須田亜香里［インタビュー］アイドル卒業後、初のフォトエッセイでさらけ出したありのままの姿「“この半年で何が起きたんだろう？”と妄想して見てもらえたら嬉しい」須田亜香里フォトエッセイ『がんこ』インタビュー

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知りたいと思ってくれてる人にとっては、貴重なエピソードなんだろうなって思えたことで書くことができた

――今回、フォトエッセイを発売することになった経緯を教えてください。

須田：
1年前の11月1日にSKE48を卒業したんですけど、その頃に“本を一緒に作りませんか？”とお声掛けていただいて。実はグループ在籍時から“一緒にやりたいですね”って言っていただいていて、その約束がまだ果たせていなかったので（笑）、“私でよければ、よろしくお願いします”という感じでした。

――写真集ではなくフォトエッセイだった理由は？

須田：
写真集は出したことがありますし、今回は、私の希望というよりも出版社の方から“文章を書いてほしい”というお話をいただいていたので、フォトエッセイという形になりました。

――須田さんはこれまでコラム本なども出版されていますが、フォトエッセイという形で文章を書くにあたって、これまでとの違いや難しさなどありましたか？

須田：
いいところだけ見せてしまったり、こう見られたいという部分ばっかりが出てしまい書くことを制限してしまうこともあるので、そうじゃない部分も見せたいと思いながら書くのはなかなか難しかったです。その辺は苦戦しましたね。

――自分のよくないところを見せるのが難しかったと。

須田：
そうですね。“卒業後初”ってことだけで気になってフォトエッセイを見てくださる方もいると思うので……私は特にぶっちゃけることなんて何も持ってないというか、自分の中の“普通”が、実は特別なことだったり面白いと思ってもらえるかどうかって、人との会話の中で気がつくことが多かったりするじゃないですか。それを自分の中から引っ張り出してくるのが難しい作業だなと思いました。

――自分と向き合うだけでは出てこない部分があったんですね。

須田：
そう。向き合っても見つかるものじゃないので、“できません、書けません”って何度も断りました（笑）。

――断ったんですか？

須田：
はい（笑）。でも書いてほしいって言われて、“いや、無理です”って何度も断って（笑）。

――その壁をどうやって乗り越えたんですか？

須田：
今回のエッセイのテーマは、生活環境や人間関係、ファションなど、いろいろあるんですけど、1つひとつのテーマについて編集担当の方と何度もお話しして、“そこを膨らませて書いたら面白いかもね”っていう部分を、できるだけ指摘してもらうようにして、そこを自分の中で膨らませながら書いていったんです。“膨らませきれていない部分があれば教えてください”と伝えて、“話している時は長く話せていたけど、文章になったら短くなっていたね”とか言っていただいて。例えば、家族についてのテーマでも、私、3つ上の兄がいるんですけど、今まで兄の話ってほとんどしてこなかったし、自分の中では、日常すぎるから書かなくていいかって勝手に制限していたことも、実は知りたいと思ってくれている人にとっては貴重なエピソードなんだろうなって思えたことで、書くことができたんだと思います。

――今回のフォトエッセイでは、恋愛についても書かれていますが、グループを卒業したことでそれこそ制限をかけずに書けた部分もあるのでは？

須田：
人って、いろんな物を見たり出会ったりしてインプットすれば、感性が変わったり、何かしら進化していくと思っているんですね。グループを卒業する前は、1年の3分の2くらいメンバーと一緒に過ごしたり、同じスタッフさんと顔を合わせて、それ以外の時間で1人の仕事をさせてもらってという生活でした。でも、グループを卒業して生活自体や日々会う人も変わりましたし、今までは自分の名前の後ろに“SKE48っていう肩書き”がいつもくっついてくるから、発言もグループに寄せなきゃいけなかったり……。もちろん、それを意識していたわけじゃなくて、無意識のうちにそうなっていったんですけど、今は、自分の言葉は自分のものでしかなくて。それが届く人には届くし、届かずに誤解があったとしたら反省すればいいし……発するのも自分の責任だし、間違ったなと思ったらそれも全部自分の責任で、自分だけのものだからダイレクトに自分に返ってくる。グループにいた時よりも発言することは難しくなるのかなと思ったら、むしろ今まで以上に自分の言葉でしゃべれることが意外と楽で、文章を書く時にも、無意識に自分の感性に従って言葉を使えるようになっているなとは思いますね。

――グループ在籍時に出版した本と読み比べ甲斐がありますね。

須田：
そうだといいですね。今まで自分で書いた本は2冊ありますけど、今回は肩の力が抜けている分、自分的には手応えを感じにくいというか……自己啓発本だった1冊目（『コンプレックス力〜なぜ、逆境から這い上がれたのか?〜』）とはジャンルも違うし、去年出したコラム連載をまとめた2冊目（『てくてく歩いてく—わたし流 幸せのみつけ方』）とは情報量も違って、今回は“人との関わり方について”とか“コンプレックスへの対応の仕方”とか、自分の日常にすごく近い、自分の1番側にある何気ないことが書いてあったり、自分にとっては当たり前のことばっかり書いてあるので……でも、これまで意外と書いてないことの方が多いし……という感じで、読んでくれる人は楽しんでくれるのかな？とか、反応がすごく気になりますね。

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