【ライブレポート】uijin、夢と現実が交錯した先の決意「僕たちはこれからもっと強くなってちゃんと上に行きます」
【ライブレポート】uijin、夢と現実が交錯した先の決意「僕たちはこれからもっと強くなってちゃんと上に行きます」uijin<dream for a living>ライブレポート
uijinが、2019年3月21日に恵比寿LIQUIDROOMにて、ワンマンライブ<dream for a living>を開催した。昨年秋に東京・渋谷CLUB QUATTRO、大阪・梅田CLUB QUATTROで行ったワンマンライブを見事にソールドアウトさせた以降も数々の対バンや自主イベントでステージを重ねて、グループとしての武器を磨いてきたuijin。3月12日にはニューシングル「transit」をリリースし、勢いに乗った状態で臨んだこの日の恵比寿LIQUIDROOMでは、大きな熱狂を生みながらも、逆境にも直面することになった。数々のドラマが生まれたこのLIQUIDROOM公演の模様をお届けしたい。
ここに来たことをこの時間を絶対に無駄にするようなことはしないから、もっと全力でぶつかって来てよ
やよいは、6月20日に渋谷O-WESTにてやよい生誕祭<uijin d.o.b vol.2 # マジカル☆ぉゃょぃカーニバル>を開催することを告知すると、“ここからは後半戦です! もっと全力で行けますか、LIQUID! もっとパリピになれますか? パリピのみんななら、もっと行けるはずですよ。今夜は一番楽しいパーティにしようぜ!”と煽り、uijin最強のパーティソング「ppp」を投下。冒頭からフロアには熱狂が生まれ、ミラーボールからたくさんの光が降り注いだサビでは、理性のリミッターが外れたかのように観客たちは“パリピ”と化して踊り狂っていた。ステージにもフロアにもたくさんの笑顔が咲き乱れると、アウトロ前のブレイクで、ありぃが“最高のパーティだな、LIQUID!”とシャウト。
4人がアグレッシブなパフォーマンスで魅せた高速ナンバー「so main」を経て、“今日はuijinが一番最高だって証明する日だー! ここに来たことをこの時間を絶対に無駄にするようなことはしないから、もっと全力でぶつかって来てよ。そして、この瞬間をその目に焼き付けていってよ!”とやよいが声を上げると「witness」へ。縦ノリ系のラウドなバンドサウンドをバックに、攻撃的なラップで魅せていくメンバー。「meltdown」では、ステージから再び激しいレーザーが放たれ、熱狂の最高点はさらに更新されていく。メンバーのパフォーマンスも熱を増していき、中盤ではありぃが魂を込めたシャウトを轟かせた。ライブでのありぃの感情が溢れた叫びは、聴き手の心をガシっと掴んで離さない力を持っている。4つ打ち系のダンサブルなナンバー「jackpot」では、ひとちびを中心に勢いのあるラップで躍動感のあるステージングを展開した。
アグレッシブなナンバーで攻め立てたセクションが終わると、ありぃが口を開く。“LIQUIDROOMに立たせてもらって、歌わせてもらって、踊らせてもらって、君たちが笑ってくれるこの時間が本当に幸せなんだよ、ありがとう! LIQUIDROOMでワンマンなんて夢みたいな話だなって思っているんですよ。このワンマンのタイトルは<dream for a living>……“生きる糧として夢を見るんだ”っていう意味です。夢を見ていないと生きられない僕たちには、お似合いの言葉だなって思っています。夢を見ないと、つまんなくて生きていけないって思っているんだけど、夢を見続けることも本当に難しいんだよ。夢を見ていても、楽しいことばっかりで生きていけないじゃん。この中にもそう思って生きている人がいるかもしれないけど、夢を見続けることは本当に簡単なことじゃないって知っています。だからこそ、uijinとして夢を見続けてきて、その中で君たちと出会うことができて、LIQUIDROOMでこんなに最高の時間を作れている、今この瞬間を僕たちは人生の誇りだと思っています”と胸の内を語ると、温かい拍手が起きる。“uijinの人生の誇りとなった今日という日を一緒に過ごしてくれて、本当にありがとうございます! すげえいい夢を見ているなって思うんだけど、僕らの夢はまだ続くんですよ。夢を見続けるために、僕らはもがいて、進んで、もっと強くなります。そのために、僕たちuijinが初めて4人全員で1つの曲に言葉を乗せた曲を、今から君に向けて歌います。僕らはいつだって、歩んでいく道に後悔を残さないように……いつだって僕たちの夢や想いを吠えるように歌い続けます。このLIQUIDROOMから、また、僕らの物語を進めていくんだよ“という力強い宣言から披露されたのは新曲「howling」。uijinらしい疾走感がありながらも、ヘヴィリフセクションなどを盛り込みリズムが細かく展開していく、アイドルファンのみならず、ラウドロック好きの心にも深く刺さる広い射程を持つ楽曲だ。
ライブ本編は、フィナーレに向けてアクセル全開で加速していく。「セツナメモリアル」「sevenswll」とライブでのキラーチューンを連投すると、フロアの海を泳ぐ者や高みを目指す者が次々と現れた。「gold」のイントロでは、ひとちびが“君たちの人生、これからも私たちと一緒に輝き続けようぜー!”と煽ると、観客から熱いレスポンスがステージに送られる。可愛らしい表情や仕草などアイドル然とした面を持ちながら、ライブではロックバンドのフロントマンのような堂々とした佇まいで、観客を鼓舞していく姿もまたuijinを語る上で忘れてはいけないところだ。また、この日のライブを観ていて、これまでメンバーチェンジをすることなく活動を続けてきたこの4人だからこそ生み出せる一体感の強さとステージングの構築美を改めて感じることができた。
自身が作詞をした「gold」を歌い終わると、ひとちびがMCを担当。“「gold」って曲の歌詞にもあるんやけど、こうして4人が出会うことができて、今日まで変わらず活動を続けることができて、そしてここにいるみんなが出会ってくれたのは必然とかじゃなくて、本当に奇跡なんだなって思います。私はuijinのことがめちゃくちゃ大好きです!”と語ると、フロアからは“オレもー!”の声が。“みんなと巡り会えた奇跡。そして、これからももっとたくさんのいろんな奇跡を起こしていけることを信じて、この4人でたくさんの人に幸せを届け続けます”
本編最後に届けられたのは、「コトノハエモーション」。メンバーは、指の先端にまで自分たちの強い想いを込めるかのように情感豊かに舞い踊る。彼女たちが放つ言葉の1つひとつが聴き手の心に深く響き渡り、エモの嵐が会場を揺らしていた。最後にはステージ後方に設置された6台のモニターに、この曲の歌詞がめまぐるしく現れ、美しく輝くシーンを描き切って、メンバーはステージを後にした。
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