PINK CRES.にIZ*ONE……J-POPとK-POP、トレンドは「サビがない⁉︎」｜「偶像音楽 斯斯然然」第3回PINK CRES.、IZ*ONE、アンジュルム……世界的なトレンドを取り入れたグループ考察

海外ポップカルチャーとJ-POPイズムの融合、EMPiRE

国内アイドルシーンに話を戻そう。世界のポップカルチャーの旬と日本独自のJ-POPイズムをウマい具合に混ぜ合わせているのが、WACK×avexの共同プロジェクト、EMPiREだ。WACKらしいエモーショナルさと、90年代に一時代を築いたエイベックスのアゲアゲJ-POPを融合させたニューウェーヴアイドル。ディスコ調のちょっと懐かしめのものから最先端のグリッチホップまで、サウンドのクロスオーバーっぷりが圧巻だ。サウンドプロデューサーはBiSやBiSHでお馴染みの松隈ケンタであるが、注目したいのは松隈率いるSCRAMBLESの女性クリエイター、oniの手掛ける楽曲である。

EMPiRE「FOR EXAMPLE ??」

2018年リリースのデビューアルバム『THE EMPiRE STRiKES START!!』のオープニングナンバー「FOR EXAMPLE??」のダンサブルなテクノビートから、フロアの士気を一気にブチ上げていくような楽曲展開は、これぞEDM流のドロップだ。それでいて、アイドルソングとしてのポップ性は損なわれていないという見事なまとめ方。今年2月リリースのシングル「ピアス」のコラージュ的なオーケストラトラックを手掛けているというが、カップリングの妖艶さ漂う「ERASER HEAD」のダークウェーヴなダンスチューンも面白い。