FES☆TIVE［ライブレポート］真夏の横浜野外ライブで作り上げた大熱狂

取材＆文：石山喜将
撮影：ポテ ヤマムラ

昨年も大好評だった、FES☆TIVEの夏の代名詞になりそうなこの主催イベント。2年連続の開催で多くの人が集まった初日は、真夏に匹敵するほどの天候に恵まれ、まさに最高の野外ライブ日和だった。横浜という地で海も近くにあり、海風が靡くこのステージで、FES☆TIVEが熱すぎるパフォーマンスを見せていく。

開演時間になり、FES☆TIVEお馴染みの出囃子サウンドが鳴り響くと、観客は一斉にクラップ開始。盛り上がりの火が点いてきた中、アレンジしたグッズTシャツにジーンズのショートパンツ姿という、なんともフェスらしいコーディネートでメンバーの6人は登場。

全員が回転・横移動を行なう代表曲「OIDEMASE!! ～極楽～」で幕開け。早速、水しぶきが舞う中、リフトやジャンプをしたり、サークルを作ったり、青空にコールが響き渡るなど、熱狂を作っていった。

続いて、8月にリリースしたシングル表題曲「HUMAN NATURE WORLD」では、全員がビートに乗ってキャッチーにダンス。続く「ニホンバレデンセツ」では、《We’re FES☆TIVE》と歌うとおり、“これがFES☆TIVEのステージ”だと見せつけるような、アクティブなステージングを展開した。

自己紹介MCを挟んだ後、この＜スプラッシュ祭＞のために用意した新曲「レフト⇔ライト」を披露することに。楽曲披露前にメンバーが“偏差値低めの楽曲”と語った。確かにそのとおり、いい意味で馬鹿になって騒げ、みんなが友達になれそうな楽曲である。しっとりと6人が綺麗に歌い上げるパートから急にテンポアップし、楽曲が変化。運動会で使われるテーマがEDM調にアレンジされ、メンバーは肩を組んでステージを左右に移動。オーディエンスも合わせて全員が肩を組んで右に左に大移動する。この構成がくり返し行なわれた。野外にピッタリで楽しい演出であるし、全員を一体にもできる。そして何より、この振り付けはFES☆TIVEらしさ全開だ。これからも一体感を間違いなく作る楽曲であるため、今後の披露を楽しみにしたいところだ。

さらに、人気曲「シダレヤナギ」でメンバーは華麗なパフォーマンスを魅せ、オーディエンスの熱はどんどん上がっていく。

MCを挟み、「ダ・パンデミック」 「サカサマサマー」 「オトメ、ケセラセラ」とキラーチューンを連発。水、バブルがどんどん放出され、気持ちが昂っていく。

まさしくこの瞬間にぴったり、テンションをマックスにする「ゴートゥーフェス☆」、ビートに乗って踊りまくる「革命的オーバードーズ」を続けてドロップ。コール、マサイ、振りコピとアイドルライブの楽しさ全部が詰まっていた。

10曲を披露したところで、これまでのヒートアップをクールダウンするために、休憩時間が設けられた。

休憩後も容赦なく攻めるFES☆TIVEのメンバー。日本のよさを伝える「ハレとケ！あっぱれ！ジャパニーズ！」は、アウトロをロングバージョンにアレンジ。観客席では大きなサークルが発生し、オーディエンスは走り回り、さらなる一体感が作り上げられた。

まだまだ楽しさは増していく。新たなライブ定番曲になりつつある、この夏に大活躍した「カンフーミラクル～愛～」では、カンフーにちなみキョンシーダンスを全員で行なって大騒ぎ。夏を最後まで盛り上げようとする6人の想いが存分に感じられた。

次のブロックでは、これまでとの毛色とは違ったポテンシャルを示した。

美しい歌声を奏る「夏リア旋律」ではダンスも含めて美しい佇まいを魅せ、表現力の高さ存分に見せた「色違いサンダル」、妖艶さも感じる 「アンダルサイトダンス」 、《かっ飛び》を連呼し、手も上半身も大きく揺らす「かっトびサンデイ!!」と続けていった。

「夏リア旋律」で一旦トーンを落としたかと思えば、その次からの楽曲で徐々にギアを高めていく流れ。それがとても心地よく、胸躍る。

チアダンス風の振り付けが特徴の「しゃかりきトップランナー！」 では、全員がこの空間、時間を興ずる。《燃やせ》と歌詞にあるとおり、心の炎は大きくなっていきながら、身体では放水を存分に受けて、気持ちがどんどん開放的になっていく。そんな体験がまたこのライブを面白くしていた。

全員のギアが一気に上がった中で披露した人気曲「マジカルパレード」は、丁寧に歌いながら、愉しげなダンスを披露するメンバーに対して、ファンは”オー！オー！” “フッフー！”と高くジャンプし、声を出して呼応。すべてにおいて愉しさに満ち溢れたあと、余韻を残して本編は幕を閉じた。

すぐさまアンコールがされると、「人類！WE ARE ONENESS！」の音に合わせて、メンバーが再登場。壮大なサウンドに合わせて、キャッチーに踊り、本編の勢いそのままに大いに沸く観客の姿があった。

観客は水で、メンバーは汗でびしょ濡れになりながらも、力を振り絞り、さらなる盛況を目指し、再度パフォーマンスした「カンフーミラクル～愛～」は、ロングバージョンで解き放った。

最後のMCを挟み、「レフト⇔ライト」、 「OIDEMASE!! ～極楽～」を再びくり広げる。カオスという言葉が1番しっくりくるような、最高潮の、底抜け騒ぎを全員とし、アクティブすぎたこの＜赤レンガスプラッシュ祭 Day 1＞は終幕した。

思えば、1年前の＜スプラッシュ祭＞にて、青葉ひなりは“FES☆TIVEは、目指すところが難しいけど、私たちのライブに似合うものって野外だったり、自由に動ける場所だったりすると思うんです。こうやってみんながまた楽しんでくれている姿を見るとまだまだFES☆TIVE頑張れるなって思うし、逆にFES☆TIVE、またここからだなと思っています。これからもFES☆TIVEで、アイドル界イチ、楽しいライブを作りましょう！」と強く語っていた。

今年の夏は大型アイドルフェスでも規制が緩やかになり、フルキャパ、声出しやジャンプもできるようになった。そこでのFES☆TIVEの大活躍は言うまでもない。さらに今回の＜スプラッシュ祭＞の盛り上がり。1年前に青葉が放ったこの言葉は、ちょうど1年後のこの日に体現できたのかもしれない。またこれからもFES☆TIVEは、どこでも大熱狂を創り上げる。きっとそれはみんながまた楽しいと思ってくれ、ライブを望んでくれるから。

最後に休憩時間後のMCで発表した情報を挙げておく。12月4日（月）にZepp DiverCity(TOKYO)でのワンマンライブが決定。

今から非常に楽しみにしたいところだ。