キングサリ 天神・大天使・閻魔 ［インタビュー前編］見るもの惹きつける唯一無二のアイドルの正体「“アイドルなんだけどアイドルではない、でもやっぱりアイドルだ”という変な位置にいたい」キングサリ 天神・大天使・閻魔 インタビュー前編

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自分が自分を貫き通せればいいのかなと今は思ってる

——歌えるメンバーが揃っているので、歌の部分だったりでそういうことを思ったりもするのかなって。

閻魔：
歌に関してはなんとも思ってなくて。圧倒的に私の方がオールマイティだし、1番うめえなと思ってるから。歌がウマい女なんかゴロゴロいるわけだし、その歌がウマい女たちの中でも私は特殊だと思ってる。声を変えられたりするのは、みんなできないことだから。ほら、お前もよく書いてくれてるけど、私の“男前のパワフルボイス”みたいなのって、アイドルにはあまりないじゃない。みんな基本“女の子歌い”をするじゃん。私は男のキーで歌えたりもするし、声量もあるから。アイドルというよりかは、アーティスト寄りになりたい部分もあって。歌い方も見せ方もそうだし。“アイドルなんだけどアイドルではない、でもやっぱりアイドルだ”という変な位置にいたいとは常に思っていて。それはアンス（アンスリューム）の時からそう。アイドルであることには間違いないんだけど、アイドルとは言い切れない、みたいなさ。

——アイドル界の異端な存在でありたいと。そもそも歌に目覚めたきっかけは、なんだったんですか？

閻魔：
アンスの前はディアステージ（秋葉原ディアステージ）で働いてたんだけど、5〜6ヵ月くらい。ディアステでも歌ってはいたけど、あそこは基本コンセプトカフェだから、歌メインでもないし……本当にちゃんと歌い始めたのはアンスからかな。

——小さい頃から歌が好きだったとか。

閻魔：
歌は好きだったかもしれない。好きだったけど、特別歌う機会があったとか、習ってたようなこともなくて。

——アイドルはディアステが初めてですか？

閻魔：
そうだね。その前もコンカフェで働いていて。もともと、でんぱ組.incが好きで、でんぱ組になりたかったからディアステージに入ったんだけど。ディアステで働いていてもでんぱ組になれる未来が見えなくて、それでアンスに入って、みたいな感じ。まぁ、昔から目指すべきゴールはアイドルであったね。

——それは、AKB48のような国民的アイドルではなく、でんぱ組のようなニッチなアイドルになりたっかた？

閻魔：
でんぱ組とかバンもん！（バンドじゃないもん！ MAXX NAKAYOSHI）とかが憧れで、それがアイドルが好きになった入口だったから。でもそこを目指していたようで、目指していなかったのかもな。アンスも最初はどちらかといえば、でんぱとかそっち寄りのグループだったから入ったんだけど、結局“なんか違うな”という感じになっちゃって、移籍してこっち来て……。どういうアイドルを目指していたというのはないのかもしれない。自分が好きだったアイドルにはなれてないし、今はなろうとも思ってないから。自分が自分を貫き通せればいいのかなと今は思ってる。

——実際に活動していく中で、自分の考えやスタイルが生まれていった。

閻魔：
私が“閻魔”になったきっかけは、黙ってることができないタイプだから。黙っていると自分が損をすると思ってしまう。自分の意見を言えて、自分の意見を通したい自我が強いタイプの女。だから閻魔になった。集団行動をしている女は理解できないんだよ。よくわからないアイドル女たちがわっきゃわっきゃしてるのを、“私は絶対無理だな”と横目で見てる。あとは、誰かが言うのを待っていて、みんなたじたじしてる状態がホントに嫌い。“行けるやつが行け！　わかるヤツが答えろ！　しゃべりたいヤツがしゃべれ！”となっちゃうから。私1番最初に即行動をしちゃう。なんか文句あるならヲタクに直接言えばいいし、運営に直接訊けばよくない？ってなるタイプ。

——そうやって“閻魔”になったのはディアステの後ですか？

閻魔：
うん、ディアステの後かもしれない。ディアステの時は比較的大人しくしてた。縦社会というか、10年くらいやってる人もいて、先輩後輩の関係が激しいところだなと思ったし。当たり前のことだけど、先輩には必ず自分から挨拶をして、という感じだったから、なんか生きづれえなと思ってた。だからあまり目立たずにいようと。この店のルールも伝統も知らないから大人しくしてたけど、アンスからは普通に我を出してる。

——勝手なイメージですけど、ディアステって女子校的なノリがありそうですね。

閻魔：
ああ、そうかもね。その前に働いてたところも、女子校というか女の世界という感じだったな。コンカフェとかそういう女が集まる場所はそんな感じだと思うよ。お局みたいなのに楯突いたらハブられる、みたいな世界。今はそんな世界に近寄りたくない。それに女子中学生のトイレみたいなのもなりたくないなって。

——みんなで一緒にトイレへ行くみたいな。

閻魔：
そうそうそう。ヤダよ、あんなの。