CYNHNに#2i2、Kolokol、Ringwanderungからおすしハードコアまで この夏グッときた音|「偶像音楽 斯斯然然」第63回

CYNHNに#2i2、Kolokol、Ringwanderungからおすしハードコアまで この夏グッときた音|「偶像音楽 斯斯然然」第63回

CYNHNに#2i2、Kolokol、Ringwanderungからおすしハードコアまで この夏グッときた音|「偶像音楽 斯斯然然」第63回

今回は、この夏、冬将軍の心の琴線に触れた楽曲やグループをピックアップ。高い音楽性や表現力豊かなパフォーマンスを放つ、今チェックしてほしいアイドルたちの魅力を掘り下げていく。

Kolokol 4様の世界観を演出

独自の御伽噺世界を展開するKolokolは、7月24日にシングル4曲をリリース。4曲入りEPではなく、それぞれの楽曲の世界観を表すジャケットアートを含めて別々にリリースするこだわりよう。

Kolokol「Miss Shooting Star」

「Miss Shooting Star」はすでにMVが公開されていたお馴染みの楽曲であるが、流れるようなメロディと東欧民謡のようなリズムが印象的。ストリングスもバイオリンではなく、フィドルのような入れ方をしているので、そうしたフォルクローレ風味を増長させている。

Kolokol「カーニバル」

「カーニバル」はタイトル通りの楽しい祝祭感溢れる曲。連想されるのはやはりちょっと古い中世時代の欧州か。それも西ではなく、やはり東欧ライク。

Kolokol「BRAVADO」

こちらは佳凪きのの歌い出しにすべてを持っていかれるアッパーなチューン。タイトル通り(「BRAVADO」=虚勢)強さを感じさせつつも、内面の弱さをも醸していく。アニメのような世界を思い浮かべるも、この手の楽曲でよくあるような音符を大きく取った歌い上げではないところで、歌唱力の高さを見せつけてくる。聴けば聴くほど難易度の高いメロディだ。サビ終わりの《あなたは一人で生きていけないから》のフレーズのすごさよ。

Kolokol「Hello」

破壊からの創造という趣。パッと聴けば爽快に聴こえるこのエレクトロサウンドも、歌詞を通じると無機質な世界にも聴こえてくるから不思議だ。

Kolokolの世界観はその楽曲と詞、そして4人の歌声が創り上げているわけだが、先日ステージを観てふと気づいたのだが、そのパフォーマンスも世界観に大きく貢献していると改めて感じた。体躯の動かし方がものすごく女性的なのである。アイドルのステージといえば、激しい楽曲などは男女差のない激しい振りであったり、反対に女の子らしく可愛さを全面に押し出していく場合もあるが、Kolokolの4人は、女性的なごく自然なしなやかさを持ち合わせながら優雅に舞っているのだ。その様がどこか妖精的でもあり、Kolokolの非日常的なものを醸し出す御伽噺、優々たる世界の大きな要素であると感じたのだ。

長々とKolokolについて書いてきたが、楽曲及びグループの魅力については、メンバーの佳凪きのによる解説が読みやすくて非常にわかりやすく、Kolokol入門者向けプレゼン資料として大変秀逸なので、みんな読んだ方がいい。

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