透色ドロップ［ライブレポート］橘花みなみ卒業公演でアイドル人生に幕「みんなが幸せでいてくれることがわたしの幸せです」

寂しさとあたたかさが混在した満員の会場に登場SEが響くと「夜明けカンパネラ」からライブがスタート。サビの《お別れのことなんて今は忘れていよう》の歌詞は今の状況を代弁しているようで涙腺が緩む。この日のセットリストは橘花自ら決めたという。

“今日は最後のステージなので、みんなの心に残るいい1日にしたいと思います”と橘花が意気込むと、残りのメンバーも7人最後の時間を最高で最強にしようという気持ちが言葉の端々に感じられた。橘花からのサプライズで観客と各メンバーの掛け声を練習する場面もあったりと、透色愛が止まらない状態で次の曲へ。

「ネバーランドじゃない」から始まった可愛い曲詰め合わせブロックはまるで多幸感の海のよう。「ぐるぐるカタツムリ」では“最後まで可愛いちばなちゃんを目に焼き付けてくださーい！（天川）”から始まり、曲中のセリフ部分を“ちばな大好きー！（見並）”と叫ぶと、橘花も“私もみんなが大好きー！”とその思いに全力で応える。

橘花との思い出を話すコーナーでは“お泊まりの時に泥パックをしながら君色クラゲを歌ってたのが面白かった（花咲）”という話から、“ユニット曲を歌うのが夢、って言ったら本当にやってくれた（天川）”という優しい一面、“最初はオーラがあって近寄れなかったけど、仲良くなってからはスイーツからお肉まではしごするほど仲良くなった（梅野）”と印象的なエピソードが続出し会場の笑いを誘う。

二手に分かれたトーク中に、先日配信のYouTube番組「透色ってなにいろ？」で橘花がいちばん好きだというデビュー衣装に着替えた7人。梅野は初着用となった。“7人で最後に着たいと思って選びました”という橘花の思いを乗せて「僕らの轍」から7曲ノンストップで披露。グループの始まりを告げた「やさしさのバトン」では懐かしさもあり、最新曲「君と夢と桜と恋と」では背景のVJ映像がメンバーとのオフショット集に変わり一気にメモリアルな空間に。一緒に歩んできた7人の思い出に、会場中から堪えていた涙が溢れ本編が終了した。

フロアが水色のサイリウムに染まるなか、アンコール「だけど夏なんて嫌いで」で会場の熱気は最高潮に。曲を終えると、橘花からの卒業メッセージが読み上げられた。

橘花みなみ 卒業メッセージ全文

“私の全ての理由はファンの人でした。落ち込んだ時、楽しかった時、いつだって行き着く先にはファンの人がいました。私の人生にアイドルがあって良かったって思います。アイドルをやらないと死ねないって気持ちでここにきて、折れてしまった時もあったけど、それでも良かった。

いろんなありがとうがファンの人にあって、凹んだ時に元気を出させてくれてありがとう。少し変だなと思ったら優しい言葉を送ってくれてありがとう。みんなの方が無理させてたのに無理しないでって気にかけてくれてありがとう。会えない日が続いても忘れずにまた会ってくれてありがとう。私のレーンがガラガラな時寂しい気持ちにさせないぞ！っていっぱい回ってくれてありがとう。今日平日で年度末なのに有給をとってくれたり遠方から足を運んでくれたりしてくれてありがとう。私のために時間を使ってくれてありがとう。私よりいいアイドルなんていっぱいいるのに私のことを好きになってくれてありがとう。いつも自信がない私を大丈夫だよ！ってアイドルにしてくれてありがとう。本当にたくさんのありがとうで溢れてるんだよ。

もしかしたら出会わなきゃ良かったと思わせてしまった人もいたかもしれないけど、私は間違いなくいつかこうして別れてしまって会えなくなってしまったとしても、君に会えないで終わる人生より君と会っていろんなことを話して、同じ時間を一生懸命生きられてよかったです。

でもそうやって思わせれるぐらいには君たちの中ですごく好きで最強だったってことですか？　そうやってすごく自惚れてもいいですか？　いいアイドルでいれたんだなって思って大丈夫？　時にはみんなにちくちく言葉言っちゃったりして嫌な気持ちにさせてしまったかもしれないのに、それでもそれも含めてみなみちゃんだよ嫌いにならないよってそばにい続けてくれたみんなは本当に本当に本当にすごいです。

会えてても会えなくてもこれから先私のみんなに対する気持ちは一生変わりません。いくら歳をとってどんな人に出会っても君たち以上に私を好きでいてくれる人も、幸せにしてくれる人も、いっぱい笑わせてくれる人もいません。人生の中で間違いなく今がいちばん楽しい時間でした。死ぬまでずっと、一人ひとりのこと大切に思っています。本当は忘れていいよ！ってカッコつけて言いたかったけど、忘れないでほしいです。私も忘れてあげないので、みんなも私のこと「こんなアイドルがいたな」ってずっと覚えてくれていたら嬉しいです。

大変なこともいっぱいあると思うけど、4月からも強く生きていけそうなぐらいたくさんの思い出をもらったので、挫けそうになったらみんなにもらった言葉を思い出して頑張ろうと思います。みんなも今日までいっぱい私が伝えてきた言葉をもってどこかで幸せにいてほしいです。幸せでいてくれることがわたしの幸せです。これからもずっとみんなのことが大好きです。本当に今日までありがとうございました。”

メッセージを伝え終えると“次が本当に最後の曲です。今の7人、一瞬も目を離さずに焼き付けてください。「衝動」”と、透色ドロップの楽曲で最もセンセーショナルな「衝動」を全身全霊でパフォーマンス。最後はサプライズでメンバーから花束と、ファンひとりひとりからメッセージシートが掲げられ、終始感動に包まれた橘花みなみのアイドル人生が最高の形で幕を閉じた。