ラウドならずともエッジィ! ロックな新進気鋭アイドル5選|「偶像音楽 斯斯然然」第1回あえて“ラウドではないロック”で攻める、エッジィなバンドサウンドを轟かせる気鋭のアイドルグループを紹介

ゴシックでレトロ
―始発待ちアンダーグラウンドー

始発待ちアンダーグラウンド「風街タイムトラベル」

こちらもUKロック好きの琴線に触れそうな音を持つグループ。まどろむような楽曲の空気感は一般的なアイドルポップスのそれとはまったく異なる印象であり、気怠くささめくようなヴォーカルもまた不思議な感覚に見舞われる。ドライな耳心地とクールで無機に徹するような歌とは相反して、輪郭の整ったリズムと独特のタイム感を持ったギターが空虚を衝くように楽曲を差配していく。

グループ名は“渋谷で終電を逃しちゃったから結成”由来とのことだが、ロンドンのオックスフォード・サーカスは渋谷駅前に倣ったスクランブル交差点に変更された。始発待ちアンダーグラウンドが漂わせるレトロな昭和歌謡ロックの雰囲気と、ゴシックな色香を嗅ぐわせながらダブやジャズ、インプロヴィゼーション的なアプローチ……ポストロックが内包する不思議な世界観は、まさにUKアンダーグラウンドでもある。

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