マジカル・パンチライン［インタビュー］アイドルの輝きと幸福感をたっぷり詰め込んだ新体制初アルバム堂々完成！「“第二の第一印象”をしっかりとつかんでいきたい」

椎名林檎さんぽく歌ってみてと言われて、イメージが掴めました（宇佐美空来）

――新曲の話が出ましたが、今回の『キラハピ☆THE WORLD』は、いい意味でバラエティに富んだ作品になりましたね。1曲目から通して聴くとストーリー性もあります。

沖口：
今、1番言われて嬉しい言葉をいただきました！　今回私が曲順も決めさせてもらったんですけど、新体制になってから、曲をデジタルシングルで次々にリリースしたり、ライブで発表していたんですけど、この1年間のマジカル・パンチラインの流れに沿った曲順、かつ、1曲目から通して11曲目まで一気に聴いても、心地いいというか、収まりがすごくいいというか、耳馴染みがすごくいい、ライブでそのままやってもみんなの中にスッと入ってくるような、そういう曲順にしたいなと思って決めたので、そう言っていただけてすごく嬉しいです（笑）。

――アイドルポップスのよさが表れた作品だと思いました。実は、新体制になる直前にスタッフの方から“マジパンの新しい音楽性はテーマパークっぽい感じで”みたいな話も聞いていて、そういう先入観も持っていたんですけど、実際に聴いてみると、そういうイメージもありつつ、バンドサウンドっぽい曲もあったり、エモっぽい曲もあったりして、そこにストーリー性を感じました。

沖口：
それこそ新体制になってからの、このアルバムだけの曲でライブができるような曲を集めたくて。もちろん前体制の曲もやらせてもらうんですけど、この5人で、このアルバムの曲だけでワンマンをやってみたいなと。例えば対バンに出ると、やっぱり前までは「Melty Kiss」がどこかに入ったりしていたんですけど、どんなライブでもセットリストに組み込めるような新曲を作っていきたいというのも1つのテーマとしてあったので、朝のオープニングっぽい曲から、最後に来たら締まりがあるような曲、私がずっと“こういう曲が欲しいな”と思っていたような曲とか、いろいろなタイプの曲を作っていただきました。

――益田さんは、アイドル活動もアルバムを出すのも初めてだと思いますが、自分の歌が入っているアルバムができるってことについてどんな感想を持っていますか？

益田：
私、これまでアイドルを観てる側で、アルバムは買うものだったので、自分の声が入ったアルバムがリリースされるということが、本当に実感が持てなかったんですけど、この1年間を考えると、ホントにそれくらい頑張ったのかな、みたいな（笑）。とにかく、ありがたい気持ちでいっぱいです。

――レコーディングはどうでした？

益田：
初めてのレコーディングが「Shiny Shoes」と「キラハピ」だったんですけど、レコーディングって、（ライブとは違って聴き手に）表情も見えないから声だけで表現しなきゃいけなくて、私の声ってそんなに抑揚ないので（笑）、なんか“棒”っていうか……。

沖口：
確かに、最初のレコーディングでは“棒”っぽくなっちゃうところをどう頑張っていこうかっていうのがテーマだったんですけど、徐々に成長していきましたよね。

――歌っていて自分の中で成長したなって思った曲はありますか？

益田：
何だろう……。

沖口：
客観的に聴いていて“あ！”と思ったのは「渚のサーフライダー」ですね。この曲のレコーディング辺りから、“声、ちょっとブリッ子めにして”っていうオーダーをされるようになって、そういう風に歌ってみたら急に声に色がついて、珠希にしか出せないような、この5人の中に入っても“珠希だな”ってわかるような歌声が出せるようになってたと思います。この曲では、2サビ前の音が小さくなって、けっこう大事な《渚の王子さま？》というパートを珠希がやってるんですけど、けっこう難しいところをちゃんとできていたので、“すごいなー”って思いながら聴いてました。

――「渚のサーフライダー」の話が出ましたけど、MVでは宇佐美さんがウクレレを持って、かなりフィーチャーされてましたね。宇佐美さんはレコーディングしてみて、今回自分の中で“これは！”っていう曲はありますか？

宇佐美：
ほぼ全部印象に残ってるんですけど……いっぱいあるなぁ………………2曲ありまして、まず5曲目の「やみー」って曲。

（全員）
あああ！　はいはいはい！

宇佐美：
「やみー」は、デモを最初に聴いた時に、この曲歌えるかな？って思って。

――ちょっと大人っぽい、ジャジィな風味もある曲ですもんね。

沖口：
ちょっとボカロっぽい曲というか。

宇佐美：
声もそんなに高い方じゃないので、こんな高いところまで出るかな？とも思いましたし、こんな大人っぽく歌えるのかな？という不安があったんですけど、いざレコーディングスタジオに行ったら、スタッフさんがアーティストさんに喩えて“この人っぽく歌ってみて”って言ってくださったので、それでなんとなくイメージができて。

――誰っぽくって言われたんですか？

宇佐美：
椎名林檎さんっぽくって。

――ああ、確かに｡

宇佐美：
私も聴いたことがあったので。

――でも、14歳だと、椎名林檎さんって世代的にはまったくかすらないですよね。

沖口：
「丸の内サディスティック」聴いたことある？

宇佐美：
（小さい声で実際に歌い始めて）《I 罠 B wiθ U～》

――それは「ギブス」ですね。

宇佐美：
あ、そうです！　その曲だったり、東京事変さんの曲を音楽番組で観たりしていたので、なんとなくイメージはできて。最初は自分のまま、“宇佐美空来”として歌っていたんですけど（笑）、“思いっ切りカッコつけて歌ってみて”と言われ、もうちょっと振り切って歌えて、レコーディングが終わったあとに“カッコよかったよ”って言っていただきました。あとは「あいわなびー」ですね。この曲も難しくて、どんなふうに歌うかすごく悩んでいたんですけど、レコーディングの時に優奈ちゃんに“この曲のBメロの《先生！教えてください》ってところ、もうちょっと小学生っぽく歌って”って言ってもらって。レコーディングとなると1個フィルターが掛かっちゃって、ちょっとカッコつけちゃうというか、“ウマく歌わないと”と思っちゃって、なかなかいい自分を出せない時があるんですけど、その優奈ちゃんのひと言で、カッコつけるところはカッコつけて、幼いところは幼く歌うんだなって気づいたりして。その2曲が印象に残ってますね。

――沖口さん、めっちゃディレクションしてますね。

沖口：
そんなにはやってないんですけどね（笑）。「あいわなびー」は、思春期の男の子目線の恋愛ソングが欲しいって作ってもらった曲なんですけど、マジパンって声質が分かれてて、花奈と空来と優奈はどちらかと言うとガッツリ強めな声質、2人（吉澤と益田）は可愛らしい声質なので、恋愛の可愛らしいところは2人にお願いして、花奈は、歌い方の癖がこの曲にすごくハマっててよかったんですね。で、空来ちゃんでちょっとボーイッシュ感が出るといいなって思ったんですよ。唯一の中学生で思春期真っ只中なので、いつもの幼っぽい声で《アイワナビー！》が入ってたら、1つパンチになるんじゃないかなと思って、ディレクションしてみました（笑）。

（全員爆笑）

――めっちゃP（プロデューサー）じゃないですか！

沖口：
たまたまその日だけ、空来ちゃんにだけ言いました（笑）。

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