ラウドならずともエッジィ！ ロックな新進気鋭アイドル5選｜「偶像音楽 斯斯然然」第1回あえて“ラウドではないロック”で攻める、エッジィなバンドサウンドを轟かせる気鋭のアイドルグループを紹介

不気味で不穏なバキバキバキバキ系
―代代代―

代代代「ZZアリン」

最後はバンドサウンドではないが、ロック好きのアンテナに引っかかりやすいサウンドということで。関西発、アイドルのニュースタンダードを掲げる少女隊、代代代（だいだいだい）。そのグループ名と「ZZアリン」「ステーヴンモノリス」……などの楽曲タイトルといい、局地的なロックファンの心をくすぐる絶妙なセンスは、昭和的ゴス＋ジャパネスクを感じさせるアートワークにも表れており、総じてサウンドで炸裂している。

どこかいびつで不気味な狂気性をも孕んだ……、なんてアイドルに対する言葉ではないのだが、まさにそうなのである。デジタルパンク、ハードコアテクノ、インダストリアル、トランス、EBM…… そんなヤバめの音しかない。中にはアイドルらしいメロディのポップス？もあるにはあるのだが、不穏を掻き立てるような音の重ね方であったり、一筋縄ではいかないのも代代代らしいところだ。

しかしながら、妙に残るメロ、フレーズであったり、音であったりと、その中毒性の高さを前に、気がつけば深淵へと引き摺り込まれている。かのX JAPANのhideは、THE MAD CAPSULE MARKET’Sの大傑作『PARK』を“全然ポップじゃないのに必ずどこかがキャッチー”と大絶賛したわけだが、この言葉をお借りしてそのまま代代代への賞賛としたい次第である。

代代代「ハイパーメディアラブ（LIVE）」

こうしたマニアライクな音楽性を持ちながらも、プロデューサーの独りよがりにならず、メンバー本人たちの“個”を感じられるところが実に魅力的なのである。極悪バキバキバキバキサウンドに乗せて、歌い踊り愛嬌の暴力を振りかざしてくるライブも必見だ。