FRUITS ZIPPER［六本木アイドルフェスティバル2022ライブレポート］NEW KAWAIIをステージ上で解き放った六本木の夜FRUITS ZIPPER［六本木アイドルフェスティバル2022ライブレポート］

取材＆文：冬将軍
撮影：河邉有実莉

ロゴ入りのタオルを掲げて勇ましく登場した7人。この夏をさらに熱くするサマーチューン「ふれふるサマー」でライブはスタート。サンバのリズムに合わせてステージのメンバーが《熱くなれ》とタオルを振り回せば、オーディエンスも全力でタオルと腕を回して応える。1曲目ながら、あたかもフィナーレのような盛り上がりだ。

お次はキャッチーなメロが冴え渡る「完璧主義で☆」。鈴木まなかによるガーリー全開なナンバーを煌めきいっぱいに歌い踊る。櫻井優衣が満面のアイドルスマイルを見せれば、真中まなが茶目っ気たっぷりに愛想を振りまく。そんなキラキラとしたステージを展開する一方で、仲川瑠夏がミックスボイスで落ちサビを滑らかに歌い上げ、月足天音がしっかりと受け継いでキメていく。そうした緩急にFRUITS ZIPPERの確かな実力を感じる。

3.5ヵ国語を操るバイリンガル、早瀬ノエルによる流暢な発音のタイトルコールで始まった「RADIO GALAXY」。YUC'eの手掛けたエレクトロなダンスチューンだ。スペーシーでダンサブル、ゲームミュージックっぽくもあり、ダブステップ要素が差し込まれるなど、色とりどりのサウンドコラージュが次から次へと迫ってくる。そんな遊び心たっぷりの楽曲展開に合わせ目まぐるしく変化していく7人のパフォーマンスは、ハッピーな空気に満ち溢れていて、FRUITS ZIPPERの掲げる“NEW KAWAII”をひしと感じるステージだ。

《みんなでステージで1番かわいく輝けるように》

プロデューサー・木村ミサの言葉を鎮西寿々歌が丁寧に歌い上げる。メンバーの頭文字を組み合わせた造語タイトルの「skyfeelan」。各メンバーに寄り添った歌詞と過去の楽曲タイトルが散りばめられたFRUITS ZIPPERのアンセムというべき同曲は、ライブで歌われるたびに輝きを増し、楽曲強度が上がっていくように思えた。数週間前に行なわれたお披露目ライブの時よりも確実に7人の強さを大きく感じるのだ。

松本かれんのタイトルコールから、彼女を取り囲むように始まったラストナンバー「わたしの一番かわいいところ」。TikTokでの大きなバズがこの楽曲を広めたと同時に、グループのカラーを色濃く決定づけた。王道的、普遍的なものを感じさせながら新感覚でもある楽曲と振りで会場を大いに沸かせ、大団円を迎えた。

数日前に急遽出演が決まったFRUITS ZIPPER。おまけに当日は昼間に別のイベント出演ののちに駆けつけた。結成からまだ半年ほどしか経っていないとは思えぬ余裕と今後の可能性を存分に感じた、あっという間の25分だった。

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