マジカル・パンチライン 沖口優奈「沖Pの教えてプロデューサー」第5回：FRUITS ZIPPERプロデューサー木村ミサ（前編）「全体的に“みんなのこと見てるよ”ってことが伝わるようにできたら」マジカル・パンチライン 沖口優奈「沖Pの教えてプロデューサー」第5回：FRUITS ZIPPERプロデューサー木村ミサ（前編）

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結果的に自分の足で探してきた子たちが揃いましたね

沖口：
コンセプトはどうやって決めていったんですか？

木村：
コンセプトを決めるのは、メンバーがある程度が決まってからで。

沖口：
先にメンバーを決めてからなんですね。

木村：
そう。私、すごくアイドルが好きで、アイドルヲタクでもあるんですけど、いろんなグループを見てきた中で、コンセプチュアルにしすぎるとそれに縛られてしまうこともあって……。

沖口：
そうなんですよ！　マジパンも最初そうでした（笑）。

（一同爆笑）

沖口：
けっこうガチガチになると思うんですよね。マジカル・パンチラインは魔法使いコンセプトで、ガチガチ中のガチガチだったので（笑）。

木村：
そうだそうだ！　思い出した！（笑）　だから、あまりコンセプトを決めすぎてしまうと、その時の話題性の爆発力はあるかもしれないけど、先がなくなったら大変かなと思ってて。先にコンセプトを決めたことによって、例えば、めっちゃ“ロック”でいくことにしたとして、選ばれたメンバーがそうじゃなかった時の難しさは必ずあるから、メンバーにはいろんな人と面談してもらって、“アイドルするならどういうアイドルになりたいですか？”っていう、なんとなくの自分のアイドル像……例えば“イコラブ（＝LOVE）さんになりたい”とか、“BiSHさんになりたい”とか、アイドルの中でもいろいろあるから、それを聞いた上で、“この子はわりといろんなことをやりたいんだな”みたいな子を選んだんです。で、決まったメンバーにたまたま“生歌がいい”とか、“ダンスはちゃんとしたい”っていう子が多かったので、ちゃんとその実力をつけようって考えたんです。もう1つは、もともと『KAWAII LAB.』を作る時にあった“ASOBISYSTEM＝アイドル”っていうコンセプトもちゃんと提示したかった。ASOBISYSTEMっていう会社自体が“原宿から世界へ！”っていうめちゃめちゃ壮大な野望を掲げているので、それをそのまま使おう！って感じで、アイドルを通して原宿から世界へ飛び立ちたいみたいな大枠のコンセプトを作った上で、そこからいろんな種類の“KAWAII”を表現できたらいいなと思ってグループを作った感じですね。

沖口：
聞けば聞くほどそのとおりだな、って思いますね。ちょっと話が戻りますけど、コンセプトを決める前にメンバーさんを決めるじゃないですか。けっこうすんなり決まったんですか？

木村：
いや、全然すんなり決まらなかったですよ。

沖口：
オーディションとかは？

木村：
一応しましたけど、結果的に自分の足で探してきた子たちが揃いましたね。人の紹介とか、SNSとかで探して、面談してみて“いいな”って、私も含めてまわりの人たちも“この子いいじゃん”って思った子を揃えました。で、ある程度メンバーが決まってきたら、“より歌がウマい子が欲しいな”とか、バランスを見ながら決めていった感じかなぁ。スピード感も欲しいってことだったので、経験者も入れないとダメだなと思ってたし、とはいえ、ヲタク的な目線で言うと、全員経験者だとちょっと……。

沖口：
成長過程が見たいっていうファンもいますしね。

木村：
そうそう。その経験者の既存のファンがベースになりすぎちゃって、いろんなことをする時に、“前はこうだったのに”みたいな感じで、もとのグループのイメージみたいなものを押し売りされるのもちょっと困るなって思ったりして（笑）。

沖口：
間違いないです（笑）。

木村：
そういう気持ちもあって未経験の子も入れたかったので、結果、アイドル経験者が3人（月足天音、櫻井優衣、仲川瑠夏）、未経験者が4人（鎮西寿々歌、真中まな、松本かれん、早瀬ノエル）という構成になりました。

沖口：
蓋を開けてみると、やっぱり立ち上げの時からSNSでめっちゃ話題になっていて、私もYouTubeに上がったライブ映像をすぐ観たんですけど、めちゃくちゃパフォーマンス力高くて、“1発目のステージなのにコレ!?”みたいな（笑）。

木村：
えーー、嬉しい～!!　

沖口：
経験者の方がいるってこと、プラス、最初からパフォーマンスに力を入れて準備されてたんだろうなってことをすごく感じました。

木村：
確かに。私がハロプロさん好きってこともあって、まだコンセプトは決まってなかったけど、生歌とダンスはちゃんとやるってことだけは決まってるという状態で面談だったんで、“生歌でやるけど大丈夫？”とか、“ダンス、ついて行ける？”とか聞いて、“できます！”って言った子たちが集まったというか。だから、やる前からある程度、覚悟はできていて、その上でけっこう長い間、メンバーによっては去年の10月くらいから今年4月のお披露目に向けて半年くらいずっとレッスンをしてました。

沖口：
ホントにすごかったです。“ええっ?　最初からこんなパフォーマンス力高いの？”って思いながら観てましたから（笑）。その準備期間の成果が、すでに1発目に出たんですね。

木村：
みんなの、“アイドルとしてこうなりたい！”という意志が、4月のお披露目までにちゃんと固まってくれて、モチベ高く行けたというのが大きかったかなと思います。