26時のマスカレイド［江嶋綾恵梨 生誕祭密着レポート］魅せるステージで証明したグループの大いなる成長と強さ「10月30日まではリーダーとして役目をしっかり全うしたい」＜26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨 生誕祭＞密着レポート

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【ライブレポート】
江嶋綾恵梨のアイドル観をどこまでも追求したステージ

場内が暗転し、SEが会場内に響き渡ると、メンバーが1人ずつゆっくりとステージに姿を現す。江嶋綾恵梨生誕祭の幕開けを飾ったのは、「トルマリン」。2021年9月にリリースしたデビュー5周年記念ミニアルバム『トルマリン』の表題曲で、江嶋が作詞を手がけた楽曲だ。メンバーは可憐に舞い踊りながら、流麗なメロディを表情豊かに歌唱。続く「エンジェルナンバー」では、哀愁感のあるメロディを美しく解き放った。「トルマリン」「エンジェルナンバー」は、数多くのニジマスナンバーの中でもメロディアスな楽曲に分類される。ライブ冒頭にアグレッシブな楽曲を配置して、アクセルをいきなり踏み込んでいくのではなく、“聴かせる楽曲”を組み込んできたところから、常にパフォーマンスを大切に考えている江嶋が、この生誕祭ではステージをしっかり魅せようとしている想いが自然と伝わってきた。

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ジャジーな香りもまとう「PUPPY BOY」は、ニジマスの“お姉さんチーム”の江嶋、吉井、森の3人でパフォーマンス。江嶋が振り付けたこの曲のダンスを、3人は大人な雰囲気を醸し出しながら巧みに見せた。

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MCでは、江嶋の誕生日をメンバーが祝福。彼女が衣装チェンジのため、一時ステージをあとにすると、来栖は“えじ（江嶋綾恵梨）は、作詞、振り付け、ギター、カメラ、お団子（の食レポ）、ヨガ、朗読、なんでもできる”と、彼女の多才ぶりを褒め称えた。続けて、観客が手にしていた江嶋が描かれたボードイラストのレベルの高さにも触れ、江嶋のファンも多才であると称賛した。

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衣装を着替えた江嶋が再登場すると、メンバー4人はステージを彼女にバトンタッチ。“今日は来てくれてありがとう。次は（自身のアイドル活動）10年を記念して、自分で作詞した曲です”と告げると、昨年の生誕祭で初披露したソロ曲「10年分のフォトグラフ」へ。移ろいゆく街を描いたイラストムービーがステージモニターに流れる中、心の情景を真っ直ぐに綴った歌詞を、江嶋はオーディエンスに向けて心を込めて届けた。

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メンバーがステージに戻ると、ウインターバラード「スノウメモリー」を披露。イントロでは江嶋と吉井による極上のハーモニーを聴かせると、独特な艶感のある森、感情の繊細な動きを見事に表現する来栖、純粋で可憐さのある中村と、5人の個性が表れた歌声とともに、抒情的なシーンをステージで描いていった。

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江嶋が再度衣装チェンジのため退席すると、2つの企画コーナーへ。1つ目は、「逆再生ダンス当てクイズ」。こちらは、ニジマスの楽曲を逆再生で踊っている江嶋の映像を観て、曲名を当てるというもの。2倍速かつ無音という設定も加わり、難易度がさらに上がったかのように思えたが、4人は見事に全問正解。

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続いては、「3曲同時再生での曲名当てクイズ」。その名のとおり、ニジマスの楽曲が3曲同時に再生される中で3つの曲名を当てるというもので、回答者には中村が指名された。来栖、森、吉井のアドバイスを参考にしつつ、こちらも見事に正解となった。

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バラエティ色のある内容で会場の笑いを誘った企画コーナーが終わると、花柄とベージュがポイントの生誕衣装に身を包んだ江嶋が登場。メンバーも絶賛する衣装に合わせて観客のサイリウムも赤に変わると、この日のために用意された江嶋のセンター曲「Bloom」をパフォーマンス。90年代的なオシャレ感のあるバンドサウンドが印象深いこの曲の振り付けは、ファンとの一体感を重視したいわゆる王道アイドル的なものではなく、ダンスボーカルユニットのような歌とダンスパフォーマンスを“魅せる”仕上がりに。これまで以上にニジマスのクールでソリッドな側面を強く打ち出した「Bloom」を5人は力強く歌いながらしなやかに舞い踊ることで、グループとしての進化を証明した。

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MCでは、「Bloom」を含むメンバーのセンター曲を集めた『26時のマスカレイド Memorial Songs』が、翌日（5月11日）から配信開始となることを告知。続けて、「Bloom」について“ニジマスの中で1番踊っている曲。本当にカッコいい”と語ると、会場に「ハッピーバースデー・トゥ・ユー」が流れ、ステージに誕生日ケーキとファン＆メンバーからのプレゼントが運び込まれる。ファンからの手紙を中村が読み上げ、それぞれのプレゼントを紹介すると、江嶋のメモリアル映像をステージモニターで上映。ニジマスでの活動を振り返りながら、彼女と親交が深いフォトグラファー・かわべあみりと元ラストアイドルの吉崎綾が映像内で祝福のコメントを寄せた……が、吉崎の“52歳おめでとう！“という謎の締めコメントに、江嶋が“なんで、52歳なの？”と思わずツッコミ。会場に大きな笑いが起きた。すると、同じく普段から深く親交し、個展も共催しているSilent Sirenのあいにゃんが大きな花束を持ってサプライズ登場。“お誕生日おめでとう。ニジマスの中ではリーダーをしていてすごいね”という祝福と称賛の言葉に、江嶋も喜色満面の表情を見せた。

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“26歳ということで、最初は歳を取ることが少し嫌だったんです。アイドルだし、若くいたいって思っていて。でも、今は歳を重ねることは素敵なことだと思えるようになってきました。ファンのみなさんにも、（解散までの）約半年の間に、これまで12年間やってきたことを最大限に見てもらえるかな、感謝の気持ちをお伝えできるかなって考えていて。10月30日までは、ニジマスのリーダーとして役目をしっかり全うしたいなって気持ちでいます。歌やダンスだったり、MCだったり、みんなとワチャワチャしたり、ファンの方とお話ししたりする時間を大事にして、この半年間過ごしていけたらいいなって思ってます。今回も素敵な生誕祭を用意していただいてありがとうございます”と、現在の心境と感謝の気持ちを伝えると、“ここからはけっこう私の好きな曲なので、みんなも好きだといいな”と語り、「二人だけの初めてをもっと」を届ける。5人が高らかに歌い上げたメロディの説得力の強さに思わず息を呑む。本編のラストには、現体制の始まりの曲「君は⻘のままで」をパフォーマンス。彼女たちの真骨頂と言える躍動感のあるステージングを展開すると、会場内の熱気は自然と高まっていた。

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観客の熱い拍手を受けて、5人は生誕イラストシャツを身にまとって再登場。アンコールの1曲目に選ばれたのは、江嶋がニジマスではじめて作詞を手がけた「七色のツボミ」。夢に向かって進んでいく決意の言葉たちを、メンバーは深い想いを乗せた歌声で紡いでいく。

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生誕祭グッズのうちわを紹介したMCを経て、＜江嶋綾恵梨 生誕祭＞のラストを飾ったのは「妄想シンドローム」。心地よい高揚感を覚えるサウンドに合わせて、フロアではサイリウムとうちわが大きく揺れ動き、江嶋はパフォーマンスで躍動しながらも、その景色のすべてを噛み締めるように見つめていた。

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江嶋綾恵梨にとって26時のマスカレイドのメンバーとしての最後の生誕祭は、彼女のアイドル人生をそのまま表したかのような、楽曲とパフォーマンスに徹底的にこだわり、笑顔と感謝の気持ちがあふれるものとなった。江嶋綾恵梨は、どこまでも江嶋綾恵梨らしくーー10月30日までの江嶋綾恵梨と26時のマスカレイドの物語をしっかり見届けいきたいと思わせてくれる、見事なまでにポジティブで光輝く夜であった。

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