アイドルかロックか ＼ヲタグルイ！／ 合間はノーサンキュー｜「偶像音楽 斯斯然然」第2回PassCode、BiSH、爆裂女子-BURSTGIRL-、xoxo(Kiss&Hug) Extreme、Buono!、ロック系アイドルを考える

うんちくを言いながら思いっ切り拳をあげてしまう爆裂女子-BURSTGIRL-

そうした中年おっさんたちの青春を今の若い女の子たちがなぞっていて、グッと来てしまうことも多い。たとえば、最強で最狂、セルフプロデュースパンクロックアイドル、爆裂女子-BURSTGIRL-の「ナンシー」。それこそ、シド・ヴィシャスと恋人のナンシー・スパンゲンのラブストーリー映画『シド・アンド・ナンシー』（1986年）をテーマにした曲である。“そういうのもういいよ、お腹いっぱいだよ”なんて思いつつも、ひとたび聴いてみれば、真っ直ぐでキラキラしたメロディにやられてしまう。“ジャー、ツツツツツツ……”なんていうギターの刻みに胸が高鳴り、からのピックスクラッチは、最近のバンドどころか青春パンクやメロコア勢もなかなかやらなかった80年代の8ビートだぞ！　なんて、訊かれてもいないうんちくを言いながら思いっ切り拳をあげてしまうのである。

爆裂女子-BURSTGIRL-「ナンシー」

後半からラストへの歌詞がなんとも胸を締め付けられるのだが、ライブで聴くとまた印象が変わる「ナンシー」