MAD JAMIE[ライブレポート]揺るぎない覚悟をステージに刻んだ新体制初ライブ「夢の続きを始めようぜ」

MAD JAMIE[ライブレポート]揺るぎない覚悟をステージに刻んだ新体制初ライブ「夢の続きを始めようぜ」

MAD JAMIE[ライブレポート]揺るぎない覚悟をステージに刻んだ新体制初ライブ「夢の続きを始めようぜ」

MAD JAMIEが、5月16日(火)に恵比寿LIQUIDROOMに再始動ライブ<FUCK FOREVER>を開催した。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

MAD JAMIE<FUCK FOREVER>恵比寿LIQUIDROOM(2023年5月16日)

文&撮影:SHIBA

2023年3月7日、<BEAUTIFUL MAD DAYS -LAST BATTLE->と銘打ったMAD JAMIEの前体制ラストライブ。満員の渋谷チェルシーホテルで感情線あくびは“まだまだやり残したことばっかだからさ、また必ず帰ってくるからさ! また生きてライブハウスで会おう!”と叫んだ。

それから2ヵ月と少し。約束どおりMAD JAMIEはライブハウスに帰ってきた。

新生MAD JAMIEのオフィシャルTwitterが4月に動き出した際は、どういうメンバー編成になるのかわからなかった。新曲「NONFICTION」のMVが解禁され、感情線あくびのみのMVで、ソロプロジェクトになるということが徐々に明かされていった。これまで4人のMAD JAMIEとして活動してきたものがソロになる不安、それでもMAD JAEMIEを背負った感情線あくびの覚悟に、リスナーも期待と不安が交錯していたことだろう。だが、発表された「NONFICTION」「show more」「Over the moon」という楽曲がこれまでリスナーを熱狂させてきたMAD JAMIEの楽曲と遜色なく、それ以上にエモーショナルな楽曲だったことで新体制初ライブへの期待が膨らんだ。

5月16日。そんな期待を持った数多くのオーディエンスが恵比寿LIQUIDROOMに集結した。中には不安を抱えたままのオーディエンスもいたことだろう。だがMAD JAMIEは変わらずMAD JAMIEだった。オープニングSEに合わせて登場したバンドメンバーと感情線あくびに湧き上がる歓声。マイクも通さずに叫んだ“始めようぜ!”という第一声から新体制1曲目は“MONSTER HATE”。さらに“待たせたなJAMIE(MAD JAMIEのファンの総称)、リキッド!始めようぜ!!」という叫びが一気にフロアの熱量を上げた。当時の熱量よりも激しく、新たなMAD JAMIEの物語が今始まった。

「Catch my life」「それになんの価値があんだよ」「FUCK FOREVER」「Livehouse(e)na」と代表曲を中心に初っ端からフルスロットルでエモーショナルに歌い上げる感情線あくび。バンドを背負ってのライブは初めてにもかかわらず、グルーヴィなサウンドに乗って歌い、ステージ上の自由度が増したことで、その存在感はさらに強烈なものになり、まるで百戦錬磨のロックスターのように輝きと熱さを放つ。

一気に5曲を披露し、MCではふんわりとした笑顔を見せると“またこうしてライブハウスでみんなで会えたことが嬉しいです。ありがとうございます”と感謝を伝え、“恵比寿LIQUIDROOM、今日からまた始まるMAD JAMIEのフロアに最高の幕開けを”と始まった「MAKUAKE」にフロアでは一斉に拳が突き上がる。

バンドメンバーの金川卓矢(Dr)、shohei(Ba)、KNOTman(サウンドプロデューサー/Mani)と、今回特別参加となったyuji(Gt/ex.SuG)を紹介。フロアとのコール&レスポンスを交え、「マイペンライ」「Kawaii is Fuck!!」と続く。そして一呼吸置いての「TOMORROW」。旧体制ではインスト音源でのライブが基本だったが、バックにバンドを背負ったことで強度が増したサウンドはリアリティな激しさを解き放っていた。ソリッドな曲もウェットな曲も抑揚的になり、何よりヴォーカルのバンドサウンドへのアプローチも深度が深まったように感じる。そんな感情線あくびの歌が染み渡っていく。

“MAD JAMIEには今まで貫いてきた信念があって、今目の前に広がっている嘘なんてない熱いフロアがあって、そこにJAMIEがいてくれて初めてMAD JAMIEが完成すると思っています。一切妥協のない、私たちのすべてを込めてこの歌を歌います”とタイトルコールされたのは、先日MVを公開し、新体制初の楽曲となる「NONFICTION」。シリアスなアルペジオから一転して攻撃的なギターリフが展開されるイントロ、情緒的な歌い出しから感情むき出しになっていくヴォーカル。《すべて背負って今を此処で生きる NonFiction》《no doubt no doubt 今この瞬間は 不完全でも嘘なんてないよThis is Nonfiction》と込み上げる情熱を放出するように歌い上げる。正に感情線あくびにとってMAD JAMIEこそがノンフィクションであること、そして感情線あくび=MAD JAMIEだということを証明するような1曲となっている。

そして新体制の新曲「show more」にお馴染みの「Shout the fxxk up」とアッパーチューンが続く。ここまで12曲を披露しパンクス精神を存分に見せ、オーディエンスのテンションも天井知らずに昇る。

スポットライトに照らされた感情線あくびが“JAMIEと過ごす日々を考えて、JAMIEがずっと待ってるよ。楽しみにしてると伝えてくれたから1人じゃないんだと思えてここまで歩いてくることができました”“実際この場に立ってみて、頭の中で想像してたよりもずっとずっと言葉にならないくらい嬉しいです。いつもありがとう”“大好きなJAMIEと再会する時はMAD JAMIEが大切にしている音楽で再会したくてこの歌を歌おうと決めていました”と改めて感謝を伝え、「セブスタ」をタイトルコールする。前体制から大切に歌われてきたバラードをこの日も噛み締めるように大切に歌う。うっすらと頬を伝う涙や真っ直ぐとフロアを見つめながら歌う姿を、オーディエンスも片時も眼を離さないように見つめていた。

相反して激しいラブソングとなる「愛があふれて殺したいくらいだ」を歌い上げると、初の感情線あくびあくび作詞の新曲「Over the moon」を初披露し、「JAMIE’s FLAG」「LAST DANCE」といよいよクライマックスを予感させる流れに、ただでさえぐちゃくちゃで最高に熱くなっているフロアがさらにヒートアップした。

このLIQUIDROOM公演では、MAD JAMIEとして約束していた2ndアルバムを2023年12月にリリースすることを発表。感情線あくびがMAD JAMIEを背負い、その約束事を1つひとつ実現していく。さらに初公開となる「NO TIME TO DIE」を披露した。MAD JAMIEらしい疾走感あふれるロックナンバーに、今のMAD JAMIEの物語が詰まってるような歌詞が胸を熱くする。熱さそのままに「BUREIKŌ」でボルテージを最高潮に上げ、ラストナンバーの「ヨルニジ」で本編を終えた。

長らく鳴り止まないアンコールに再度オープニングSEが響くと、イチからライブが始まったような錯覚に陥る。本編でも披露したライブタイトルにもなっている「FUCK FOREVER」を披露すると、終盤では“まだまだ、夢の続きを始めようぜ”と叫んだ。

新生MAD JAMIEにとって始まりの日は、ステージもフロアもすべてのスタッフも全部がMAD JAMIEとして1つになって終えた。

新体制初ライブにも関わらずアンコールを含めて21曲を披露した。感情線あくび1人で全部を背負って。

冒頭でも述べたが、前体制ラストライブで“また生きてライブハウスで会おう!”と叫んだ感情線あくびは、約束どおりMAD JAMIEとしてライブハウスに帰ってきた。

そして、この日もラストに“明日からまた日常に戻ってやりたくないこともたくさんあるかもしれない。でもその先で必ずまた生きてライブハウスで会おう! そして世界を掴みに行こうぜ”と叫んだ。

MAD JAMIEはMAD JAMIEの音楽で、熱狂も約束も覚悟も全部抱えてパンクロックアイドルとして世界を掴みにいく。

MAD JAMIE<FUCK FOREVER>

2023年5月16日(火)
恵比寿LIQUIDROOM

1.MONSTER HATE
2.Catch my life
3.それになんの価値があんだよ
4.FUCK FOREVER
5.Livehouse(e)na
6.MAKUAKE
7.マイペンライ
8.Kawaii is Fuck!!
9.TOMORROW
10.NONFICTION
11.show more
12.Shout the fxxk up
13.セブスタ
14.愛があふれて殺したいくらいだ
15.Over the moon
16.JAMIE’s FLAG
17.LAST DANCE
18.NO TIME TO DIE
19.BUREIKŌ
20.ヨルニジ

EN1.FUCK FOREVER

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