ももいろクローバーZ<MOMOIRO CLOVER Z 15th Anniversary Tour「QUEEN OF STAGE」>武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ(2023年10月15日/©︎上飯坂一・増田慶)

ももいろクローバーZ<MOMOIRO CLOVER Z 15th Anniversary Tour「QUEEN OF STAGE」>武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ(2023年10月15日/©︎上飯坂一・増田慶)

ももクロ[ライブレポート]15年間の感謝の気持ちを鮮やかに伝えた15周年記念ツアーファイナル

ももいろクローバーZが、10月14日(土)・15日(日)に武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナにて<MOMOIRO CLOVER Z 15th Anniversary Tour「QUEEN OF STAGE」>を開催した。

7月16日の神戸国際会館 こくさいホールからスタートし、夏フェス出演を挟みながら、4ヵ月にわたって行なわれた12公演の15周年記念ツアーは、全公演がソールドアウト。

本記事では、ツアーファイナルとなった東京公演2デイズのうち、ABEMA PPV ONLINE LIVEで独占生配信された最終日15日(日)のオフィシャルレポートをお届けする。

ももいろクローバーZ<MOMOIRO CLOVER Z 15th Anniversary Tour「QUEEN OF STAGE」>武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ(2023年10月15日)

ライブ撮影:上飯坂一、増田慶

午前中、雨に見舞われたこの日。モノノフ(ももいろクローバーZのファンの総称)たちの熱気がそうさせたのか、開場時には見事に雨も止み、時折晴れ間も見られる天気となった。そして、その熱気はまず、オープニングで最初のピークを迎える。1曲目は、今回のツアーオリジナルアレンジの歌い出しから始まる「走れ!」。これまで、ライブやフェスで、たびたび終盤で歌われてきた代表曲を1曲目に持ってきた今回のセットリストにモノノフは歓喜。4色のペンライトが揺れる中、怒涛の“うりゃおい!”コールで一体感が生まれ、多幸感溢れる幕開けに。もちろん、ラストのサビで、ステージ含め会場全体が暗転するお決まりの演出も忘れてはいない。続く2曲目は、ももクロを代表する応援歌「DNA狂詩曲(ラプソディ)」。この曲からは6人のダンサーも加わり、ステージをともに盛り上げていく。そして、2012年のシングル「Z女戦争」のカップリング曲「PUSH」。くり返される“So So”、“Fight oh!”のコールが加わることで一際映えるライブ曲だ。歌詞の最後の部分《これからも 変わらぬ声援 頼みまーす》が、モノノフへのメッセージとして印象的に鳴り響いた。そこから、4人がピースサインを掲げると「笑ー笑 〜シャオイーシャオ!〜」へ。“笑顔の天下を獲りたい”と語ってきたももクロの15周年記念ツアーに相応しい、笑顔溢れるオープニングとなった。

最初のMCパートでは、ダンサーの紹介と短めの自己紹介が行なわれ、4人それぞれがコール&レスポンスで会場をさらに温める。ちなみに、今回のツアースタート時には、4人の衣装がモノノフの間で話題となった。お決まりのメンバーカラーを身に着けることなく、大人っぽい黒の衣装で統一。白の衣装を身に纏ったダンサーとの対比もあって、ももクロのダンスやパフォーマンスがより映えた形だ。

次のブロックは、玉井詩織のソロ曲からスタート。<青春>ツアー以来のソロコーナーも今回のツアーの目玉の1つ。玉井は、12ヵ月連続配信プロジェクト『SHIORI TAMAI 12 Colors』の2月の配信曲「Another World」をダンサーとともに披露。続いて、高城れには、wacciの橋口洋平が作詞&作曲を手掛けた「じゃないほう」を階段に座って、やさしく歌い上げた。

そして、再び4人が揃うと、3rdアルバム『AMARANTHUS』の収録曲「バイバイでさようなら」「Guns N' Diamond」と懐かしい曲が並び、さらに「PLAY!」へと繋げた。この3曲では、映像がモノクロで流れたり、椅子に座りながら歌ったり、ハットやハンカチ、スタンドマイクやパラソルをパフォーマンスに取り入れたりするなど、大人になったももクロのショータイムといった雰囲気を味わえるブロックとなった。「PLAY!」では、パラソルを持ってパフォーマンスしたあと、ステージ後ろのスクリーンに虹のイラストが映し出されたのだが、開場直前まで雨が降っていたこともあり、この演出がバッチリとハマったのも印象的だった。

その後、トロッコで会場内を移動しながら「ゴリラパンチ」と「Nightmare Before Catharsis」の2曲をパフォーマンス。5月に代々木第一体育館で行なわれた結成15周年メモリアルライブ<代々木無限大記念日>でも披露されたコール満載のライブ定番曲で、会場にさらなる一体感が生まれる。「Nightmare Before Catharsis」では、メンバーがサイン入りのボールを投げたり、ラケットで打ったりするなどのファンサービスで、会場を盛り上げた。そして、4人がステージに戻ると、今年の東北楽天ゴールデンイーグルス・田中将大投手の登場曲「Re:volution」へ。BLUE ENCOUNTの田邊駿一が作詞&作曲を手掛けたこの曲は、この夏、<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023>などでロックファンの心も掴んできた疾走感のあるロックアンセム。駆け抜けるようにこの曲を歌い終わると、会場からは大きな歓声が上がった。

そして、ここからが後半戦というこのタイミングで、いつもの自己紹介を展開。声出し解禁後、自己紹介はやはり、ももクロとモノノフの絆を感じられる場面の1つだと再認識させられる。ABEMAの生配信を観ているファンに向けて呼びかけたり、Tシャツやタオルなど今回のファイナル限定のグッズ紹介をしたりしながらくり広げられるワチャワチャとした4人のフリートークで会場がほっこりとしたところで、「HAND」と「リバイバル」の2曲を披露。「リバイバル」は、アカペラから始まるこのツアーオリジナルのアレンジとなっており、4人の歌唱力やラップ、そして、4人の声が重なるハーモニーの魅力を大いに感じられるブロックとなった。

再び、ソロコーナーへ突入すると、まずは、佐々木彩夏が「A-rin QOS REMIX MEDLEY」を披露。「だって あーりんなんだもーん☆」「あーりんは反抗期!」「あーりんはあーりん♡」という前山田健一節が炸裂する佐々木のソロ曲3曲のスペシャルメドレー。最後に、「あーりん is Forever」と歌い会場を沸かせると、百田夏菜子が真っ白な天女のような衣装で登場。ヒロイン役出演映画『すくってごらん』の主題歌「赤い幻夜」を歌い上げて、会場を魅了した。ソロコーナーでは、会場全体が各メンバーカラーに染まっていたのだが、特にピンク一色を経て、「赤い幻夜」で一面が赤く染まったペンライトの景色は圧巻だった。

続いて、スモークが焚かれる中、ほかの3人も百田と同じ白い衣装で登場すると、2018年のミュージカル<ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?>の主題歌「天国のでたらめ」へ。ドレスコーズ志磨遼平が作詞&作曲を、水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミが編曲を手掛けた人気曲。間奏部分で、1人ずつ真っ直ぐな眼差しでモニターに映し出されたのも印象的。そして、白の衣装をパッと脱ぐと、ここで初めてメンバーカラーの衣装へとチェンジ。アフリカンテイストを取り入れた和の衣装に変わると、畳みかけるように人気曲「GOUNN」、「MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰」へと続く。この2曲のモノノフのコールの一体感と盛り上がりは、間違いなく、この日のハイライトの1つだったと言ってもいいだろう。

しかし、最後のMCパートを経て、さらなるスペシャルな展開が待っていた。ももクロとモノノフの15年間を彩ってきた代表曲によるスペシャルメドレーだ。百田が“今回のツアーは、みなさんに「15年間の感謝の気持ちを伝えたい」というのがテーマだったので、私たちのストーリーとみなさんのストーリーを重ね合わせて聴いてほしい”と語り、15周年記念ソング「いちごいちえ」でスタートすると、「ももいろパンチ」「ピンキージョーンズ」「Z伝説 〜終わりなき革命〜」「サラバ、愛しき悲しみたちよ」「灰とダイヤモンド」「MOON PRIDE」「夢の浮世に咲いてみな」「ザ・ゴールデン・ヒストリー」「BLAST!」「クローバーとダイヤモンド」「The Diamond Four」「月色Chainon」「一味同心」と、2009年からの人気曲が、リリース順に当時のMVやライブ映像と合わせてメドレーで歌われた。最後は再び「いちごいちえ」へと戻り、百田の落ちサビで曲がいったんブレイクすると、今年生まれた新たな定番コール“きやがるんだな”で会場はまたまた1つに。

そして、過去のアリーナやスタジアム、ドームでのライブ映像が映し出される中、最後に歌われたのは、ももクロが初めて歌番組で歌った曲だというメジャーデビュー曲「行くぜっ!怪盗少女」。今年5月の<代々木無限大記念日>は、「行くぜっ!怪盗少女」で始まり、そのカップリング曲「走れ!」で終わるというセットリストだったが、今回のセットリストではその逆に。スペシャルメドレーと最後の「行くぜっ!怪盗少女」を聴きながら、自分がももクロのファンになった瞬間やももクロとの想い出を振り返り、懐かしさに想いを馳せていたモノノフも多かったのではないだろうか。こうして、15周年記念ツアー<QUEEN OF STAGE>の本編は終了となった。

4人がステージを去ると、すぐさまアンコールの声が上がる。そして、いつもの「overture ~ももいろクローバーZ参上!!~」が流れ出すと、会場からは大歓声が。今年、各地のフェス会場で、ほかのアーティストのファンを驚かせてきたモノノフのコールが爆発。この夏の集大成、いや、この15年の集大成と言ってもいいような熱量と一体感がそこにはあった。そんな大声援と大コールを受けて、4人が再びステージに登場すると、アンコールは「DECORATION」でスタート。トロッコで会場を移動しながら歌う4人は、それぞれ、今回のツアーグッズのTシャツを着用。腕には、同じくツアーグッズのだっこちゃん人形が付けられている。さまざまなポーズで客席に向けてレスを送りながら歌う4人の姿を見守るモノノフには、マスク越しでもわかるくらいに笑顔が溢れていた。再び、ステージに戻ると、前日にサプライズで初披露された、ゆずの北川悠仁が手掛けた新曲「誓い未来」をパフォーマンス。太田胃散「太田漢方胃腸薬II」の新CMタイアップソングとなるこの曲には、結成15周年を経て、さらに未来へと進んでいく決意が描かれている。ももクロを代表する新たな応援歌となりそうなこの曲は、10月27日(金)0:00から配信がスタート。現在、事前配信登録受付中なので、各配信サイトでもチェックしてみてほしい。

そして、15周年記念ツアー<QUEEN OF STAGE>の最後を飾ったのは「吼えろ」。百田の歌い出し部分での伸びやかな“吼えろ!”の歌声に合わせて金テープが飛び出すと、そこにモノノフの大きな歓声が重なった。ライブの前半では、黒と白の衣装で大人っぽい雰囲気を見せたももクロが、後半からアンコールでは、メンバーカラーの衣装を身に纏い、デビュー当初からの変わらぬ全力のパフォーマンスを披露。モノノフも最後の最後まで、全力の声援とコールでそれに応えた。

改めて6人のダンサーを紹介して送り出し、会場全員での“ゼーット!”コールで、4ヵ月に及ぶ15周年記念の全国ツアー<MOMOIRO CLOVER Z 15th Anniversary Tour「QUEEN OF STAGE」>のすべてが終了すると、最後の最後に、もう1つサプライズが控えていた。スクリーンに映し出される“重大発表”との文字。その後、1stアルバムから2nd、3rd、4th……とアルバムのタイトルと発売日が次々と表示される。そして、“7thアルバム 2024年 制作決定”というサプライズ発表がなされた。まさに、ももクロの過去・現在・未来が詰まった15周年記念ツアーとなったわけだが、この先も、明治座での<第2回 ももクロ一座 特別公演>、クリスマスライブや百田のソロコンサート、来年の<春の一大事>、そして、7thアルバムと楽しみな未来の予定が盛り沢山だ。15周年は1つの通過点に過ぎない。まだまだ歩みを止めることのない、進化し続ける4人の姿に、これからも注目していってほしい。

ももいろクローバーZ<MOMOIRO CLOVER Z 15th Anniversary Tour「QUEEN OF STAGE」>

2023年10月15日(日)
武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ

M1:走れ! -ZZ ver.-
M2:DNA狂詩曲(ラプソディ)
M3:PUSH
M4:笑ー笑 〜シャオイーシャオ!〜
M5:Another World / 玉井詩織
M6:じゃないほう / 高城れに
M7:バイバイでさようなら
M8:Guns N' Diamond
M9:PLAY!
M10:ゴリラパンチ
M11:Nightmare Before Catharsis
M12:Re:volution
M13:HAND
M14:リバイバル
M15:A-rin QOS REMIX MEDLEY / 佐々木彩夏
M16:赤い幻夜 / 百田夏菜子
M17:天国のでたらめ
M18:GOUNN
M19:MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰
M20:QUEEN HISTORY MEDLEY
M21:行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
<ENCORE>
overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
EN1:DECORATION
EN2:誓い未来 ※新曲
EN3:吼えろ

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