最近の若者はギターソロを飛ばすのか!? アイドルソングで考えるギターの存在意義|「偶像音楽 斯斯然然」第83回

最近の若者はギターソロを飛ばすのか!? アイドルソングで考えるギターの存在意義|「偶像音楽 斯斯然然」第83回

最近の若者はギターソロを飛ばすのか!? アイドルソングで考えるギターの存在意義|「偶像音楽 斯斯然然」第83回

先日SNS上で話題となっていた“最近の若者はギターソロが始まると、飛ばしてしまう”という問題。さまざまな意見が語られていたが、今回はこちらを契機に改めてアイドル楽曲の中でのギターの立ち位置について考えていく。

『偶像音楽 斯斯然然』
これはロックバンドの制作&マネジメントを長年経験してきた人間が、ロック視点でアイドルの音楽を好き勝手に語る、ロック好きによるロック好きのためのアイドル深読みコラム連載である(隔週土曜日更新)。

少し前にTwitterで話題になっていた“最近の若者はギターソロを飛ばす”問題。これは音楽史における永遠のテーマのようなもの。自己陶酔型のギターソロは万人受けとは程遠く、パンクロックはテクニック否定の要素が強いためにギターソロはないことが多い。80年代のメタルブームや速弾きブームの反動があり、メタルからギターソロを排除した形で生まれたグランジもそうである。日本ではミクスチャーロックブームもあったわけだが、あの当時多くのバンドが言っていた言葉は“ギターソロなんてダサくね” である。

ギタリストとバンドマンからも囁かれる“ギターソロ不要説”は音楽史の中で常々巻き起こる風潮である。もっといえば80年代のシンセブーム、90年代後半からのDJターンテーブルブーム、00年代からのEDMブームなどから“まだギターなんて弾いてるの?”みたいなところもあった。そのセリフ、どこかのバンドマンも言ってたっけ。“昨今のヒットチャートにはギターがいない”“ロックは死んだ”という時流は、いにしえより定期的にやってくるのである。

当コラムは“ロック好きのためのアイドルコラム”と銘打っているように、ロック中心のアイドル語りであり、バンドサウンドについての言及も多く、“ギターがカッコいいアイドルソング”企画も毎年やっているくらいなので、アイドルソングにおけるギターソロ、ギターの役割について考えてみたい。

ギターソロとギターヒーロー

そもそもギターソロはなんなのか。“オレの華麗なソロを聴け(見ろ)”“ボーカルを休ませるために必要”とか、さまざまな声もある。ブルースバンドの延々と続くジャムセッションやフュージョンのテクニカルなインストナンバーなんて、ギターや楽器に興味ない人以外興味ないだろ……なんて思いがちなのだが、そうとも限らない。3大ギタリストのジェフ・ベックは、ギターを弾いている人間の中でも聴く人を選びそうなバカテクギタリストで、おやじギター弾きが憧れるギターヒーローと思われがちだが、ライブに行くと意外や意外、明らかにギターは弾いていないであろう女性ファンが多い。もしかするとその辺のアイドルよりも女性客率が高いのである。日本人だとCharもそう。Charはアイドル歌手時代があったり、そもそもシンガーでもあるので単純比較はできないのだが、楽器を弾かない人から憧れられる“ギタリストヒーロー像”、“ギタープレイ”というものは確実に存在しているのである。

ただし、あくまでそれは“ギターが好き”という大前提がある場合なので、“歌モノ”の場合は少々事情が違う。J-POP以前、かつてのニューミュージック、歌謡曲、演歌に至るまでの歌モノポップスにおいては基本、生演奏が主流であった。歌モノには前奏、間奏、後奏があるのがセオリーでもあり、主メロ(歌)に追随する、引き立てるような旋律が存在し、それをギターが担当する場合が多かったのである。

次ページ

  • 1
  • トップページ
  • 連載
  • 最近の若者はギターソロを飛ばすのか!? アイドルソングで考えるギターの存在意義|「偶像音楽 斯斯然然」第83回