染谷有香［インタビュー後編］グラビアで自己表現する者の矜持「“撮りたいな、この女”って思ってもらえるような生き方をしたい」染谷有香インタビュー後編

ご縁を大切にして、絶やさないようにしたい。それが今後の目標

――以前のインタビューで、男性が思うセクシーなものと、女性が思うセクシーなものは違うという話の流れで、“いい意味で、期待を裏切っていきたい”という話になりました。『Dyed in a dream』は、女性の視点が入っていながら、いい意味で期待を裏切るものになっていて、それが男性ファンにも刺さっていて、さらには新しいファンもついてきた……そんな作品になったように感じるのですが、ご自身ではいかがですか？

染谷：
そう言っていただけるとすごく嬉しいです。でも、狙ってやったことでもないんですよね。そもそも狙えないですし。“私はこういうつもりで作りました、こういうふうに感じてほしいです”という想いもあるんですけど、みなさんのリアクションは、それとは全然違うんですよね。でも、それがいいんだと思うんです。私は写真集を見て“こう思ってほしい”って真剣に思っているんですよ。でも、それよりも、見た方がそれぞれに感じてもらえばいいんだし、その上で、嬉しいレビューがたくさんある。それが本当に嬉しいです。そのレビューを私がちょっと大きな声で言うことで、この写真集のよさがまた伝わっていけばいいなと。前作の4版を超えられるかどうかはわかりませんけど、熱量のあるものができたと思いますし、前作がロングセラーになって、前作の隣に並べて置かれることで、今作も手に取ってくれる人がいる……そんなふうに連鎖しながら広がっていけばいいですね。いつの時代に見てもよい写真集だなと思ってもらえるものにはなっているはずなので。前作を出して、想像していた以上の反響があって、いい意味で私も裏切られたんですよね。それでまたお話をいただけて。前作を出した時には、本当に予想もしなかったことなんです。完成したものは素晴らしいものだと思いますし、一緒に仕事をしたチームにも恵まれました。何だか、宝くじに当たったような気分です（笑）。

――では最後に、今後の目標を聞かせてください。

染谷：
目標……なんだろう（笑）。

――グラビアはずっと続けていくと、ほかのメディアで宣言されていましたよね？

染谷：
宣言（笑）。宣言というか、“撮りたいな、この女”って思ってもらえるような生き方をしたいです。“撮ってください！”という気持ちもあるんですけど、それだと面白い作品になるのかなって思うんですよね。

――写真集を買ってくれるファンや、一緒に仕事をするスタッフに対しても、いい意味で媚びない方がよいものができるのかもしれないですね。もちろん、そこには“ファンは自分のことを理解してくれている”“スタッフは自分のよさを引き出してくれる”というようなリスペクトの気持ちがあって、だからこそ、相乗効果が生まれている……染谷さんの現状は、そういうふうによい循環が生まれているように感じます。

染谷：
リスペクトは特大なものがありますね。それって、心からリスペクトできる人に出会っているからだと思うんです。もともと、ただのエンタメ好きの少女で（笑）、テレビっ子だったんですよ。その時も、テレビを観ながら“この人たち、すごいな、綺麗だな”とか、“こんな面白い番組を作る人たちって、どんな人たちなんだろう”っていうリスペクトがあったんですよね。雑誌にしてもそうですね。“こんなすごい写真を撮るカメラマンってどういう人なんだろう”って思っていました。出演しているタレントさんにも、それを制作しているクリエイターの方にもリスペクトがあったんです。その気持ちは今も全然変わりません。“あの人と仕事ができるんだ！”とか“あの人、すごいですよね！”ってクリエイターの話で盛り上がったりとか、そういうことが今でも嬉しいので、これからもそういったリスペクトを持って仕事をしていきたいです。それと、こうやって、いろいろなご縁をいただくんですけど、それって、何か根拠があってのものだと思うんです。なので、そういうご縁を大切にして、絶やさないようにしたいです。それが今後の目標ですね。

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