マジカル・パンチライン 沖口優奈「沖Pの教えてプロデューサー」第5回：FRUITS ZIPPERプロデューサー木村ミサ（前編）「全体的に“みんなのこと見てるよ”ってことが伝わるようにできたら」マジカル・パンチライン 沖口優奈「沖Pの教えてプロデューサー」第5回：FRUITS ZIPPERプロデューサー木村ミサ（前編）

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身近にメンタルケアしてくれる女性がいるのは大きいですよね

沖口：
プロデューサー業の話に戻りますが、今、仕事内容としてはどんなことをされているんですか？

木村：
んん………………本当に何でもやってるかもしれない。例えば、曲のコンセプトも決めるし、こういう曲を作りたい、こういうダンスがいいっていうリファレンスも決めるし、アー写の世界観とかグッズもこういう感じがいいとか、あとライブの中身でも、セトリも毎回全部決めてるし、メンバーのメンタルケアしたり、ライブ観たり……とか、ほぼほぼ何でもやってるから、何をしてるかって言われると逆に難しい（笑）。

沖口：
メンバーさんも、身近にメンタルケアしてくれる女性がいるのは大きいですよね。

木村：
そうなのかもしれない。最近になって女性のスタッフさんが入られたんですけど、それまで本当に私しか女性がいなかったんですよ。会議も全員男性で、女性は私1人だけ。だけど、アイドルさんの楽屋って男性は入れないから、物理的に距離ができちゃうじゃないですか。だから、ライブも当初はこんなに見に行く予定じゃなかったんですけど（笑）、でもちゃんと会場に行って“これが足りないです”とか“ここをこうしてほしいです”みたいなことをメンバーから吸い上げて伝えたりとかもしてますね。楽屋にいる時が1番“素”が見える状況だったりするので、“この子、疲れてそうだな”とか、そういうことを察知しておくのも仕事、みたいな。ただ、年頃の女の子って、“大丈夫？”とか“病んでる？”とか言いすぎると、逆に“私ってやっぱそうなのか……”ってどんどん落ちていっちゃったりするから、人によって声の掛け方も変えてますね。日常的に話しかけた方がいい子もいるし、たまにがっつり話した方がいい子もいるので、人によってコミュニケーションの仕方を変えて、だけど、全体的に“みんなのこと見てるよ”ってことが伝わるようにできたらいいなって常に心がけてます。

沖口：
それ、めちゃくちゃ大きい！　アイドルが長く活動していくためには。

木村：
アイドルって、年齢的にも20代前半だったり10代後半だったりするので、やっぱり病みやすいじゃないですか。

沖口：
どうしても多感な時期だから。

木村：
そう。だから別にそれが悪いことでもなくて当たり前のことなんだけど、ただ、病み落ちされるのも困る（笑）。

沖口：
そうですよね｡ステージでもそうなっちゃう可能性もあるかもしれないし。

木村：
だから、ある程度こっちがコントロールできた方が、結果的にお互いに楽なのかなとも思うから、病んだ時に気軽に言えるように……溜めて溜めて溜めて言われると大変になっちゃうから、向こうがストレスを溜めずにいつでも気軽に言えるように、できたらいいなと思ってて……できてるかわからないですけど（笑）。

沖口：
昔、ご自身がアイドルをされてた時の経験も、今プロデューサー業をやるにあたって活かされていたりするんですか？

木村：
例えば、自分がアイドルしてた時にファンの方から“ライブの時、ミサちゃんのこういうところがよかったよ”とかって言われることもあるじゃないですか。なので、“ファンの人って、こういうことが好きなんだよ”とか、“アイドル目線からすると、この対応はファンの人が喜ぶよ”みたいなことを伝えたりしたことはありますね。

沖口：
自分の経験でわかっているからこそ（笑）。

木村：
そうです（笑）。自分のことを知ってくれてる人って、歌ってなくてもずっと観てくれてるじゃないですか。そういう、例えば自分がパフォーマンスしてない時とか、移動してる時でも、ちゃんとアピールした方がファンの人はきっと喜ぶよ、みたいな。気抜くな！的な感じですね（笑）。

（一同爆笑）

沖口：
もともとメンバーさんにも経験者が多いから。

木村：
そうですね。アイドルとしては私より先輩もいますし。櫻井優衣はたぶん私よりも長いんじゃないかな……8～9年目とかなので。

沖口：
もはや先輩なんですね（笑）。でも、初めてアイドルをやる子だったら、ステージ中にどういう目線をどこに向けたらいいのかとか、難しいですよね。

木村：
めっちゃ難しいですよね。リハーサルって当然お客さんがいないから、“目線はここら辺に！”とか言ったところで、って感じですよね。

沖口：
（リハーサル室の）“鏡の向こうにお客さんがいるよ”みたいな（笑）。

木村：
そうそう、それ、よく言うじゃないですか（笑）。でも、未経験の4人は、そこのセンスがわりとよかったんですよ。ファンの人のへの目線も、初心者にしてはできる方だったかもしれない。

沖口：
確かに！

木村：
ダンスとか歌とか、技術的なところはついて行くのが精一杯だったんですけど、“目線”とかは、そこまで教えなくてもできてたのかもしれない。

沖口：
経験者のメンバーさんと未経験のメンバーさんの差が全然見えなかったんですよ。実際、ライブは遠くから観ていただけで、表情までは動画でしか観たことないんですけど、“この子、始めたてなんだろうな”とは全然見えなくて。

木村：
たぶん、トークとかMCになると一気に超素人感が出てくると思う。

（一同爆笑）

木村：
だから、あまりやらないようにしてるんですよ。ライブパフォーマンスという意味では、経験者はやったことがあるから感覚は摑めてたんですけど、未経験の4人も、ダンサーとして舞台に立っていた経験がある子（真中まな）と、もともと歌とかダンスとか自己表現が好きな子（早瀬ノエル）と、あとは子役とか“天テレ”（ NHK『天才てれびくん』）とかでもともと“表”に出ていた子（鎮西寿々歌）は、やっぱり飲み込みも早かった。ただ、あともう1人は、本当に何もやってないTikTokerの大学生（松本かれん）で（笑）、歌とダンスは未経験だったのでさすがに苦労しましたけど、たぶんTikTokライブとかでファンの方とコミュニケーションを取るのが得意だったり、もともとすごくコミュ力がある子なので、緊張はするけど、それで何もできなくなっちゃったり下を向いちゃうような緊張の仕方じゃないんですよ。

沖口：
“緊張する～～！”みたいな感じですよね（笑）。

木村：
そうそう（笑）。緊張を楽しんでるような感じだったので、そこまで未経験っぽさが出ずにいけたのかなと思います。

沖口：
確かに、最近の中学生とか高校生ってTikTok文化があるから、ウチにも1年半前に入ってきた新メンバーが3人いて、その内2人はアイドルとか未経験なんですけど、MVのリップシンクが最初からめちゃくちゃウマかったんですよ。

木村：
確かに、言われてみればそうだ！

沖口：
TikTokってほぼリップシンクじゃないですか。それにプラス、踊りながら表情作って、ってことは今アイドルじゃない子も普通にやってる世の中だから。自分が最初にやった時よりも全然上手だなって思っちゃいました。

木村：
今、その話を聞いて思い出したんですけど、初めてのMV撮影の時に、リップシンクシーンもありつつ、“音に合わせて自由に動いてみて”って言われてて、未経験の松本かれんだけ“自由に動く”ってことができなくて、TikTok撮ってるみたいに、リップシンクと小さい動きだけになってたんですよ。確かに、TikTokをずっとやってる人はその“脳”になってるのかなって思いましたね。

沖口：
TikTok文化がアイドル界にもむちゃくちゃ入り込んできてるんですね。

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マジカル・パンチライン　全国ハロウィンツアー ＜LiVE PARK 2022 Halloween Tour「BOO!」＞

【札幌公演】
日時：2022年10月10日（月・祝）開場13:30／開演 14:00
会場：BESSIE HALL
ゲスト：TEAM くれれっ娘！
公演に関するお問い合わせ：WESS MAIL:info@wess.co.jp

【福岡公演】
日時：2022年10月22日（土）開場13:30／開演 14:00
会場：Live house & Club PEACE
公演に関するお問い合わせ：SCARLETT PROMOTION TEL: 092-717-7630（平日12:00-18:00）

【東京公演】
日時：2022年10月29日（土）開場13:30／開演 14:00
会場：新宿ReNY
公演に関するお問い合わせ：ホットスタッフ・プロモーション

TEL:03-5720-9999 （Weekday,12:00~18:00）

※終了公演は割愛
※チケット一般発売中

デジタルシングル「キラッとサマラブ」配信中