22/7[ライブレポート]あふれる感謝の気持ちを届けた白沢かなえ卒業公演「楽しいアイドル人生でした!」

22/7[ライブレポート]あふれる感謝の気持ちを届けた白沢かなえ卒業公演「楽しいアイドル人生でした!」

22/7[ライブレポート]あふれる感謝の気持ちを届けた白沢かなえ卒業公演「楽しいアイドル人生でした!」

秋元康総合プロデュースのもと、Sony MusicとANIPLEXがタッグを組んだ声優アイドルプロジェクト22/7(ナナブンノニジュウニ、通称ナナニジ)。7月5日に、横浜で幕を開けたツアー<ナナニジ夏祭り2023>は、福岡、大阪、名古屋と公演を重ね、7⽉22⽇(土)、Zepp Haneda(TOKYO)にてファイナルを迎えた。メンバー渾身のラップバトルで火花を散らし、法被や浴衣姿で華やかに盛り上がった昼公演、そして特別な選曲で<白沢かなえ卒業スペシャル>となった夜公演の模様をレポートする。

22/7<ナナニジ夏祭り2023><⽩沢かなえ卒業スペシャル>Zepp Haneda(Tokyo)(2023年7月22日)

文責:キツカワトモ
写真提供:ソニー・ミュージックレーベルズ

折しもその日、関東甲信越地方の梅雨明けが宣言される。長い1日は、昼公演の祭ばやしにアレンジされたOvertureで幕を開けた。いなせな法被をまとい、暗闇の中でペンライトを持ちさまざまな花火を表現するパフォーマンスで湧かせた「打ち上げ花火の拒否権」。後輩メンバーへのコールも定着し、ファンとの一体感が高まる「韋駄天娘」。11thシングル収録のユニット曲も3組それぞれの個性を極める。そして、今ツアーを通してトーナメント戦でくり広げられてきた<NANANIJI RAP BATTLE>がついに決着。普段はおっとりしている四条月が進行役として場を仕切り、ファイナリストの4人が“好きで好きでたまらないもの”をテーマにオリジナルのラップを放つ。“二次元”愛なら誰にも負けない天城サリー、会場中を“UDON(うどん)”の虜にしてしまう相川奈央という強者たちに続き、椎名桜月が抑えきれない“かなえさん”への愛を叫ぶと、受け取った想いをバイブスに代えた白沢かなえが“SAGA(佐賀)”に生まれた誇りを歌い上げる。ファンの投票によって、見事、初代クイーンの座に輝いた白沢は“こんなに綺麗な涙を流したのは初めてかもしれない”と思わず感涙。“順番がよかった”という西條和の評、また“かなえる(白沢)が、みんなの前では使わない佐賀弁を大声で叫んでいる姿が嬉しかった”と涙する涼花萌や、“自分の好きなものについて語ってる人はキラキラしている”という麻丘真央の興奮もうなずける。そんな熱狂の中で迎えたアンコールは、メンバーカラーを取り入れた華やかな浴衣姿で「循環バス」が歌われた。でも、この公演が終われば、次は……。祭の楽しさの中に押し寄せる寂しさを追い払うがごとく、天城が白沢の演じる「丸山あかね」のぬいぐるみを持ち込み、誰もを笑顔にした場面にも愛しさがあふれた。

そんな祭の喧騒冷めやらぬステージが、夜公演には<白沢かなえ卒業スペシャル>のセレモニームードに包まれる。登場した白沢はキャラソン衣装を着てメガネを掛けていた。1曲目、まさかの丸山あかねキャラクターソング「感情無用論」が、マリオネットダンスや一瞬メガネを外して微笑んでみせるという、その奥深い魅力を感じさせる振りとともに披露された。

続いて登場したメンバーたちは、各自のソロコーナーで個性を開花させていった定期公演衣装だ。「ポニーテールは振り向かせない」の《卒業するまで好きでいさせて》というフレーズ、白沢の《夢を見ていた》というセリフが、別れに向かう傷口をなでていくやさしい痛み。《今じゃなきゃ嫌だ》というセリフでそこを世界の中心へと変える「Just here and now」は、白沢にとって初披露からアクシデントの多い曲だと語られていたが、見事にやりきったことが満面の笑みからも感じられるのだった。

自己紹介では、メンバーたちの意気込みとともに白沢愛が爆発。参加できなかった河瀬詩、雨夜音も配信を通して見守っており、12人全員で送り出す気持ちだと伝えられた。

白沢が所属する紅白ユニット・22/7 白組の「キウイの主張」では、実はずっとうらやましいと思っていたという涼花担当のラップパートを披露し、また「君はMoon」のイントロで天城に代わってソロダンスで魅了するなど、ファンにも嬉しいサプライズが続く。

同じユニットの月城だからこそ見られる甘えん坊な「妹かなえる」や、清井に食べたいものを聞かれていた白沢が深夜に“とんかつ!”と返したりと、“ナナニジのお姉さん”と呼ばれる姿からは意外な一面がさまざまに暴露されるMCコーナーも愛と笑いにあふれる。いつも衣装のアドバイスをくれていた白沢が卒業することで、専属スタイリストを失ってもう何も着られないと嘆く涼花に、白沢は後任として“私もたくさんお世話になった”と自己肯定感を上げてくれる麻丘を指名。振りをしっかり覚えてほかのメンバーに厳しく指導していた白沢をして“奈央、見てるから”と言われたという相川は“(その役割りを)継げるように頑張る”と奮起する。もう、憧れるだけではいられない後輩メンバーたちの今後も楽しみになる一幕だった。

後半には「空のエメラルド」から「曇り空の向こうは晴れている」へと続き、うつむことなく未来を見つめるまなざしが輝く。白沢から“希望ちゃん”と名付けられる由来となった望月りののセリフが雲間を割く天使の梯子のごとく放たれる。すでに涙をたたえ声を震わせるメンバーもいる中で、力こぶしを出すようなポーズもパワフルな「謎の力」が笑顔を呼び、感情はひとところに留まることを許さない。さらに超高速千手観音ダンスの「あやふやな世界観」から、ユーロビートの音の渦と楽曲の世界観に身を捧げるがごとく一心不乱に踊り続ける、22/7 白組の「最後のピアノ」へと、限界を超えていく姿が胸に迫る。相川がサディスティックな笑みを浮かべる《聞かせて欲しい》というセリフはさらなる熱気を呼び、白沢の額にまとわりつく髪が、その壮絶さを物語っていた。そして、どこか覚悟を持った面持ちで白沢が伝える。“次が、最後の曲です”。争いと苦悩の中で凛と咲くジャンヌ・ダルク白沢の美しさを最初に見せつけた曲ともいえる「地下鉄抵抗主義」だ。豊かな表現力とキレのよさを持って踊る白沢の戦いをなぞるように、メンバーたちが一斉に振りを続ける場面は見どころだった。そんな戦う彼女たちにファンも続く、“涙のバリケード”の力で。ラスト、その手に掴んだ“何か”をしっかりと凝視しながら力強く握り潰す白沢。それが、自分の心臓であったと感じた人も多いだろう。ともすれば白沢自身もそうだったかもしれないと思うほどに、絶世のパフォーマンスだった。

会場いっぱいにこだまする“かーなえる!”というアンコールの声に応えて登場した白沢は、ティアラも輝く真紅のロングドレス姿だった。白沢は“卒業を撤回できたら、どんなに楽か”というさびしさを抑えながら書いてきた手紙を読む。“22/7に入ったのは、この子に出会うためだった”と思う存在である丸山あかねについて“これからあかねちゃんは声が出せなくなってしまうことだけが苦しい”と、こらえきれない涙とともに“どうか、あかねちゃんを忘れないでください”と最後の願いを伝えた。そして“やっぱり東京ドームに立ちたかった、国民的アイドルになりたかった。どうせ叶わないだろうなと思ってしまう弱さがあって、目標が言えずにファンの方たちを不安にさせてしまったこと、本当にごめんなさい。それでも、アイドルに対する想いは人一倍強かったです”と、白沢が密かに抱いてた夢と、決して吐露することのなかった弱さをついに打ち明けるのだった。第二の人生におけるメンバーとの出会いを“宝物”に、ここで培った“勇気と粘り強さ”を持って、第三の人生を真っ直ぐに生きていくという白沢。“見つけてくれて、ありがとう。出会ってくれて、ありがとう。楽しいアイドル人生でした!”と最後にはいつものくしゃっと目がなくなる愛おしい“かなえるスマイル”で心からの感謝を届けた。

涙にくれるメンバーたちと歌う「僕は今夜、出て行く」。先輩メンバーたちは次々と白沢に抱きつき、後輩メンバーたちはその背中に向けて腕を伸ばす。すがるのではなく、そっと背中を押すために。ラストナンバー「ヒヤシンス」で、そんなメンバーたちに囲まれるように立つ姿は、これまでに卒業したメンバーたちの想いも大切に温めながら咲いた赤い花そのものだった。この日の目標が、瞳を潤ませるメンバーたちを見ながらニヤニヤすることだった白沢。“みんな、そんなに泣いてどうしたの?”とメンバーたちをからかって、笑わせた。

止まない「かなえる」コールの中“やり残したことがある”と再び現れた白沢は、自分のスマホでファンと一緒に写真を撮る。芸能界を引退し“普通の女の子”に戻るべく階段を登っていく背中は、最後まで美しい。その姿が消えたステージに、メガネを外した同じドレス姿の丸山あかねと並んで微笑む映像が映し出された。

公演中、11月に、今年行なわれたライブの映像を特典とする2ndアルバムをリリースすることが発表となった。色褪せることのない想い出を抱き、13人もまたさらなる未来への扉を開くのだろう。

22/7<ナナニジ夏祭り2023>

2023年7月22日(⼟)<昼公演>開場:12:00 開演:13:00
Zepp Haneda(Tokyo)

打ち上げ花火の拒否権
謎の力
好きと言ったのは嘘だ
韋駄天娘
タチツテトパワー
もう純情は邪魔なだけ(晴れた日のベンチ)
悲しみの半分(気の抜けたサイダー)
僕のホロスコープ(蛍光灯再生計画)
あやふやな世界観
未来があるから
理解者
僕らの環境
僕は今夜、出て行く
覚醒

<アンコール>
神様だって決められない
循環バス

22/7<⽩沢かなえ卒業スペシャル>

2023年7月22日(⼟)<夜公演>開場:17:00 開演:18:00
Zepp Haneda(Tokyo)

感情無⽤論
ポニーテールは振り向かせない
Just here and now
Rain of lies
ヘッドフォンを外せ!(⽩組)
キウイの主張(⽩組)
君はMoon
いつの間にSunrise
空のエメラルド
曇り空の向こうは晴れている
謎の力
あやふやな世界観
最後のピアノ(⽩組)
地下鉄抵抗主義

<アンコール>
僕は今夜、出て⾏く
ヒヤシンス

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