NEO JAPONISM 辰巳さやか[インタビュー前編]表現者としての13年の道程と誇り「私がNEO JAPONISMに還元できることは、ダンスであり、魅せること」

NEO JAPONISM 辰巳さやか[インタビュー前編]表現者としての13年の道程と誇り「私がNEO JAPONISMに還元できることは、ダンスであり、魅せること」

NEO JAPONISM 辰巳さやか[インタビュー前編]表現者としての13年の道程と誇り「私がNEO JAPONISMに還元できることは、ダンスであり、魅せること」NEO JAPONISM辰巳さやかインタビュー前編

“闘う”をコンセプトに活動する5人組ガールズグループNEO JAPONISM。圧倒的な高さを誇る音楽性と、決して揺るがない強固な意志が込められたパフォーマンスにより、現在のアイドルシーンの中で唯一無二の存在感を放っている。今回、そんなNEO JAPONISMの辰巳さやかのソロインタビューを実施。前編となる今回は、小学生から始めた芸能活動、NEO JAPONISM加入のいきさつ、メンバーとの関係性、コロナ禍での激闘について、じっくり語ってもらった。

辰巳さやか(NEO JAPONISM)
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辰巳さやか(NEO JAPONISM)

逆境に立ち向かっていった自分たちはよかった

——絶対に話さなさそうだけど、安心感があるという不思議な5人が集まった、新体制の始動から約3ヵ月で世の中はコロナ禍へ。思うような活動ができなくなってしまいました……。

辰巳:
お客さんがダイブしたりモッシュしたりという、私にとって、初めての経験が3ヵ月で終わってしまった。ライブができないことは私たちにとって大きなダメージだった。いくら練習をしても発表できない。「Call my name」のお披露目が2020年4月だったんですけど、それができなくなった……。“闘う”を掲げているのに、本人たちが折れてはダメだ、だけど、しんどい、という狭間にいて。配信ライブをしても配信の前にしんどくなっちゃたりもしたんです。

——そのダウナーな状態から、どうやって抜け出したのですか?

辰巳:
でもそれで、メンバーのことを知れたんですよね。この子もこういう想いをしてるんだということもわかったし、どうにかみんなをしっかり引き上げられないかとすごく悩みました。私はどちらかというと、ライブができなくなってダメだというより、もうダメだとなっているメンバーをこのままにしておくのが1番ダメだと思いました。だけど、それをわかった上で、むやみやたらに声をかけるのも意味がないし、逆効果だと思った。ちゃんとメンバーのことを知って、この子はこういう子だから今はこうした方がいいんだな、この子は元気に見えるけど本当は元気じゃないなとか、それぞれの人間的な部分を含めた気持ちをちゃんと感じ取れるように、常に周りを見られるようにしてましたね。自分もライブができなくて不安だったし、せっかくNEOで華々しくステージに立たせてもらったのに、“こんなはずじゃなかった……”と思ったんですけど、いつかコロナも終わりが来ると思ったから、そこに向けて、シーン全体が沈んでいる中でいかにNEOが頭1つ抜けていくか。それには、まずはこのメンバーがいないと始まらない。だからみんな1人ひとりに寄り添って、ウマくモチベーションを上げるということを私は1番考えました。

——頼れる姉さんだ……。その甲斐もあって、NEOはコロナ禍の活動で正解を出したグループだと思います。配信ライブにどこよりも早く取り組んだ、というコンテンツとしての施策もありますが、配信ライブならではの特性を活かして、“魅せる”ライブを徹底して体現していった。さらに、それを毎週行なうことでその成長過程をも武器としていった(配信ライブ<家ジャポニズム>は、当初毎週日曜15時から配信されていた)。そのことが現在のNEOが誇る圧倒的な強さになったと思うんです。

辰巳:
コロナの終わりはまだ見えてないけど、1番最初のピークを乗り越えた私たちとしては、そう言っていただけると、“勝ったな”と思います。そう言ってもらうために頑張ってきたので。

——変な言い方かもしれないですけど、コロナ禍があったからこそ、NEO JAPONISMというグループのアイデンティティは完成されたくらいに思っています。まさに“闘う”アイドル。歌もパフォーマンスも、コロナ禍の配信ライブでどんどんクオリティが上がっていった。そんなグループいないですよ。

辰巳:
今それを言っていただけることは、あの時の自分たちは間違ってなかったんだと改めて思います。ほかのグループさんとの差をつけられたという部分では、逆境に立ち向かっていった自分たちはよかったんだって。大変だったけど、最後に勝てればいいと思っていました。たとえつらくても、あとで笑えればいいなって。

——コロナ禍前のNEOは、お客さんが自由に楽しめるライブを展開していましたが、それが一切できなくなってしまった。配信ライブや声すらも出せないライブ、その状況に対し、“NEO JAPONISMのコレオグラファー・辰巳さやか”としては、どう考えていましたか?

辰巳:
あそこで私の気持ちは変わりましたね。声が出せない、ソーシャルディスタンスのライブ、そこで“みんな盛り上がっていこうね”と言ってしまうのは、すごい投げやりで無責任だと思うんです。お客さん的には“じゃ、何すればいいの?”ってなっちゃうから。声は出せないけど一体感を出すために何ができるのか。そこを考えた時に、“サビは絶対に全員で踊れる形にしたい”とか。だけど、ただ踊れてもお遊戯をやってるわけじゃないから、惹きつける、魅せつける部分も曲の中で絶対に作りたい。でもキメキメばかりだと、観ていて疲れちゃうから、ちょっとコメディ要素、寸劇とか、楽しい要素を入れようと。そうやって、1曲の中でもいろんな楽しみ方ができるようなものにしたい、という考えになったのがコロナ禍ですね。それが私の成長できた部分ですし、習得できたところです。周りと同じことをしていても意味がないなっていう。

——規制のある中でできること、オリジナリティの探求。誤解を恐れずに言えば、今のライブアイドルシーンを見ていると、みんなもうちょっとライバル的に競い合ってもいいのかなって思うんですよ。

辰巳:
この世界は入れ替わり、移り変わりが激しいということを痛感しています。ものすごく言い方が悪いんですけど“新メンバー入ったの?”“あれ? もう辞めたの?”“新しいグループできたの?”“え、もう解散するの!?”みたいな。そんな世界で、群を抜いたグループになるためには、強みを1つだけでなく、何個も持っていかなきゃいけない。私がNEO JAPONISMというグループに還元できることは、ダンスであり、魅せることだった。ダンサーになるわけではないけど、それくらいの気持ちでいきたくて、どんどんダンスのレベルを上げさせてもらったり、ライブの曲繋ぎを凝ってみたり。結果的にそれがよかったなって。自分にとってもそうだし、みなさんからもそう言っていただくことが多いので、そこはもっともっとレベルアップしていかなきゃいけないと思う。ここからNEOが上に行くための大きな武器として。

——それこそ今は、サビはみんなで踊れるような振りの曲が多いですが、1曲通して高度な振りも見てみたいです。

辰巳:
みんな絶対踊れないような(笑)。世界で活躍しているアーティストを見るとみんなそうですよね。できるように頑張ります。“NEOのダンスが好き”と言ってくださる方も多くて、それで繋ぎのダンスパートを増やしたりもするんですけど、そこまで求めてくださるのは嬉しいです。みんなで楽しめればいいやと思っているグループも多いので。だからこそ、これからもNEOは突き抜けていけるように頑張っていかなきゃと思います。

【インフォメーション】

NEO JAPONISM全国ツアー<威風闘々>ファイナル公演
日程:2022年2月19日(土)
会場:東京・Spotify O-EAST

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