最近の若者はギターソロを飛ばすのか!? アイドルソングで考えるギターの存在意義｜「偶像音楽 斯斯然然」第83回

ギターはオワコンなのか

当コラムで何度か取り上げているが、BLACKPINKはライブにおいてはアフリカ系の凄腕プレイヤーを従えてのバンドスタイルでのライブを多く展開しているし、ダンスミュージックがバンドを駆逐したということは実際ない。ただ、バンドに相反するようなものが流行として持て囃されると、比較的保守的でもあるバンド側の人間が騒ぐので、そういう論争が起こりやすいというだけである。

BLACKPINK - '뚜두뚜두 (DDU-DU DDU-DU)' 2019 Coachella Live Performance

ただ、やはり流行り廃りはある。よく“時代が経っても色褪せない”とか“早すぎた”とか、そう言われる音楽は多いのだが、それはあくまで再評価のくり返しと、何よりもインターネットの普及により古いものがアーカイブされ、新旧のものが同列に並んでいるからである。90年代などは、半年経とうものなら“まだそんなの聴いてるの？”なんてよく言われたものだ。

現在のアイドルポップスは、そうしたなんでもありのアーカイブのようなものを現在進行形で昇華し続けている。往年のハードロックあり、プログレあり、もちろん最先端のサウンドを入れたポップミュージックもある。音楽表現は自由であるが、その中でもアイドルは比較的自由度が高く、それを受け入れる需要も大きいのである。だからこそ、変わったアプローチも多い。変なギターソロも、度肝を抜くようなギターソロもある。ちょっと古いこと、ダサいことをやっても、センス次第では斬新だと捉えられることは少なくないのである。何気なく聴き流している間奏や歌のバックに、新たな発見があるかもしれない。

菰口雄矢の変態的ギターが炸裂しまくる、でんぱ組.inc「衝動的S/K/S/D」（2021年）

ドラゴンフォースばりのパワーメタル具合いとシュレッドギターがすさまじい、NEO JAPONISM「NO FIGHT, NO DREAM」（2022年）