Broken By The Scream[ライブレポート]バンドとともに激重音を轟かせて作り上げた熱狂の宴

Broken By The Scream[ライブレポート]バンドとともに激重音を轟かせて作り上げた熱狂の宴

Broken By The Scream[ライブレポート]バンドとともに激重音を轟かせて作り上げた熱狂の宴

Broken By The Screamが、12月3日(土)に新宿BLAZEにてワンマンツアー<BLESS THE PERISH>のファイナル公演を開催した。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

取材&文:オカミ・タカヒデ(METAL HAMMER JAPAN)
撮影:NICA AZUMA

Broken By The Scream<BLESS THE PERISH>新宿BLAZE(2022年12月3日)

七々扇ツバキが加入して初となるフルアルバム『RISE into CHAOS』をリリースし、その存在感と活動の幅を一気に拡大しているBroken By The Scream。コロナ禍ではグループとしての存続自体を自ら危惧していたとも語っていたが、同作の発売を皮切りにライヴ活動も活発化し、自分たちがオーガナイザーとなったエクストリームミュージック主体のイベント<FEST OF EXTREME>を手掛けるなど、“エクストリームメタル×アイドル”という異色のカラーを大いに推し進め前進し続けている。

そんな彼女たちのワンマンツアー<BLESS THE PERISH>が、12月3日、新宿BLAZEにてファイナルを迎えた。ステージ上でも“いつかやりたかった”と語ったスペースでの単独公演だ。当然ながらそれはファンの“いつか観たかった”でもあり、入口前の広場には開場前から長蛇の列ができあがっていた。12月に入り一気に冬が訪れた東京だが、BLAZE周辺はにわかに気温上昇状態だったのである。もちろん会場内はその数倍の熱気が満ちている。そして開演予定の18時を少し過ぎた時BGMが変わり、いよいよ彼女たちのステージがスタート。

先行して登壇したゾンビ・バンドの回しに合わせて、流鏑馬アヤメ、野月平イオ、雲林院カグラ、七々扇ツバキが入場、イオ&カグラのスクリームに合わせてショウの幕が開く。開幕曲は新作『RISE into CHAOS』収録でMVにもなっている「ココロ、晴レ晴レ」だ。キャッチーなコーラスセクションから始まり、スクリーム&グロウルで攻めるスピードパートになるブリッジ、そしてクリーンでのコーラスに再突入と乱高下するBBTSらしい1曲だ。今回のツアーで初めてBroken By The Screamを観たという人も少なくないかもしれないが、4人のパフォーマンス、そしてヘヴィかつスピーディなバンドサウンドとその個性を一気に感じられる、自己紹介にもピッタリなナンバーと言えるだろう。同日は“マスク着用であれば声出しもOK”という感染対策内でのルールで、初っ端ということもあり歓声という意味ではまだまだトップギアではなかったが、それでもフロアのテンションが一気に上がったのがひしひしと感じられた。

間髪入れず続いた「メラメラセニョリータ」は、彼女たちのハードな面がギュッと詰まったナンバーで、当然ながら重(イオ)と鋭(カグラ)のデスヴォイスがブラストビートに乗り先陣を切っていく。万人に出るものではないこの声だが、ツアーでより温められたであろう2人の喉もすこぶる調子がよさそうだ。照明もハードにキマり、クリーンチームの2人も腰から折れるヘッドバンギングを披露。ファンもそれに合わせて髪を振り乱して反応していく。イオは自分のことを“東京で1番メラメラセニョリータです”と言っていたが、今日はBLAZEが“東京で1番メラメラなライヴハウス”にもなっていたことだろう。

このステージ初のMCでは“眠れなかった(カグラ)”、“ここでワンマンができてうれしい(アヤメ)”と、この日のライヴへの想いを語っていたが、特にツバキは同会場について“アイドルになる切っ掛け”とも口にしていて、一段と想い入れが強いよう。それはパフォーマンスやメンバーとの連携にも表われていて、アルバム発売以前のステージよりも格段にグループに染まっている。個人での歌唱やダンスはもちろん、ほかのメンバーの絡み(ダンスにしてもMCにしても)も一歩以上深くなっていると感じられた。リーダーのアヤメとともにキュートな2人がいるからこそ、イオとカグラのメタルな面が生きるわけで、そのバランスが無二のBBTSを作り上げているのだ。重いビートにクリアなコーラスが映える「わたしはわたしのままだよ」やミュージカル的とも言えそうな(そしてクリスマスに聴きたくなる曲調でもある)「ボクらの未来」は、アヤメとツバキが牽引していくアイドルらしい面がよく出た曲だろう。

その絶妙なコントラストで生まれる楽曲群は続々と進んでいく。当初はこれまでのライヴハウスルールへの慣れで手や頭で反応していたファンも、徐々に声も使ってレスポンスをしていく。これは彼女たちのコンサートだけに見られる光景ではなく、それこそ洋楽でもポップロックの会場でもそう。“声を出せばいい”というものでもないが、観る側も“パンデミック前と同じようにライヴを楽しむスタイル”を体に思い出してもらっているところなのだろう。ベースのノリが曲を躍動させる「TOKYO RIDE」ではファンの動きもより大きくなり、手扇子を振りながらダンサブルなチューンを全身で楽しんでいる。曲調に合ったアッパーなグロウルはメタルスタイルとはまた違った、イオとカグラだけの個性と言えるだろう。その勢いのまま始まった「キラキラスプラッシュ」では、フロアも跳ぶ。コーラスのクリーンパートはタイトルのとおりキラキラで、その後のデスパートではアヤメとツバキものけ反りと、ステージングの見栄えもグッドだ。

後半のMCでは来年の海外公演とともに、2回目となる主催イベント<FEST OF EXTREME>の開催を発表。当初プレゼンターを務めたアヤメは、開催日の3月26日について口ごもっていたところもあったのだが、実は同イベント、国内メタル界最大級のイベントである<ラウドパーク>東京公演と日程がかぶっていたのだ。ただし彼女たちにそんなことで気落ちする素振りはなく、そこに負けないバンドをすでにブッキングしていることも教えてくれた。もちろん会場に集まったファンも幕張ではなく、彼女たちのもとに集まってくれることだろう。このあたりは、今後発信される情報にも期待だ。

さてステージはいよいよ終盤、「恋は乙女の泣きどころ」では会場全体から歓声&拳が上がり、本篇最後となった「逆転の鐘は鳴る」ではオーディエンスのクラップがラストスパートの如くハードチューンをあと押しする。メンバー&バンドもすべてを振り絞るように熱いパフォーマンスでフロアを盛り上げていったのだった。そして彼女たちは一旦ステージを降りる。

当然ながらこれで終わりということはなく、すかさずアンコールがかかる。このあたりも声出しが可能になった最近の光景である。そして間を空けずゾンビ・バンドが再登場。ここからはワンマンならではのバンドセクションだ。有名メタルチューンをインストメドレーで演奏するのが定番で、今回はスキッド・ロウからスリップノットと古今のナンバーが披露されたが、ファンの反応が1番大きかったのはロイヤル・ハントの「マーシャル・アーツ」だろうか。ただ、これはもしかしたらプロレスラー・蝶野正洋の影響かも……いや、その浸透率が流石である(笑)。ラストはアーチ・エネミーの「ネメシス」でイオとカグラが合流し一緒に歌ったのだが、もうアンジェラのそれと遜色なく、超本格のメタルグロウル&スクリームであることが改めて証明されたのだった。このあたり、今後にはさまざまなデス系ソングのカバーを聴いてみたいと思った人も多かったのでは。

壇上には衣装チェンジを果たした4人が揃い、アンコール1曲目の「感情クロスカウンター」に突入。前段のエクストリームっぷりをウマく受け継いでのハードチューンだが、コーラスは切ないメロディのクリーンヴォーカルがキュンとくる曲でもあり、BBTSのギャップがよく出た1曲でもある。アイドルらしさも充分に発揮されたところだ。続く「KI・RA・I!!」はなかなかのスピードソングで、これはダンスが大変そう。しかもここまで15曲をこなしているが、それでも4人のエナジーはまだまだ尽きることはなし、ファンのリアクションだって同様である。そして“ラストいけますか!”、“BLAZE燃えつきろ!”の掛け声とともに、本日のラストナンバー「夢花火」がスタート。曲アタマから4人とともにファンも熱唱し、当初の“様子を見ながら声を出していた”のとは違う開放されたフロアとなっていったのだった。コーラスでのクリーンパートでは4人のアイドルらしい透き通った歌声が響き、全員でのジャンプを経て、最後は4人が手に手を取って跳び上がり楽曲はフィニッシュとなった。

“ハイ、メタル!”の掛け声で1つになった記念撮影を終え、最後にアヤメは“もっといろんな景色が見たい、ついてきて!”とオーディエンスに声をかける。それに呼応するファンはもちろん“ついてくぞ!”と思ったはずだが、それに加えて彼女たちがどんどん先へと進み、逆に“もっといろいろな景色でのBBTSを見せてくれ!”と願ったのではないだろうか。2022年はやっとライヴ活動がリスタートした年だったが、その助走を受けて2023年はどういった1年になるのだろうか。海外公演、主催フェス、そして新作も……? ぜひ卯年よろしく、オーディエンスをハネさせてくれる活躍を期待したい。

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