ラウドならずともエッジィ! ロックな新進気鋭アイドル5選|「偶像音楽 斯斯然然」第1回あえて“ラウドではないロック”で攻める、エッジィなバンドサウンドを轟かせる気鋭のアイドルグループを紹介

普遍性を感じるメロディ
―マリオネッ。―

マリオネッ。「Galaxy Dance Dance!」

正直、なにが“王道”でどれが“正統派”なのかわからなくなっているシーンの中で、小難しいことを考えなくとも心地よくスッと入ってくるのがマリオネッ。である。彼女たちが“正統派”だと言うつもりはないのだが、普遍性を感じる耳馴染みの良いメロディは、アイドルソングのみならず近年のJガールポップが忘れかけているものを思い出させてくれる、……そんな気がするのだ。

マリオネッ。「タリナイ!タリナイ!」

このグループの楽曲は大きく分けると、乾いたピアノが躍動しながら歌とバンドを鼓舞していく優雅なポップソングと、メタリックなエッジ感と有機的な暴れっぷりを持った技巧派ギターが攻めるロックテイスト、という対極する2つのタイプがあるのだが、総じて流麗なメロディや異様なまでにキャッチーなサビであったりと、グループの根幹にあるオリジナリティがきちんと落とし込まれているのである。昨年10月に始動ということで、楽曲数はまだ多くはないのだが、1つのグループで複数の作家曲が共存するアイドルにおいて、こうした楽曲に対する矜持は大事な部分である。

今回はテーマに沿った上記2曲を挙げたが、先日MVが公開された4月27日リリースの1stミニアルバム『片手分のファンタジー』の表題曲もこのグループの持つ気品が表れた曲である。

また、この年頃の女の子たちだからこその内面から溢れ出すハッピーオーラを振りまいた、わちゃわちゃ感が織りなすステージも実に楽しいのである。

次ページ

  • 4
  • トップページ
  • 連載
  • ラウドならずともエッジィ! ロックな新進気鋭アイドル5選|「偶像音楽 斯斯然然」第1回