生田絵梨花［インタビュー］WOWOW開局30周年記念ドラマ『松尾スズキと30分の女優2』出演「自分の作品を観てこんなに笑うことになるとは思わなかった」

――今回、番組への出演オファーを受けた時の率直な感想は？

生田絵梨花：
以前出演した松尾さん演出の『キレイー神様と待ち合わせした女ー』は、自分の中で一生の想い出に残るぐらい大切で楽しかった作品なので、また松尾さんとご一緒できたらいいなってずっと思っていたんです。それが早い段階で叶ったのでとても嬉しかったです。それにこれまで、演出家の松尾さんとしての関わりだったので、今回は役者の松尾さんと一緒にお芝居させていただけるのが、とても楽しみでした。

――『キレイー神様と待ち合わせした女ー』での松尾さんの演出はどうでしたか？

生田絵梨花：
稽古場でムチャブリされた記憶があります（笑）。とあるシーンを急に“落語調にやってみてください”って言われて。その時に松尾さんが落語家の役を演じてらっしゃって（笑）。結局本番ではやらなかったんですけど。そういう風に稽古場でいろいろ試しながらやってみるというのがけっこう多かったですね。

――この頃、記憶に残っている松尾さんの言葉は？

生田絵梨花：
通し稽古が終わった時に“これは演劇ファンも驚いてくれるんじゃないか”っておっしゃっていただいて。私はそれまでミュージカルが多かったので、松尾さんからそう言っていただけたのはとても嬉しかったですね。

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――今回、台本を読んで率直な感想は？

生田絵梨花：
最初は本当によくわからなくて、現場行ってもよくわからなくて。でも出来上がりを観て、驚きました。“ああ、こういう世界が松尾さんには見えていたんだ！”と。私も自分の作品を観てこんなに笑うことになるとは思わなかったです。

――出演するにあたって、どのような準備をされましたか？

生田絵梨花：
1つ意識したのは、それぞれのコントのシチュエーションや役の年代感が違う設定だったので、例えば「音楽祭」（WOWOW輝け！音楽祭）のMCの時は、本物の司会者の方がどんな感じでしゃべってらっしゃるのか観たり聞いたりしてなんとなくインプットして。言ってることはハチャメチャだけど、やってることは通常のようにできるように意識しました。「絵梨花は俺の妹」だと、ちょっとアイドルっぽく、どっちかっていうと発声を高めにして、可愛らしい感じにできるようにやってみたり。逆に「猫は気にならない」は猫に気がいっちゃうけど、松尾さんを親に紹介するということはそれなりに年齢が高めなので少し落ち着いた感じを出そうとか。けっこう、真面目に準備しましたね（笑）。

――役柄について松尾さんに何か尋ねたりしましたか？

生田絵梨花：
そんなに深くは聞きませんでした。でもやってみて、もうちょっとこうっていうのがあったらその場で言っていただけました。あと、思ってもみなかったオーダーもいただきました（笑）。

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――どんなことを？

生田絵梨花：
「応援団」（親の前では、普通の子応援団）のところだと、私はみなさんと一緒に歌うはずだったんですけど、急遽、歌うんじゃなくて、奇声を発してほしいというオーダーをいただいて、わけもわからず叫んでみたり（笑）。あとは「網、破れて」という曲を歌う場面では、網戸を持たされながら歌ったり。

――今回は歌う場面が多かったんですね。

生田絵梨花：
歌詞で言ってることはおかしいですけど、衣装や照明、ステージも本格的で普段歌わせていただく時と同じスタンスで臨みました。

――コントで対峙したその松尾さんの印象は？

生田絵梨花：
すごかったですね。普段だったら疑問に思ってしまうことも、自然と松尾さんがその世界に引き込んでくれるような感覚で、改めてすごい方だなって思います。

――演出してる時の松尾さんと演じている時の松尾さんの印象は違いましたか？

生田絵梨花：
違いましたね。演出している松尾さんのイメージは表現が難しいんですけど……穏やかというか、とても冷静。たまに奇想天外な要求はされたりするんですけどすごく優しい。失敗しても面白がってくれるような雰囲気の人っていうイメージだったんですけど、役者さんとしての松尾さんは、いろんなものを自ら1番に脱ぎ捨ててやり切るみたいな迫力を感じました。もう本当に“静と動”くらい違う印象でした。

――撮り直しはありましたか？

生田絵梨花：
そんなになかったですね。松尾さんが本当に体力を消耗する役柄をたくさんやってらっしゃったので、何回もできない。私が1番それを感じたのは松尾さんが蚊になるんですけど、蚊の体力の消耗はすごかったように思えました（笑）。

――普通のドラマと今回のようなコントでは演じるにあたって違いはありましたか？

生田絵梨花：
我に返らなければ一緒だなって（笑）。シチュエーションと内容が変わっているだけで、もしかしたら同じなのかもしれないと思いました。

――出来上がったものを観た時の感想は？

生田絵梨花：
本当に元気が出ます（笑）。特に「応援団」のシーンは何回も観ました。自分の作品を何度も見返すことはあまりないのですが、なんか元気もらえるんですよ。だからみなさんにもちょっと疲れたなーとか、気分が晴れない時に観ていただけたら嬉しいです。

――最後に今回特にここを観てほしいという部分は？

生田絵梨花：
見どころがたくさんあります。中でもやっぱ耳ですかね？　「表彰式」の時に耳を特殊メイクしてるんです。私は“大きい耳”とか“立ってる耳”にすごく憧れがあったので、その夢が1つ叶ったところは注目して観ていただきたいですね（笑）。

ヘアメイク：paku☆chan（Three PEACE）
スタイリング：有本祐輔（7回の裏）
カメラマン：山本れお

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