『推しの子』にみる無敵で最強のアイドルポップスと2023年“推し活”事情|「偶像音楽 斯斯然然」第105回

『推しの子』にみる無敵で最強のアイドルポップスと2023年“推し活”事情|「偶像音楽 斯斯然然」第105回

『推しの子』にみる無敵で最強のアイドルポップスと2023年“推し活”事情|「偶像音楽 斯斯然然」第105回

現在、大きな話題となっているTVアニメ『推しの子』。今回は、同作を起点に、主題歌・YOASOBI「アイドル」の楽曲分析、昨今のアイドルシーンでの“推し活”の新たな潮流について、冬将軍が独自の視点で綴る。

『偶像音楽 斯斯然然』
これはロックバンドの制作&マネジメントを長年経験してきた人間が、ロック視点でアイドルの音楽を好き勝手に語る、ロック好きによるロック好きのためのアイドル深読みコラム連載である(隔週金曜日更新)。

4月12日の放送開始以来、多方面で大きな反響を呼んでいる『推しの子』。かくゆう私もアニメ化が決まったあたりのタイミングでなんとなく原作を読んでまんまとどハマりし、アニメに関しては1巻丸々を第1話90分映画公開にぶち込んだ気合いと壮大さ、何よりも美しい作画と原作にプラスされたアニメーションだからこそできる表現に、ただただ大号泣しているただのヲタクである。

“アイドルモノ”ד転生モノ”というファンタジー要素をベースにしながらもサスペンス要素を織り交ぜたキレッキレの展開もさることながら、“嘘吐き(うそつき)”と書いて“アイドル”と読ませる偶像崇拝物語の根幹にある裏の世界の描写も秀逸で、煌めくアイドルの病み、華やかに見える芸能界の闇を赤裸々に描いている。このあたりはアイドルヲタクよりもアイドル本人やアーティスト、芸能マネジメント関係者やメジャーレコード会社スタッフの方がリアルに響くことだろう。第1話の経費明細描写(原作には登場していない)なんて、あまりに生々しすぎて一時停止して震えてしまった。

さてさて、アニメも原作もその内容に関して触れ出したら文字数がいくらあっても足りないわけで今回はやめておくが(いつかちゃんと触れたい、というか語りたい)、その内容に一歩も引かないのが、主題歌であるYOASOBI「アイドル」である。『推しの子』スピンオフ小説『45510』を元に制作された曲。というより、この楽曲制作のために書き下ろされたのが『45510』という立ち位置(ややこしい)。単刀直入な楽曲タイトルとアイドルアニメの主題歌と聞いて想像するものとはだいぶかけ離れた楽曲ではある。

YOASOBI「アイドル」 Official Music Video

“オリコン史上最速の登場5週目で1億回再生突破”“世界14位”といったニュースにもなっているが、オフィシャルMVのYouTube再生数が5月17日時点で9,800万越えという、1億再生目前の数字が同曲の影響力の大きさを物語っている。

次ページ

  • 1
  • トップページ
  • 連載
  • 『推しの子』にみる無敵で最強のアイドルポップスと2023年“推し活”事情|「偶像音楽 斯斯然然」第105回