CYNHNに#2i2、Kolokol、Ringwanderungからおすしハードコアまで この夏グッときた音|「偶像音楽 斯斯然然」第63回

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CYNHNに#2i2、Kolokol、Ringwanderungからおすしハードコアまで この夏グッときた音|「偶像音楽 斯斯然然」第63回

今回は、この夏、冬将軍の心の琴線に触れた楽曲やグループをピックアップ。高い音楽性や表現力豊かなパフォーマンスを放つ、今チェックしてほしいアイドルたちの魅力を掘り下げていく。

On the treat Super Season 言葉の意味はわからんがとにかく最高だった“おすしハードコア”

この夏、デビューしたアイドルの中で一際印象に残ったのは、“おすしハードコア”という、どこをどう突っ込んでいいのかわからない不条理パワーワードを掲げたOn the treat Super Season。ありぃ(ex.uijin)プロデュースによるグループである。

katz 公式Twitterより

名刺代わりに投下されたEP『OSS : first flash paranoia』。当コラムでもすっかりお馴染み、アンスリュームのサウンドプロデューサー、奇才・katzの“既存曲やメンバーも知らずに「#おすしハードコア」とかいう謎ワードだけ聞かされて作曲しました”という、心強いツイートが表すかのようにとんでもないEPだった。

On the treat Super Season 公式Twitterより

ド派手なデジタルシーケンスと畳みかけるラップ調ボーカルがカオスティックにぶちかましてくるRYO-P曲「shake it now!!!!!!!」。バババッとスライスするギターと足癖の悪いドラムのピコピコメタルコア「SuperShow」。間奏のビートダウンもそこから明けてブレイクダウンも最高にキマっている。「heartbeat」の湿ったデジタル空気感に現在の海外ポップミュージックのトレンドを感じ、“おや?”と思っていたら、やはりそんな空気を読まずに容赦なく襲ってくるディストーションの波。不意に入ってくるサックスがエロくてズルい。ストレートながらもウマく緩急をつけるハードナンバー「brand new days」も、ちょっとナメたラップパート含めてテンションがぶち上がる。

On the treat Super Season 公式Twitterより

そしてなんといっても「SUSHILOVE」である。極悪ヘヴィなギターと、祝砲のごとく乱打されるキックはまさにkatz節。スネアではなく、キックでリズムの符割りを作っていくのはさすがの妙技。《おすしがたべたい!》のキック、なんだあれ……。8弦ギターとおぼしきLow-Fの音程感保つサウンドメイクも素晴らしく、個人的にはフィルっぽく入るベースのようなクリーンギターがツボ。Static-XやSystem Of A Downあたりのモダンヘヴィ好きが喜びそうな極悪変態ギターが最高だ。そんな極悪サウンドとは裏腹に萌えラップ的なボーカルが秀逸で、サビのキャッチー性には驚愕した。

最後は上田剛士ファンが喜んでダイブしそうなスピード感とグルーヴが交差していく「RUN」。

『OSS : first flash paranoia』

うん、聴き手に一切の隙を与えないキラーチューン揃いの素晴らしいEPだった。まだメンバーがどうのというほどライブを観ることはできていないのだが、相当面白くなりそうなグループである。

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