きみとバンド[ライブレポート]大きな成長と強い覚悟を見せつけたZepp Hanedaワンマン

きみとバンド[ライブレポート]大きな成長と強い覚悟を見せつけたZepp Hanedaワンマン

きみとバンド[ライブレポート]大きな成長と強い覚悟を見せつけたZepp Hanedaワンマン

ガールズバンド・きみとバンドが、8月20日(土)にZepp Haneda(TOKYO)でデビュー2周年を記念したライブ<きみとZepp>を開催した。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

きみとバンド<きみとZepp>Zepp Haneda(TOKYO)(2022年8月20日)

Zeppライブを発表した時、ライブハウスで300人程度の動員のきみとバンドには、誰もが無謀だと思った。しかし、メンバーの目の前に広がったのは2,000人のきみ(きみとバンドのファンの名称)の姿だった。コロナ禍でデビューライブが4度の延期、47都道府県ツアー、今年に入り初期メンバー卒業と新メンバー加入など、さまざまな出来事の中で迎えたデビュー2周年ライブであった。

客席が暗くなりステージの幕にZeepに向けたきみとバンドの活動が映し出される。映像が終わると幕の奥からドラムがリズムを刻み出し、ベースソロへ。セルフタイトル曲「きみとバンド」のイントロだ。幕が落ちるとステージには照明が当たり、そこには清原梨央(Gt&vo)、森田理紗子(Gt&vo)、大野真依(Rd)、サポートメンバー早希(Ba)がいた。森田は普段のアコースティックギターではなく初披露となるエレキギターを持ち、大野のバスドラムヘッドには大野のきみとバンド色のサインが記されていた。「きみとバンド」は、全国をハイエースで駆け巡りライブを行なっているきみとバンドのことを歌詞にしたアップテンポなナンバーだ。その勢いのままディスコチューン「スローモーション」、荒削りだが情感溢れる言葉の1つひとつが心に響く清原のハスキーボイスが印象的なギターロック「はなればなれ」ときみとバンドの中でもロック系な3曲を披露した。

ここでメンバー3人が挨拶し、森田がエレキギターをアコースティックギターに持ち替えた。ここからは前の3曲と変わり、しっとりと聴かせる曲。きみとバンドの楽曲の全作曲をしているサウンドプロデューサー古城康行との出会いのきっかけとなったポップバラード「amulet」、きみとバンドでも1、2を争う人気のセンチメンタルな曲「rosemary」、森田が加入して初めてのシングル「シャボン玉」をパフォーマンス。この3曲では、森田の声量あふれるクリーンボーカルと清原との心地よいコーラスが印象に残った。

“今日大きなステージに立ってみんなの顔を見ていると、この日を迎えるまでのいろいろなことを思い出します。学生時代、私は人と話すのも苦手で、学校にも行けなかったり、何かに夢中になって頑張れるようなものもない子でした。それが今は同じ夢を持った仲間と頑張れることの楽しさを知って、人との出会いが繋がって、こんなにも幸せな空間が生まれることを知ることができました。今まで感じたことのないくらい人の温かみを感じて、誰かと何かを成し遂げるってこんなに幸せなことなのだって、今噛み締めています。1人でいたら傷つくこともないし、悲しむこともないけれど、きっとこんな大きな幸せには出会えなかったと思います。これまで、私は私であることに苦しくなったり自分を誇りに思えない、そんな時もあったのですけど、諦めずに歩いてきてよかったです”

清原がそう語ると、MCの世界観そのままの彼女が作詞したロックナンバー「オレンジ色の世界」へ。「きみとふたり」「蝉しぐれ」とバラード系の曲や、ステージからのコールに対して観客が両手を振り上げてレスポンスして会場が一体化した「レリビ☆」へと続いた。このロックからバラードまで幅広い曲調の展開は、多様な音楽性を持つきみとバンドらしい構成だった。

“今日来てくれている方の中にはライブ配信から知ってくれた方も多いと思います。来るきっかけがDM(※きみとバンドの総SNSフォロワー約8万人にメンバーからDMを送付)からという方もたくさんいると思います。楽器を持ち始めてからまだ2年ほどで音楽のこともまだまだわかっていないことがたくさんあるけど、自分たちなりに頑張ってきました。それと同時に楽器や音楽以外のこともきみとバンドに繋がるならと頑張ってきました。ただ普通のバンド、ドラマーがやらないことをやるといろいろな声が聞こえてくるようになりました。その声に傷ついたこともあります。例え少数でも気になって悩んでしまって。でも、それでも止まるわけにはいかないから走り続けていたら温かい言葉もたくさんもらうようになって、何か気づいたのです。大事なのはいつでも前を向いて泥臭く頑張ること。そうしたら誰かが必ず見てくれて応援してくれるのだなって。きみとバンドとしてしっかり目標を持って、これからも努力していきたいと思います。その目標の1つに、次は日本武道館。ここにいるみんなでいつかあの場所に立ちたい”

大野が溢れる想いを口にすると、この日のライブのためにきみとバンド名義で初めて作詞した曲「あの場所へ」を初披露。BPM184ときみとバンドの中でも最速なハードロックナンバーである。大野はこのライブで初めてツインペダルを披露。この難解な曲では、大野のツインペダルの重低音と清原の激しくかき鳴らすギター、森田のクリーンボーカルから一転した迫力のあるロックボーカルが見事に融合し、この日1番の盛り上がりを見せた。

会場中のきみが一斉にジャンプして会場が揺れ、曲中に金と銀のテープ(一部のテープにはメンバー直筆メッセージあり)の発射により会場を彩ったアップテンポな「恋のモンスター」、《愛媛が好きやけん》の歌詞を《Zeppが好きやけん》に変えた「∞YAKEN」をアクト。熱気に包まれたまま本編は終了した。

会場の熱気は収まらずアンコールへ。メンバー3人ともう1人のサポート松本璃奈(ベース)の4人がステージに登場。この2年間を表すような《何度も何度でも立ち上がるよ》という歌詞が印象に残る「スタートライン」から、ゲストにアイドル“りーおん(清原にそっくりだが別人らしい)”を迎えてりーおんワールドに包まれた「きみが好き」を届けた。

曲が終わり、森田がMCで“今日はありがとう。これまでシンガーソングライターとして1人で音楽活動をしてきた中で、こんな頑張って何になるのかなって思うこともありました。つらくてもう辞めてしまおうかなって思うたびにずっと応援してくれたファンのみなさんが救いあげてくれました。きみとバンドのボーカルになってからは俯いてしまいそうになるたびに、メンバーときみのみんなに前を向く勇気をもらいました。そして、森田御一行でいじられたけど周りにも全力で応援してくれる人がいて、よく「夢を馬鹿にされて見返してやる」という話を聞きますが誰一人、私の夢を笑わなかった。私が頑張れたのは間違いなく頑張れる環境だったからです。そして、頑張ったことは裏切らないということ。これまでやってきたことがきみとバンド加入に繋がったことで強くそう思わせてくれました。本当に最高の1日でした。すべてのみんなに感謝の気持ちを乗せてこの曲をお届けします”と、いつもそこにいてくれるきみへのメッセージが込められた「歌にのせて」を披露。最後にこれからも続くきみとバンドを表したような「rebirth」でライブは終了した。

今回のライブで感じたのは清原のギターとボーカル、大野のドラムの成長だ。バンド結成をきっかけに楽器を始めた2人が「あの場所へ」レベルの曲を演奏できるとはデビュー時には想像できなかった。この2年間、清原と大野がいかに真剣にバンドに取り組み練習してきたのがわかる素晴らしい演奏だった。この2人に森田のボーカルが加わったきみとバンドの化学反応と成長を感じられる素晴らしいステージだった。
Zeppという大きなステージは終わったが、ハイエースで全国を駆け巡り歌い続けるきみとバンドのこれからにも目が離せない。

きみとバンド<きみとZepp>

2022年8月20日(土)
Zepp Haneda(TOKYO)

1.きみとバンド
2.スローモーション
3.はなればなれ
4.Amulet
5.Rosemary
6.シャボン玉
7.オレンジ色の世界
8.きみとふたり
9.蝉しぐれ
10.レリビ☆
11.あの場所へ
12.恋のモンスター
13.∞YAKENN

〜アンコール
14.スタートライン
15.きみが好き
16.歌にのせて
17.rebirth