Palette Parade［ライブレポート］大きな挑戦を乗り越えて描いた輝きあふれるシーン「私たちはまた1つ強くなりました」

取材＆文：長澤智典
撮影：保田太陽

ワンマン公演の2日前、彼女たちは『パレちゃレ！2』の一環として行なった「広島から東京まで約1,000kmの道のりをメンバー6人で力を合わせて自転車で走破せよ！」のチャレンジを無事にクリアした。かなり体力を消耗した挑戦だった。その2日後となる2月26日（日）、Palette ParadeはVeats SHIBUYAで満員の観客たちを前に、5ヵ月に渡る『パレちゃレ！2』シリーズの最後を飾る＜パレちゃレ！2 FINAL＞公演を開催した。

先に、『パレちゃレ！』や、今回のチャレンジについて知りたい方は、以下をご覧になってほしい。

その挑戦を踏まえた上で、立ったワンマン公演の模様をここに伝えたい（緋本はぐみは、足の負傷のため、公演の一部にのみ参加していたことを事前にお伝えする）。

ライブは、超アッパーなポップチューン「起きて笑おう果報者」からスタート。舞台の上に見えていたのは、心の底から沸き上がる楽しさと喜びを解き放とうとはしゃぎまわるメンバーたちの姿。晴れた歌声に力強さを覚えたのは、気持ちに熱が入っていたからだ。“みんなもっともっと踊れるでしょ”の声を受け、飛び跳ねる人たちもあちこちに登場。《当たらない天気予報なんて意味あるんですかぁ？》など、途中に出てくるメンバーらのセリフに、ほかのメンバーらと観客たちが“No！No！No！”と一緒になって熱い声をぶつける一体感も最高だ。メンバーも観客たちも、みんな笑顔だ。心の奥底から止めどなく沸き出す騒ぎたい衝動を、彼女たちは舞台の上で目一杯振りまきながら弾けていた。《パレードが始まるよ》と歌うその言葉どおり、舞台の上もフロア中も、早くも華やかな空気に包まれていた。

ポップでパンキッシュな「スタートライン」が流れた途端、フロア中から熱いMIXが飛び出す。メンバーたちは《繋がるスタートライン明日へ》と歌いながら、ここから始めようと声をかけてきた。彼女たちは知っている。いつだってこの曲を歌えば、ここから世界が煌めき出すことを。夢見た未来へ向かって一緒に始まりの物語を描いていけるのを。だから彼女たちは、眩しい笑顔で弾けていた。

メンバーは「可愛くなる」を通し、女性なら誰もが心に抱えている可愛くなりたい乙女心を告白するように。でも、《可愛くなる》と乙女の願望を元気いっぱいに歌い出す。そんなもどかしい姿が、めちゃめちゃ愛らしい。彼女たち自身が、自分を輝かせる術を知っている。だからこそ、自らの気持ちを鼓舞するように歌いながら、可愛さに磨きをかけていた。ライブという空間が、メンバーたちをひと際可愛く輝かせていた。

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この日から、新衣装姿でのライブ。MCでは、新衣装の魅力について語っていた。“今日はうちらが渋谷でいっちゃん可愛いよね”の言葉も納得だ。

“今日は、ここにいるうちらとみんなが絶対的な主人公だー!!”の声を合図に、「明日の私は主人公」へ。派手なブラスの音も印象的、わちゃわちゃ弾む華やかなパーティチューンに乗せ、メンバーらが無邪気にはしゃぎ出す。次々と転調していく楽曲に乗せ、1人ひとりが、アイドルとして輝く姿をフロア中の人たちに見せていた。明日の主人公はPalette Parade!?と妄想をしてしまうのも、舞台の上で弾けるように歌い踊る彼女たちが、とても眩しいからだ。本気で輝いている乙女たちに触れ、騒ぐ心が止まらない。

彩り鮮やかなブラスの音を振りまきながら駆け出す楽曲に乗せ、メンバーたちが《18歳になったら》と歌い出す。彼女たちは、心に抱えたちっちゃな不満を口にしながらも、「PARADE」に乗せて、“もういいじゃん”と不満の数々を彼方へ吹き飛ばしていた。彼女たちは歌の主人公に心を染め上げ、その子の気持ちになって歌を伝えていく。愚痴を零すようにセリフを述べる間奏の部分では、一部メンバーがセリフを飛ばしてしまう場面も。そんなライブらしいハプニングもありながら、心を晴れた景色に染め上げるパレードは続いていく。

フロアから飛び交う熱いMIX。メンバーたちは「スプラッシュアンカー」を通し、愛しい君と一緒に忘れたくない青春の景色を描こうと誘いかけてきた。メンバーたちが横一列になり、前の人の肩に手を置いて波乗りするように揺れる姿も眩しい。メンバーの“みんなで飛ぶよ”の声に合わせ、フロア中の人たちが弾け飛ぶ景色も最高だ。1曲ごとにいろんな物語の中へ彼女たちと一緒に飛び込み、同じ気持ちを味わえる。5人と同じ笑顔に染まるのも、当然だ。

「Bad Genius」では、胸の内に渦巻く苛立ちをぶつけるように歌っていた。でも彼女たちは、暗い気持ちを内に押し込むのではなく、いつだって前向きな光に変えていく。だから苛立つ感情さえも、彼方に吹き飛ばしてしまうくらいの明るい声で歌っていた。彼女たち自身が、輝くスイッチをいくつも心に持っている。どんな想いだって前向く力に変えていく。だから、彼女たちの歌声に前を向く勇気をもらいたくて、ここに集まる。

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MCでは、5ヵ月間に渡り、いろんな挑戦を続けてきた『パレちゃレ！2』の歩みを振り返る。メンバーは“どのチャレンジも激ヤバだよ”と語っていた。

次に披露したのが、メンバーの緋本はぐみが作詞を担った新曲の「gemmy day」。6人の気持ちを1つにした歌声からスタート。華やぐ、楽しい楽曲だ。メンバー自身の日常（？）も見えてくるセリフも印象的。一緒に新しい世界へ踏み出そうと誘いかけるように、互いの関係を深く繋げる曲なのが嬉しい。サビでは、メンバーらが大きく手を振り上げジャンプする姿に合わせ、一緒に飛び跳ねる人たちも大勢登場。歌詞に合わせたお茶目な振りをしながら歌う、6人それぞれの姿も魅力的だ。落ちサビで、しっとりした音に乗せ1人ひとりがリレーするように歌えば、再び熱を上げていく曲展開が、とてもエモい。《ほら手をとって おいで》と歌いながらみんなで手を繋いで舞台の上を駆け出すなど、歌詞とダンスをシンクロしたパフォーマンスを通し、メンバーたちが元気よく弾けていた姿も印象的だった。

わちゃわちゃとしたガールズトークから始まった「ときしゅわ」を合図に、ワクワクした気持ちの温度が急上昇。フロアの人たちが、拳を振り上げ口上をぶつけ出す。メンバーたちは、恋にときめく乙女心をしゅわしゅわ弾け飛ぶ姿に変え、満員の観客たちに見せていく。メンバーみんな笑顔だ。全員が気持ちを1つに、フロアにいる君に向かって甘く、でも元気に恋心を伝えるたびに、心がしゅわしゅわ弾けていた。

ライブも終盤へ。「シャイガール」では、メンバー1人ひとりが心の弱いシャイガールになり、ここから一歩踏み出し生まれ変わろうとする姿を見せていく。彼女たちは、《1歩踏み出せ》と自分に言い聞かせるように歌っていた。その姿は、観ている1人ひとりにも重なる姿。彼女たちが自分自身へ言い聞かせ、心を奮い立てるように歌うたび、その気持ちを自分の心にも重ねながら、同じように気持ちを奮い立てていた。

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“パレちゃレ！を通して、私たちはまた1つ強くなりました。2023年もPalette Paradeについてきてください”。最後にPalette Paradeは、「フレフレ」を力強く熱唱。彼女たちは、この曲でも気持ちを奮い立て、自分自身にエールを送るように歌っていた。舞台の上では、メンバー同士が絡み合えば、みんなで肩を組みながら歌う場面も登場。彼女たちが《フレフレ》と歌うたびに、心に勇気が芽生え、もうちょっと頑張ってみようという気持ちになる。Palette Parade自体が、自らを鼓舞しながら、いろんな挑戦を乗り越え成長してきたグループ。挫けない言葉の意味を深く知っている彼女たちが送るエールほど、胸に熱く響くものはない。その声に、彼女たちの挑戦へ挑み続ける姿に心を揺さぶられ勇気をもらった人たちが、いつしかこんなにも増えていた。それが嬉しいじゃない。

“心が折れそうになったり、悲しくなったりもしたけど。みんながいてくれたからチャレンジを達成できたと思います。応援してくれてありがとうございました”（白川千尋）
　　　　
今回、すべてのチャレンジを達成したことで、Palette Paradeが全国ツアーを行なうことが決定した。次は、各地でこの楽しさを味わおうか。

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