櫻坂、でんぱ組、#ババババンビ… Pop’n’Roll編集長と語る「ギターがカッコいいアイドルソング2021」20選［後編］｜「偶像音楽 斯斯然然」第73回

カイジューバイミー「無人島カルテット」（冬将軍セレクト）

冬将軍：
これはとにかくバンド感。アイドルのロックって、どうしてもDTMロックっていう感じが否めないわけだけど、そんな中で、スタジオで“せーの”で録ってるような空気感がたまらんなって。グレコのSGをマーシャルに突っ込んだようなギターが最高。ギブソンじゃなくて、PRSなんてもってのほかで、国産ギターのイメージ。マーシャルもJCM2000じゃダメですよ、900でもない、やっぱり800！みたいな。

鈴木：
そのマーシャルの例え、わかりやすい！（笑）　このクランチサウンドは、JCM800感ある。よく聴くと、サビのバッキング、面白いですね。けっこう細かいフレーズ弾いているな。

冬将軍：
タッピングっぽいのとか入ってますよね。このグループは“曲”じゃなくて、“歌”って感じがするんですよ。スタンド・バイ・菜月さんの“声が泣いている”感じ、たまらんし。サウンドもボーカルも歌詞も、The ピーズとか、フラワーカンパニーズとか、あの界隈のバンドが持っている日本語ロックの素晴らしさを思い出しますね。青春パンクバンドの太陽族が制作に関わっていたりするグループなので、年齢層高めの運営さんだと勝手に思っていたんですが、プロデューサーのメルクマール祐さんのお写真を見たら、すごく若い方でびっくりしました。

THE ORCHESTRA TOKYO「RIOT PARTY」（鈴木セレクト）

鈴木：
これは曲ですよ、とにかく曲がいい。

冬将軍：
いいですね、オケトーはこの曲が好きだな。

鈴木：
イントロのフレーズとバッキングのクランチ、あとドラムがカッコいい。

冬将軍：
バッキングの弾きすぎてない感じがいいですよね。ドラムはダブルキックの入れ方がカッコいい。

鈴木：
このドラムのタイト感は気持ちいいですね。

situasion「1988」（鈴木セレクト）

鈴木：
最近出たEP（『I would prefer not to』）の表題曲と悩んだんですけど、ギターで選ぶとしたらこっちかなと。

冬将軍：
「I would prefer not to」の轟音シューゲイズ具合いもいいですよね。situasion（シチュアシオン）は、オルタナギターロック好きに支持されてるグループですね。この曲は自分も選ぼうか迷いました。カッティングがカッコいい。

鈴木：
このカッティングの切れ味は、心地いいですね。

冬将軍：
ファンクとギターロックの間を行き来してる感じ。ブリティッシュな香りがする邦ロックというか、サビの開放感、煌びやかなアレンジはボカロロックっぽさもあってすごくキャッチー。この曲を書いてる磯野涼さんって、夜行性アミューズの曲も書いてるんですよね。今回はギターだから選んでませんけど、夜行性アミューズは最近自分の中でじわじわ来てるグループです。