事件の真相に迫るべく、登場人物を演じるキャストによるアドリブ推理が予測不能な結末へと導かれていく。

光岡監督は“すべてアドリブで演じる映画はないですし、新感覚な映画と思って観ていただけたら嬉しいです”と挨拶。

妖艶な色香を漂わせる後妻・一乗寺初乃役を演じる文音は“コメディ要素も詰まっているので、我慢せずに声を出して楽しんでほしいです！”と、ほかの映画にはない一味違った本作を推した。

幼さが残る屋敷のメイド・三宅麗役を演じた松村。大阪出身ということもあり、最近の大阪について尋ねられると“パリなんじゃないかと思う！　え？大阪のこと褒めすぎ？　大阪駅なんて、私にはロンドンやん！と思ってます！”と大阪を大好きアピール。

NYに2年間演劇留学をしていたという文音は、“大阪の人は精神力と根性があるから、東京の友達はすぐ帰国したけど大阪の人はずっとNYに残っていた。パワフルなイメージです。言いたいことは全部言うし包み隠さないし、気持ちのいい人が多いです！”と加えて大絶賛。

全編アドリブ・設定資料のみ・台本なし、さらには現場でキャスト同士が顔を合わせないよう徹底された撮影現場について聞かれた文音は“普通の現場は挨拶をして会話をしながら撮影に入っていくのに、撮影が始まってヨーイスタートでいきなり初対面だったから、緊張感のある現場でした”と振り返ると、松村も“本当にアドリブで何も決まってないので、ずっと人を疑っていたので（笑）、スタッフですって言ってた人が「僕（が犯人）です」って言うんちゃうんかな～って！　全員悪そうに見えました（笑）。なんならマネージャーもグルなんじゃないのかなと思うぐらい疑ってましたね”と言うと、文音も“人間不信になりますよね！”と現場で極限状態だったことを吐露した。

ほぼムチャブリで進んだ撮影現場だったという監督の言葉を受けた文音は、“終わったあとは、みんなで1つの芝居を作り上げた一体感はすごいありましたね！”とエピソードを語った。

最後に、文音は“この作品は新しい映画になっていると思います。台本がない映画なんてやったことないですし、ほかにないと思います。役者の役なのか本人なのかそういうところが注目ポイントです！”と見どころを語り、松村は“みなさんどこからどこまでがアドリブなのかなと思うかもしれませんが、全部ほとんどアドリブなので、そういうところも驚いてもらえたら嬉しいです”と観客に向けてメッセージを送った。

光岡監督は“役者さんの力ってすごいなと感じたくて、この映画を始めました。台本がないから素で出てくるその瞬間や、お芝居の迫力とかが詰まっている映画だと思うので、その部分を感じてもらえたらありがたいです”と舞台挨拶を締めくくった。