キングサリ 天神・大天使・閻魔 ［インタビュー前編］見るもの惹きつける唯一無二のアイドルの正体「“アイドルなんだけどアイドルではない、でもやっぱりアイドルだ”という変な位置にいたい」キングサリ 天神・大天使・閻魔 インタビュー前編

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なんでも自分でやろうという精神で生きてきた

——閻魔さんって、“一人っ子っぽい”ってよく言われますよね。

閻魔：
一人っ子なんだけど、小っちゃい頃から家庭環境が悪くて。パパ、ママと3人暮らしだったんだけど、ママが激ヤバ女で、パパは無関心の中で育ってきた。ママが“この小学校気に食わないから、アンタは学校に行かせない”って部屋に閉じ込められたりとか、いわゆるモンペ（モンスターペアレント）みたいな感じだった。門限を1分でも過ぎたら真冬の外に放置とか普通だったし、叩いたり、手を出されるのもしょっちゅうで、アンタは生意気だからご飯作らない、あれしない、これしないって。イカれ女すぎて近所でも有名なくらい。そんな環境で育った。でも成長して、言葉でも力でもママに勝てるなと思ってからは言い返したり、やられたらやり返す、家の中で喧嘩の絶えない日々が続いた。“早くこんなところから逃げ出さないと”と思ってたな。小学生くらいからは、一緒の場所に住んでるけど、家族3人お互い関わらないという生活。ママは部屋に引きこもりっぱなしで私の身の回りの世話、ご飯作るとか洗濯するとか、一切やってくれなくなっちゃって。パパは普通に会社に行って、私が生きていく上で必要なお金は出してくれるんだけど、それ以外は関わらない。パパとしゃべる時はメールか、手紙で渡したりとか。あとは口頭でしゃべっても敬語だったりとか、そんな感じなので家庭環境は悪かった。

——それじゃ、自分が強くなるしかない。

閻魔：
だから、なんでも自分でやろうという精神で生きてきた。小さい時に受けた精神的なストレスで、中学生、高校生、大人になってからも思い出してしんどくなる時があって……。今はだいぶよくなったんだけど、思い出して泣き出したり過呼吸になったりとか頻繁にあった。ママとは小学生くらいの時からずっと縁切ってるから、連絡先とかも知らないんだけど、去年の生誕前（12月）くらいに実家の鍵を返しに行こうとふと思ったんだよ。それで、返しに行くついでに昔のことをママとしゃべってみようと思って、本当にしんどいことをしゃべった。小さい頃のああいうこと、こういうことがつらかったし、思い出すだけで私はしんどい。精神科にも通ってた、こっちはこんなにふうになってるわけって、説明した。そこで謝ってくれなかったらマジで縁切ろうと思って。そしたらちゃんと謝ってくれた。私もわんわん泣きながら……。それで“聞いてほしいことがある”と言われて、古い新聞を渡された。そこにパパと男の子が2人写っていて、“これ何？”って訊いたら“アンタのお兄ちゃんだよ”って言われた……。そこで初めて、腹違いのお兄ちゃんがいることを知った。写真がなかったので、たまたま写っていた新聞を私に見せるために取っておいたっぽいんだけど……。大人になって、腹違いのお兄ちゃんが2人いることをやっと知ったんだよ。ずっと一人っ子だと思って育ってきたし、周りからも“お前は一人っ子っぽいな”と言われてきたけど、実はお兄ちゃんが2人いた、っていう。そんなことを最近になって知ったわけさ。会ったことはないんだけどね。でも向こうは私のことを知ってる……っていう激キモ状態なんだけど。

——壮絶な話でもありますが、こうやってしっかり話ができるのは自分の中でちゃんと消化できているってことですね。

閻魔：
そうだねぇ。だから家族系の映画やドラマを観ると、けっこうくるものがあるな。あとは、道でデケェ声で子どもを叱ってるお母さん見ると“やめなよっ！”って、思っちゃうね。でも、そんなまともな家庭環境ではなかったわりに丈夫に育ったなと思ってる。ウマく育ってこれなかった子っていっぱいいるだろうし。ドヒステリックメンヘラ、みたいなアイドルもいるとは思うんだけど。私は本当に図太く育ったなって思う。

——屈折せずに、真っ直ぐ強く育った。

閻魔：
この親に私ありかぁ、この私にあの親ありかぁ、……みたいな（笑）。ママは私を5億万倍ヤバくした感じだし。普通に同級生と遊びに行く約束をして、でもママが厳しいから遊ばせてくれないかもしれないなと思って家に帰り、誰々ちゃんと遊びに行くと言ったら、その誰々ちゃんに電話して繋げてくれたらいいよって言われて、電話すんじゃん。“ママに遊びに行くと言ったら、話したいらしいんだけど代わっていい？”って、急にママと話すなんて申し訳ないと思って電話渡したら、“ウチの閻魔は遊びたくないらしいので、さようなら”、ブチッって。最悪だよ。次の日友達に謝って。本当に恥ずかしかったし。ママが小学校を気に入らなくて。担任も教頭も気に入らないから、“あんな学校に通わせられない”って、強制的に不登校にさせられた。給食と５、６時間目だけ受けて帰る、という毎日だったのね。そこから毎日ママに教育委員会に連れて行かれて、私は学校に対しても先生に対しても何も悪いと思ってないのに、“学校のここが嫌なんでしょ、先生のここが嫌なんでしょ、ほら早く言いなさいっ！”って、思ってもないことをママの機嫌と顔色を伺いながら毎日言わされた。別に何もないから“ええっと……”しか言えない。そうすると机の下で足を踏まれたりとか、蹴られたりする。そこでママにとっていいことを言えた日は帰り道にめっちゃ褒めてくれるけど、特に何も言えなかった日は、“なんで言わないの？　今日はご飯なしだから！”とか、そんな毎日だった。ママの機嫌を伺って、“私がママの1番の味方でいなきゃいけないんだ”って思ってた。“ママは私しかいないんだ”っていう洗脳状態にもなって。『血の轍』っていう漫画があるんだけど、それとまったく一緒だなって。ママがいて息子がいて、お互いが共依存していく話なんだけど、読んでいて“ああ、これだな”って思ったな。

——そこから閻魔さんが成長していく中で、このままではダメだと自分で気づいたわけですか。

閻魔：
小っちゃい頃は“殺されるんじゃないか”と怯えていたけど、成長していくにつれて口論でも勝てるし、ぶたれるようなものならぶち返せるなと思ったら、怯えることもなくなった。でも、クソガキの頃は家を飛び出すなんて不可能だから、実家には住んでたけど、けっこう早々に家を開けることが多かったな。一人暮らしをはじめた時もどこに行くとはまったく伝えずに、“縁を切りました”という気持ちだった。

——そういう幼少期があったからこそ、アイドルや芸能的な華やかさへの憧れがあるところもあります？

閻魔：
あー、でも、私テレビとか出るのは怖いと思ってるんだけどね。売れたいことを前提にアイドルやっているし、売れるためにテレビに出るんだろうし、いずれ出ることになるとは思うんだけども。でも、やっぱりテレビ出るの怖いってなっちゃう。叩かれるの好きじゃないし、出たら叩かれるのはわかってるから、今からビクビクしてるんだけど（笑）。

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キングサリ　インフォメーション

キングサリ1stワンマンライブ＜LIVE or ALIVE＞
日時：2022年12月7日（水）開場18:00／開演19:00
会場：渋谷WWWX

【チケット】
優先S：¥6,000（記念Tシャツ付）
一般A：¥3,000

■販売期間
先着先行：11月3日（木）12:00〜11月25日（金）23:59
一般販売：11月26日（土）10:00〜12月6日（火）23:59