アンスリューム、夜光性アミューズ、Chick-flick、マーキュロ　独自性に突っ走る超個性的なグループ｜「偶像音楽 斯斯然然」第90回

夜光性アミューズ　無敵のインフルギャルサー

前々回触れたように夜光性アミューズが6人になるということで、一瞬たじろぐも、新メンバー・柊ききのビジュアルを見たら俄然楽しみになったという、単純明快なチョロいヲタク　　な私。実際6人になってライブ映えもめちゃくちゃ派手になっていた。よるあみは個人的に“電波系ギャルサー”なんて勝手に呼んでいるわけだけど、ほかのアイドルとは一味違うフォトジェックさを武器にしているHEROINES（ヒロインズ）の中でも、一際インフルエンサーオーラがすさまじかったが、それがより強力になった。強い、強すぎるぞ、新生よるあみ。柊きき、めっちゃいい声してました。妖艶な響きがする中低音がたまらない。お姉ちゃん（森ふう花／まねきケチャ）も衝撃を受けた逸材だったが、妹も負けていない……なんだこの双子はっ！

新体制となって投下された「ヘッドライナーガール」がものすごい楽曲だった。

夜光性アミューズ「ヘッドライナーガール」

90’sディスコをベースにしながらも電波曲的なカオティック要素を現代的なEDMベースで迎合していく……それでいてズババババッと斬り込んでくるスライサーなギターがロック要素をも表していて最高に気持ちいい。パタパタ変わっていく歌割りもすさまじく難易度高い……すごくキャッチーだとは言い難いけど、なぜか異様に耳に残るインパクトで中毒性が高い。サビ頭が《全然》《原点》《減点》とアクセント強めの濁音で攻めながら、後半のキメフレーズがタイトル「ヘッドライナーガール」と抜いた聴き心地になるのが最高。聴感上《“ヘッ”“ライ”“ナー”“ガー”》のアクセント弱い語感でアウフタクトを操っている妙味だ。

「夜光性イントロデュース」同様に落ちサビっぽいところに1フレーズごと、“間”を設けており（MVでは2:55〜）、その意図はコールのためなのかわかりかねるが、結果的に妙な緊張感、ラストへ向かう助走になっている。

そして「夜光性イントロデュース」然り、ピアノの入れ方が定位含めて絶妙だ。曲展開で落ちたところに入ってくるのは言わずもがな、オブリガートやウワモノとしての入れ方がすごい。新進気鋭のクリエイター、磯野涼の恐ろしさである。

磯野涼といえば、その振り幅も恐ろしい。

ituasion「PUNK DOLL」

situasion「秘色の夜明け」

磯野涼がサウンドプロデュースを務めるsituasion、3部作連続デジタルリリース『革命三部作 パルメニデスにさからって』より。ミニマルテクノとオルタナティヴロックが交互に攻めてくる容赦なさ。「秘色の夜明け」の轟音ブッシャーは、ライブハウスで聴いて身体中の毛穴が全開になった。

磯野涼、変態である。

さて、ここからは当コラム初登場のグループを2組。どちらも最近知ったグループで、その貫き通す独自性に衝撃を受けた。