PinkySpice[ライブレポート]全身全霊のパフォーマンスで、圧倒的な熱狂を生み出した5周年ワンマンライブ「これからもみなさんの力をいっぱい借りて、もっともっと大きくなれるように頑張っていきます」
PinkySpice[ライブレポート]全身全霊のパフォーマンスで、圧倒的な熱狂を生み出した5周年ワンマンライブ「これからもみなさんの力をいっぱい借りて、もっともっと大きくなれるように頑張っていきます」
PinkySpiceが、11月23日(木・祝)に神田明神ホールにて5周年記念ワンマンライブ<PinkySpice 5th Anniversary Special LIVE>を開催した。
同公演では、これまでの活動を通じて磨き上げてきた表現力豊かなパフォーマンスと多彩な楽曲を披露。それに呼応するように、観客も会場を揺るがすかのような力強い声援をステージに送り、圧倒的な熱量のある空間を生み出した。
本記事では、メンバーとオーディエンスの想いがあふれ、多幸感あふれるシーンの連続となった同公演の模様をお届けする。
<PinkySpice 5th Anniversary Special LIVE>神田明神ホール(2023年11月23日)
取材&文:竹内伸一
撮影:河邉有実莉
会場が暗転すると、舞台の背後にある大きなモニターに映像が流れ出し、メンバーを1人ずつ紹介していく。フロアからはそのたびに大きな歓声が上がり、場内のテンションは一気に高まっていった。そんな中、モニターに“Are You Ready?”の文字が浮かび、重低音のきいたアッパーなSEに乗って8人がステージに登場。赤を基調とした衣装に身を包んだ彼女たちは、“オイ! オイ!”とはやし立てる観客の声に合わせて、まずはダンスを披露。そのシャープな動きは、彼女たちのポテンシャルの高さを十分に見せつけるものだった。
すかさず1曲目「SPICY COLOR」のイントロが鳴り響く。するとすさまじく大きなコールが巻き起こる。しばしば“地鳴りのような”と形容するが、2階席で観ていると、その声でフロアが振動するかのような大迫力だった。
熱量の高いコールを誘発しながら彼女たちは、アッパーなダンスチューンを連続して投下。激しいビートに乗せて切れ味鋭く踊り、エモーショナルな歌声を響かせていく。曲想に合わせたクールな表情が実に凛々しく、また、「EXIT」の転調するパートでは妖艶なダンスも披露。「DREAMER」では“もっと声出して!”と煽り、さらに大きなコールを巻き起こし、最後は“一緒に!”と全員で拳を突き上げて大合唱を生み出した。
駆け抜けるように一気に4曲を披露したところでMCへ。自己紹介のあとに“前半はカッコよく、後半は限定衣装で可愛く”というこの日のコンセプトを発表……ということで、次のブロックもハードなダンスナンバーを連発していく。
重低音がききまくる「Relight」では、流れるようにフォーメーションを変えながら8人が熱く歌いつづる。「愛だらけの世界」では手を打ち鳴らすような振りを会場全員で行ない、大きな手拍子が鳴り響く。エレクトロスウィング風の「THE GAME」では、緩急をつけた動きで魅了。微笑みをたたえた8人の表情からは、余裕のようなものも感じられ、風格すら漂う見事なパフォーマンスだった。
一転、イントロから爆発したかのようなコールが巻き起こった「Fighter」ではヒザを蹴り上げるような振りをダイナミックに決める。その激しい動きに呼応して、コールも一段と大きなものになっていった。「洛陽に惑う」のエンディングで8人が“Woo~!”と声を重ねて熱唱すると、舞台は暗転。モニターには映像が流れ出し、メンバーが5周年の想いを語った。
織本杏実:
PinkySpiceに加入して9ヵ月。人生で1番濃い日々を過ごしています。今までの人生では絶対に経験できなかったことばかりだし、アイドルじゃなかったら出会えなかった人とも出会えました。全然ウマくいかないことも多いけど、アドバイスしてくれるメンバーと杏実が頑張っている姿を全力で応援してくれるファンのみなさんに支えられています。今日からは正規メンバーとして、PinkySpiceに相応しいメンバーになりたいです。
紫月ひかり:
PinkySpiceのメンバーは、どんな時でも安心できてともに立ち向かえる仲間です。私はバックダンサーや振付師として活動していました。でも、PinkySpiceのライブと出会って、こんなにも心を動かされるものがあるんだと感じました。ピンスパに入ったら、私もみんなの心を動かせるようになりたいと思って続けてきました。でも、それはみんなのチームワークがあってこそ。私はしゃべるのが苦手なんですけど、みんなでフォローするから大丈夫と言ってくれたり、ライブ前に緊張していると励ましてくれたり……。そのおかげで安心してステージに立てています。みんな、尊敬しています。大好きです。
美波かのん:
初めて自分で選んだ道がピンスパでした。昔からアイドルは大好きで、なりたいと思っていたけど、なかなか行動できなくて。だから、ピンスパのオーディションに合格した時はすごく嬉しかったです。歌もダンスもイチからだったので大変でした。私はみんなの10倍やらないとできなくて、悔しくて泣いたこともあったけど、憧れたステージに初めて立った時、すごく幸せを感じました。これからものんちゃんと一緒に歩んで行こうね。
綿雲えり:
えりは特別歌がウマいわけでもダンスが踊れるわけでもなくて。歌割りが少なくて立ち位置も端っこで、すごく落ち込んだことも正直あったといえばあったんですけど、ここまで3年頑張ってこれたのは、ファンのみんなが一緒に見守ってくれた……一緒に頑張ってくれたから。それがすごく嬉しいです。みんなが元気をくれるから毎日頑張れています。
蒼以みるか:
私は昔からアイドルが好きで憧れていたんですけど、自分には才能がないからできないと思っていました。でも、今しかできないことをやろうと思って、ピンスパのオーディションを受けました。ピンスパに入って人生が180度変わりました。自分を受け入れてくれるファンの人と出会えて幸せです。今日、来てくれたみんなにとって、PinkySpiceと過ごす時間が1番輝く時間であってほしいので、これからも頑張ります。
⾳咲あやね:
5年間、あっという間でした。ダンスも歌も未経験だったし表に立った経験もなかったので、自分の存在感は薄かっただろうなって思います。CDがお店に並んだり、フェスに出演できたり、続けてきたことで叶ったこともたくさんありました。今はアイドルが職業ですって胸を張って言えます。ピンスパで叶えたい夢がまだまだあるので、いつも応援してくれるみんなといっぱい叶えていきたいと思っています。
花村かれん:
PinkySpiceに入ったことは人生の転機でした。入って活動していなかったら今ごろ何をしてたのかなって思います。夢もやりたいことも見つからなかったかれんが、唯一頑張れると思える場所がPinkySpiceです。自分がポンコツなことに落ち込んだり、くじけそうになることもたくさんあったけど、みんなが励ましてくれて、かれんちゃんはそのままでいいよって言ってくれて。いつも支えてくれてありがとう。
大塚れな:
PinkySpiceは、私の人生のすべてです。PinkySpiceのために何をしたらいいかな、どうやったら大きくなれるかな、こんなことしていきたいなって毎日PinkySpiceのことを考えています。この1~2年で東京進出もできて、PinkySpiceが少しずつ知ってもらえるようになって、今までがむしゃらにやってきてよかったなと思うし、やってきたことは無駄じゃなかったなと思っています。もう無理かな、限界かなって思うことも正直あるんですけど、そういう時に思い出すのは応援してくれるみなさんの顔。みなさんがいなかったら頑張ることはできていなかったと思います。
メッセージ映像が終わるとブルーが鮮やかな衣装に着替えた8人がステージに再び登場。ピアノのイントロに導かれた「恋する君を想う」から後半戦をスタートさせた。前半とはがらりと雰囲気を変えて、ポップなサウンドに乗せてキュートに歌い踊る。その一方、観客の熱狂ぶりは変わらず、大きなコールをくり出して8人を煽っていく。サビでは“一緒に踊って!”の声で、メンバーと一緒に飛び跳ねるように踊り、エンディングでは声を揃えて口上を送った。「Steal Heart」を笑顔を振りまきながらパフォーマンスすると、“東京では初披露”という新曲「PRISM」へ。キャッチーでメロディアスなこの曲を、8人は真っ直ぐな歌声で歌いつづる。指をさすような振りに合わせて、会場中のサイリウムが大きく揺れたのも印象的だった。
ここでMCが登場し「企画コーナー」へ。SNSで募集した質問にメンバーが答えていくことに。
まずは“5年前、または加入した時の自分に一言”。
蒼以:
緑のペンライトが増えたよ~。
綿雲:
えりのこと、憧れだって言ってくれる人と出会えたよ~。
紫月:
アイドルらしくなったよ~。
美波:
人生が変わったよ~。
音咲:
アイドルが職業になりました~。
花村:
素敵な未来が待っているよ~。
織本:
毎日が充実してるよ~。
大塚:
ファンが増えた~!
続いて“今までアイドルを頑張ってこられた原動力って何?”という質問には5人が答えた。
音咲:
メンバーの親密さだと思います。
花村:
PinkySpiceという名前、楽曲、パフォーマンス、メンバーのみんな、全部がかれんの好みで大好きだから続けられました。
綿雲:
性格の不一致(笑)。8人のキャラが被らなくて、補い合えて個性が伸ばせるグループだから。
蒼以:
メンバーもファンの人も優しいからだと思います。
大塚:
休まない! インフルとか表に出ちゃいけない時以外は、基本みんないます!
最後は“PinkySpiceでよかったと思う瞬間は?”という質問に、新メンバーの3人が回答。
織本:
メンバーがみんないい人だからよかったです。
紫月:
メンバーの空気感がすごく好き。変なことを言っても許される(笑)。
美波:
ファンとして観てたステージに立てることが嬉しいです。
会場全体でメンバーの答えに大笑いしたり、ツッコミを入れたりして、場の空気が大きく和んだ後は、“ラストスパートです!”の声とともにライブを再開。ソウルフルな「この指とまれ!」を賑やかに歌い踊り、キャッチーなポップソング「SweetPinkyChocolate」では、会場中に視線を送って魅了していった。
本編ラストは、「キミのせい」。紫月と大塚がステージ袖まで駆け出してファンを煽り、綿雲が“大好き~!!!”と絶叫すると、観客は沸点を突破したかのような狂騒状態に。落ちサビでは紫月と音咲が美しい声を響かせて今度は歌声で魅せると、最後は絶叫の大コールがこだまする中、8人は弾むように歌い踊ってステージをあとにした。
次ページ
- 1