B.O.L.T、夜光性アミューズ、美味しい曖昧……2022年に注目したいアイドルグループ6選｜「偶像音楽 斯斯然然」第75回

美味しい曖昧　ひねくれたポップとすっぽ抜けたリズムの合わせ業

美味しい曖昧も「ギターがカッコいいアイドルソング」で、2年連続取り上げてきたグループ。ポップスのセオリーとは一味違った、ひねくれたようなポップ性と、すっぽ抜けたリズムの隙間を活かした絶妙なタイム感を持ったギターに惹かれた。

美味しい曖昧『サプリメ』Music Video

当初は「角砂糖とセイロン」という、このグループのつかみどころのなさを表した楽曲に惹かれたのだが、昨年2021年6月に新体制となってから固まりつつあるグループとしての面白さは無限大。

11月にリリースされた『曖昧なアルバム1』は次から次へと一筋縄ではいかないポップスのオンパレード。トモ藤田を彷彿とさせる絶妙なタイム感を持ったギターとピアノの絡み、カラフルなボーカルが楽しい「サプリメ」を筆頭に、ファンク、AORからヒップホップまで抱え込んだギターロック。近年スタンダードとなったボカロロック、DTMロックとは異なる洋楽ライクなサウンドプロダクトは、さすが桜えび〜ず楽曲で注目を浴びたサウンドプロデューサー、ピオーネの業。加えて時折垣間見えるV-ROCK風味は気のせいではなく、シドやユナイトを手掛ける杉原亮と、NEO JAPONISMのサウンドプロデューサー、Sayaが制作に関わっているということで納得。

美味しい曖昧『角砂糖とセイロン』at 新宿MARZ 2021.06.04

メンバーの誰かが突発して目立っているわけでないからこそのアイドルらしいわちゃわちゃ感。王道J-POPではないけど、親しみやすさとひねくれ具合いが共存する絶妙な聴き心地は、この5人だからこそ成し得たものだろう。