Couleur Clarity［デビューライブレポート］同人アイドルがステージで全力で描き切った多彩で幸福感あふれるシーン「この7人でこんなに素敵な景色が見れて嬉しい」
Couleur Clarity［デビューライブレポート］同人アイドルがステージで全力で描き切った多彩で幸福感あふれるシーン「この7人でこんなに素敵な景色が見れて嬉しい」Couleur Clarity＜1stワンマンライブ～はじまりのパレット～＞ライブレポート
紗愛、大河もも、円谷みう、乃街まの、花宮いのり、本田夕歩、芽衣のコスプレイヤー7名から成る新アイドルグループ・Couleur Clarity（クルール クラリティー／略称：クルクラ）が、10月14日（土）に渋谷・duo MUSIC EXCHANGEにてお披露目ライブ＜Couleur Clarity 1stワンマンライブ 〜はじまりのパレット〜＞を開催した。
2024年11月30日（土）までの期間限定で、完全セルフプロデュースの“同人アイドル”として活動をする彼女たちが、ついに初パフォーマンスを披露した同公演は、オリジナル曲をはじめ、乃木坂46、ももいろクローバーZ、＝LOVE、≠MEなどのアイドルソングや、B小町（アニメ『【推しの子】』）、supercellなどのアニメソングのカバーなど、約2時間にわたるボリューム感のある内容となった。
メンバー同士、そしてファンへの感謝の気持ちで彩った彼女たちのアイドル活動の幕開けとなった同公演の模様をお伝えする。
Couleur Clarity＜1stワンマンライブ～はじまりのパレット～＞duo MUSIC EXCHANGE（2023年10月14日）
取材＆文：竹内伸一
“Couleur Clarity！”……ステージ袖からおそらくメンバーが円陣で上げたと思われる声が漏れ聴こえると、会場からは大きな拍手が巻き起こる。そして場内はゆっくり暗転。「overture」とともに、ステージ背後に掲げられたモニターにオープニング映像が流れ出し、メンバーを1人ずつ紹介していくと、その拍手は手拍子へと変わり、彼女たちの登場を促した。映像が“はじまりのパレット”の文字を映し出すと、メンバーが登場。紗愛が“行くぞ～！”と絶叫し、いよいよCouleur Clarityの初めてのライブが幕を開けた。
1曲目は「推しに届け」。彼女たちのデビューを飾ったこの曲を、メンバー自ら制作したことでも話題を呼んだMVをバックに歌い踊った。MVでも着ていた円谷みうが手がけた衣装に身を包んだ7人だが、その表情にはどこか固さが感じられ、声が上ずったり、フォーメーションが少し崩れてしまう場面などもあって、多くの観客を前に、相当緊張していることが見て取れた。しかしながら、7人はくじけることなく、一生懸命にパフォーマンスを続ける。その姿からは、このライブに懸ける想いが伝わってきた。
ラストのポーズを決め、観客から大歓声が上がると、そのまま「チョコレートメランコリー」へ。大歓声が7人の緊張をほぐしたのか、表情は凛々しくも生き生きとしたものになり、動きにも切れ味が加わる。完全にペースをつかんだといった感じで、メンバーからも好きなグループとして名前の挙がっていた≠MEのナンバーを見事に歌い踊った。
2曲を終えて“私たち、Couleur Clarityです！”と改めて挨拶。それを終えるとメンバーが口々に話し始めた……かと思えば、ちょっと沈黙する場面が生まれたりと、このあたりは初ライブらしくまだまだ不慣れといった雰囲気で、初々しいものだった。
7人が自己紹介を終えると、紗愛、大河もも、本田夕歩がステージに残り、3人でアニメ『【推しの子】』の劇中アイドルグループ・B小町の「サインはB」をはつらつと可愛らしく歌い踊ると、ここからはユニットでのパフォーマンスが続く。
花宮いのり、芽衣、乃街まのが和テイストを取り入れた衣装でGARNiDELiAの「極楽浄土」を妖艶に魅せれば、円谷がソロでsupercellの「君の知らない物語」を高らかに歌い上げ、≠MEの「まぼろしアスタリスク」では、花宮と本田がスタンドマイクを使って熱い声を重ねた。
続いて地雷服といった雰囲気の衣装に猫耳を付けた大河と芽衣がステージに登場。すると会場からは“可愛い～！”とため息交じりの声が上がった。2人はその声に応えるようにHoneyWorksが手がけた「キスしちゃだめっ！」（めいちゃん）をとびきりキュートにパフォーマンス。猫耳を外すと、そのまま「ヴァンパイア」（DECO*27）へなだれ込む。今度は激しく迫力のあるダンスを披露。ヴァンパイアが血を吸うように、お互いに相手の首元に顔を近づけるシーンでは、ひと際大きな歓声が上がった。紗愛、大河、花宮、本田による「いらないツインテール」（＝LOVE）では、アップテンポなサウンドに乗って“行くぞ～！”などと煽りを入れ、叫ぶように歌い、激しく踊り、会場のボルテージを上げていった。
淡い色彩が美しい衣装に着替え、全員で披露したオリジナル曲「スキマテリアル」で、会場のテンションはさらに上昇。この曲は事前にコール動画を公開することで、ファンの参加を促していたが、その効果は絶大で、観客は7人の歌声を凌駕するほどの大コールでライブを盛り上げた。
後半戦は、紗愛、大河もも、本田夕歩、芽衣による「行くぜっ！怪盗少女」でスタート。歌詞の“ももいろクローバー”を“Couleur Clarity”に、メンバー名を連呼するところは“もも・すずな・めい・ほんだゆうほ”に変えて熱唱。紗愛が海老ぞりジャンプを決めるなど、本家同様にアクロバティックなパフォーマンスも見応えがあった。「初恋サイダー」（Buono!）は、乃街まのがアカペラの歌い出しで魅了。続いて紗愛と本田が≠MEの2曲をメドレー。「ピオニーズ」ではセクシーに、「サマーチョコレート」ではキュートに歌い踊り、そのギャップで魅せた。
大河、円谷、乃街、花宮、芽衣が高らかに歌った「五等分の軌跡」では、“私たちの気持ちを届けるよ～”と、5人がブーケを客席に投げ入れた。しかし、大河は、投げ込もうとした瞬間に花が落下し、手にはラッピングのみという予想外のアクシデントが発生。慌てて花を拾い上げ、ブーケを作り直して投げ入れると、会場は和やかな雰囲気となった。
乃街、紗愛、花宮、本田、芽衣が「す、好きじゃない！」（≠ME）を小気味よく歌い踊り、メンバー全員揃っての「わたしの一番かわいいところ」（FRUITS ZIPPER）では、この日“一番のかわいらしさ”をふりまく。雰囲気を一転させて「帰り道は遠回りしたくなる」（乃木坂46）は、しなやかに踊りながら、伸びやかに歌い上げた。
最後は、初披露となるオリジナル曲「Couleur Clarity」。イントロに乗せて円谷が“楽しいことばかりじゃなくて苦しいこともたくさんありました。でもみんながいたから頑張れました”と口上。その声はすでに感極まっているようにも聴こえた。彼女のそんな感情の高ぶりが伝わったのか、ほかのメンバーの歌声も、涙声になってしまう場面も。それでも必死に歌い続ける姿は胸に迫るものであったし、バックに流れたこれまでの活動を追ったドキュメンタリー映像も相まって、なんとも感動的なパフォーマンスで、ライブを締めくくった。
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