櫻坂、でんぱ組、#ババババンビ… Pop’n’Roll編集長と語る「ギターがカッコいいアイドルソング2021」20選[後編]|「偶像音楽 斯斯然然」第73回

櫻坂、でんぱ組、#ババババンビ… Pop’n’Roll編集長と語る「ギターがカッコいいアイドルソング2021」20選[後編]|「偶像音楽 斯斯然然」第73回

櫻坂、でんぱ組、#ババババンビ… Pop’n’Roll編集長と語る「ギターがカッコいいアイドルソング2021」20選[後編]|「偶像音楽 斯斯然然」第73回

2021年1発目の当コラムのテーマは、「ギターがカッコいいアイドルソング2021」。昨日の前編に引き続き、後編となる本日は、ロック&ポップス系グループを紹介。冬将軍とPop’n’Roll編集長・鈴木の心の琴線に触れた楽曲のサウンドやフレーズについて、2人がさまざまな視点からたっぷり語り尽くす。

Ringwanderung「River」(冬将軍セレクト)

冬将軍:
2021年に知名度、人気ともにかなり伸びたグループ、Ringwanderung。コラムでも何度も触れてる大好きなグループなんですが、この曲のギターは、リズムに合わせてものすごくタイトなのがめちゃくちゃカッコよくて。リンワンって土台にあるのは鍵盤ロックですけど、その鍵盤的なフレージングをそのままギターに置き換えてる感じ。カッティングのキレがありつつ、すごく平面的なギターなんですよね。

鈴木:
この企画で、何度も話していますが、こういうフレーズって、ちゃんと両手でミュートができないと、このノリを出せないんですよね。もちろんピッキングストロークの切れも必要ですけど、ちょっとでもミュートが甘くなると、一気にカッコ悪くなる。だから、速弾きとは違うベクトルで技巧的なプレイって言えます。

冬将軍:
このギターのアプローチにしても、音楽的に攻めてるんだけど、グループのカラーでもある品格を保ってる姿勢がたまらなくカッコいいんですよね。変に手広くやりすぎないというか。そこも支持されてるところだと思うんです。今のライブアイドルシーンって、運営さん含めて横並び感もあって。こないだとある運営さんとも話したんですけど、“新しいグループは増えてるけど、新しい運営って出てきてないですよね”って。その中でリンワンは新興勢力として、シーンのフックになってると思うんですよ。

鈴木:
どんなシーンでも新しい血が入ることが大事だし、そこでまた活性化されて、新しいエンタテインメントが生まれますよね。

冬将軍:
そういう意味で2021年、新興勢力としてシーンの台風の目になったのが、#ババババンビ。2021年3月に7人編成になって、そこからの勢いがすさまじい。

#ババババンビ「Clover」(鈴木セレクト)

冬将軍:
#ババババンビは2人で別々の曲を選んでます。まずは鈴木さんの「Clover」から。

鈴木:
この曲、僕が好きなガールズロック感があって、あとサビ。初めて聴いた時に、“なんでこのサビが来るんだろう?”っていう唐突な感じがしたんですよ。そこにちょっとびっくりしたんですよね。

冬将軍:
あー、この転調したようなサビか!

鈴木:
そうそう。前編で話したビーイング感じゃないですけど、これは僕の中でZONEを感じたんですよね。ZONEのロックサウンドやエモーショナルな部分というか。以前、ZONEのバンドスコアを作ったこともあって、懐かしいなと思うところもあったり。

#ババババンビ「青春ギルティ」(冬将軍セレクト)

冬将軍:
私は「青春ギルティ」を選びまして。この曲の魅力は以前コラムでも語りましたけど、とにかくドラムがすごくて、そこを軸とするアンサンブルアレンジがタイトでめちゃめちゃ計算されてるんですよ。バックビートを効かせたイントロからのAメロでストレートに攻めて、Bメロで抑えてサビへという隙のない流れ。そして、間奏のギターとドラムの関係性はこの曲のハイライト(2:40〜)で。そこからCメロ〜落ちサビ、でブレイクのキメからのラストサビ! この展開がスリリングでたまらんっ!

冬将軍:
「Clover」とは対極にあるガールズロック感ですね。「Clover」がZONEなら、「青春ギルティ」はBuono!。

鈴木:
確かに!(笑) とにもかくにもバンビは曲がいいですよね。

冬将軍:
ギターのアプローチはちょっと西川進さんっぽいし(笑)。ゼロイチファミリアってグラビアのイメージが強いし、最初は“ゼロイチのアイドル!?”ってことで、ちょっと様子見されていたところがあると思うんです。正直自分もそう見てたし。でも、ものすごく真摯にアイドルに取り組んでるグループだなとわかってきて。#2i2もそうなんですけど、有能なA&Rディレクターがいるのでしょう。音楽制作チームがかなり優秀だなと感じます。アイドルポップスというものをものすごく研究していて、かなり丁寧に作られてる。

鈴木:
あとこれは直接関係ないんですけど、2021年に自分が撮ったライブ写真で1番よかったのは、<超NATSUZOME2021>のバンビなんですよね。

冬将軍:
あの悪天候で会場が泥沼となりアトラクションと化し、『SASUKE』『風雲たけし城』と言われた幕張の……(笑)。

鈴木:
あの雨の中で、ステージもぐちゃぐちゃだし、こっちもぐちゃぐちゃだしの状態で。だからこそ生まれたやけくそ……いや、鬼気迫るような写真が撮れたんですよ。水湊みおさんと岸みゆさんのカットが、2021年のマイベストショットじゃないかと思ってます。

冬将軍:
あの時のバンビよかったもんなー。雨が似合うグループではないはずなのに、すごくロックだった。「ばばばばんびずむ~!」でヲタクのみなさんが振りコピで一斉に横移動して、警備の人に注意されるところまで(笑)。あの場すべての光景がロックだった。でもバンビって本来はそうやって、ヲタクとバカ騒ぎしていくグループのはずだったと思うんです。だけど、デビューから思いっきりコロナ禍と被ってしまい……。でも、2021年でものすごく伸びたグループだし、今1番勢いのあるグループといっても過言ではない。

鈴木:
そこは、プロモーションの妙もあるけど、やっぱり曲がいいからでしょうね。コロナで音楽の作り方は変わりましたよね。それこそINUWASIがああいうアルバムになったのって、やっぱりその影響もあるのかなって。

冬将軍:
そうですね。そこはコラムでもよく触れてるところではあるけど、ヲタクと一緒に作っていくライブではなく“魅せつける”ライブになった。それが楽曲にしっかり表れるようになった。そこはよいことだと思ってます。

鈴木:
楽曲のクオリティが上がるのは、アイドルを音楽シーンのいちジャンルとして考える上では、とてもよいことだと思います。

冬将軍:
こないだとあるアイドル運営さんと話してたんですけど、ここ1年くらいで、ものすごく女性のお客さんが増えたと。ただ、それはモッシュやダイブができない状況があるからなのかな、とも。これでもしコロナが終わって、そういうことが解禁されたら、増えた女性客は離れちゃうのかなって。お客さんが何を求めてライブに来るのかという、難しい問題ですね。

鈴木:
冬将軍さんって、いわゆる“ミックス”には否定的じゃないですか。でも、コロナ禍に加入したメンバーやグループはミックスを体感したことがないから、かわいそうって話を聞くこともあって、いろいろ考えさせられますね。

冬将軍:
自分はアイドルの入り口がハロー!プロジェクトなので。ハロー!は暗黙の了解でミックスをやらないんですよね。合いの手を入れるコールはありだけど、演者の歌を邪魔するミックスはダメっていう。自分はミックスを否定してるわけじゃなくて、面白いのもあるし。ただ、ステージでアイドルが歌ってるのに、フロアではヲタクがお構いなしにずーっとミックス入れ続けてるやつあるじゃないですか、個人的にはあれが苦手。“歌を聴けっ!”て思っちゃう。自分は昔からライブで騒ぐタイプではないので、今のソーシャルディスタンス下のライブ状況に、わりと居心地のよさを感じております(笑)。ちゃんとライブが観れて、歌が聴ける。

鈴木:
確かに、そこはコロナ禍になってよかったことの1つですね。

冬将軍:
でもそれこそ、こないだバンビの岸みゆさんにインタビューした時に、“声出してるライブを体験したことないからコールされたい”という話をしていて。されたい演者側の気持ちはもちろんわかるし。それと同時に、そもそもこういう状況になって、だいぶ経つんだなと改めて思ったんです。だから、演者側もそうなら観る側も同じで。コールがないライブを体験したことがないヲタクも今現場には多くいるんじゃないのかって。さっきの女性客の話じゃないけど、この状況だからライブに行ってみようかな、前で観てみようかな、という人も多いと思う。そう考えると、やっぱり何を求めてライブに来るのかっていうことは、いろいろ考えますね。この前、怒髪天を取材した時に増子(直純)さんが言ってたけど、“この状況で何ができるのかみんなで考えていくのは大変だけど、同時に楽しみでもある”って。まさにその通りだと思います。

鈴木:
ギターの話とはだいぶかけ離れた真面目な話になりましたけど……(笑)。2021年のアイドルシーンを振り返るという意味で、最後はいい感じの締めになったんじゃないでしょうか。

セレクト曲(紹介順)

▼冬将軍セレクト
◉鈴木セレクト

[前編]
▼PassCode「Freely」
▼EIMIE「FAKE」
◉誰もシラナイ。「ESCAPE」
◉AIBECK「Show Case」
◉ぜんぶ君のせいだ。「Pistil」
◉Malcolm Mask Mclaren「君と」
▼On the treat Super Season「SUSHILOVE」
◉QUEENS「Shooting Star」
▼NEO JAPONISM「triger」
▼美味しい曖昧「圧倒」

[後編]
◉XOXO EXTREME「Ride a Tiger~虎とアリス~」
◉INUWASI「Hello Anonymous」
▼カイジューバイミー「無人島カルテット」
◉THE ORCHESTRA TOKYO「RIOT PARTY」
◉situasion「1988」
▼櫻坂46「流れ弾」
▼でんぱ組.inc「衝動的S/K/S/D」
▼Ringwanderung「River」
◉#ババババンビ「Clover」
▼#ババババンビ「青春ギルティ」

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