AKIARIM[ライブレポート]バンドとともに描き切ったグループ史上最高に激情的なシーン

AKIARIM[ライブレポート]バンドとともに描き切ったグループ史上最高に激情的なシーン

AKIARIM[ライブレポート]バンドとともに描き切ったグループ史上最高に激情的なシーン

AKIARIMが、6月24日(木)に渋谷TSUTAYA O-WESTにて<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>の東京公演を開催した。同公演は、2月に開催予定も緊急事態宣言の影響で延期されたライブの振替公演。初のバンドセットという告知がされ、さらに新メンバーのChinatsu、Sayaの加入によりAKIARIMのロックサウンドがどう変化するのか期待に胸を膨らませたオーディエンスが会場に集まった。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>渋谷TSUTAYA O-WEST(2021年6月24日)

暗闇の中、定刻でステージ頭上に映し出されたのは「アリム」のMV。AKIARIMとして初の楽曲で4人体制時代の楽曲だが、今回この場でフルバージョンが初めて公開された。歌詞と同様にKotono、mee、Reina、RukaのAKIARIM加入前の想い出の地が映し出され、新たな道を進む4人。そして、最後に現れたChinatsu、Saya。6人がO-WESTへ進む姿で映像が終わるとステージに現れた6人。そして、ドラム野崎真助のカウントからギターリフが鳴り響き、4人から6人に進化しての「アリム」で<MOST EMOTION GIGS>の幕を開けた。

Kotonoが、“ライブハウスO-WESTへようこそ。AKIARIMいきます!”と叫ぶと会場全体にスイッチが入り、meeが感情的に歌い上げ、Reinaが激しく踊る。Sayaのラップが新たに加わり曲自体の爆発力が増した。オープニングからパワフルなパフォーマンスをくり広げ、「NEXTORY」「FLOWER」とAKIARIMらしい疾走感のあるロックナンバーが続く。いきなりの激しいダンスとエモーショナルな歌声に、オーディエンスも激しくクラップで応える。

歌に寄り添いながらもダイナミックな野崎真助のドラムに、ドライブする中村泰造のベース。エッジの効いた井手上誠のギター。今回のサポートメンバーの演奏も序盤から厚い音となって響き渡り、会場の熱量が増幅されていく。

<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>渋谷TSUTAYA O-WEST(2021年6月24日)
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<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>渋谷TSUTAYA O-WEST(2021年6月24日)

“渋谷O-WEST帰ってきたぞ! ただいま!”とmeeが高らかに叫ぶと拍手が起こる。2月24日に延期となった本公演。急遽、ツアー初日公演として追加された3月7日のO-WEST公演から4ヵ月弱を経て、この場に帰ってきたのだ。4人から6人になって過ごしたこの4ヵ月弱は、AKIARIMをパフォーマンス面でさらなる境地へ突入させた。

6人体制では初めての披露となる「Goodmorning,人生」から「向かい風ファンファーレ」とポップでアッパーな曲では、晴れやかな景色を見せるかのように明るい歌声が響いた。

いつもとは違うテンポにアレンジされた「beginning」ではバンドセットならではの変化に壮大さが一層と高まる。続く「全部抱きしめるよ」も6人体制では初めての披露となったが、この曲ももとのアレンジからリズムが変わったことでより緩やかに温かい楽曲となっていた。

Chinatsu、Saya加入後はハモりもChinatsuとmeeが交互に行なうことも多くなったが、今回メインボーカルだけではなくハモリも完全に生声で行ないリアルな歌声を届けることにこだわっていたが、さらにサウンド面ではあえて音数を減らした部分もあり、多くの引き算がされていた。そのサウンドの余白がより歌を活かす。バンドセットならではの演奏とパフォーマンスに、オーディエンスは酔いしれた。

<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>渋谷TSUTAYA O-WEST(2021年6月24日)
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<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>渋谷TSUTAYA O-WEST(2021年6月24日)

MCではパフォーマンスとは打って変わって緩い空気が流れる。Rukaの緩いながらも一生懸命なMCにオーディエンスの表情も和み、“これからも同じ景色を見ようね”と歌い出したのは「春夏秋冬」。フロアではファンからのサプライズで一斉に各メンバーの担当カラーであるサイリウムが照らされた。

J-POP然とした「春夏秋冬」のあとは、王道ロックバラードとも言える「バタフライ」へと続く。井手上のギターに合わせて歌い出すmeeの歌声は風格さえ漂う。Chinatsuの透き通ったハイトーンにKotono、Rukaの情熱的な歌が重なり、何度も何度も胸を打つ。

暗転後、ドラム野崎がリズムを刻み出すと“みんなまだまだいけるよねぇ?”と挑発するかの呼びかけから、ホーンを中心にファンクなアレンジが特徴な異色曲「エッフェル」へ。meeとChinatsuがフェイクで掛け合う。ポップな中にも大人びた歌詞に怪しげな雰囲気で要所要所でドキドキする。

曲が終わりメンバーが上手に寄ったかと思えば下手からベース中村が飛び出し、ベースソロが始まる。スーパーマリオのBGMをなぞったソロにフロアは拍手喝采。そして次なる曲は「Mr Darling」。ランニングベースが暴れ回り“ロックンロールよろしく”な曲調に乗ってのメンバーそれぞれのシャウト、サビではポップにキュートな6人が現れ、さまざまな表情が見られる曲だ。オーディエンスもクラップし腕を上げ、ステップを踏み自由に楽しんでいた(ソーシャルディスタンス確保のため、移動・声出しは禁止)。

“後半戦盛り上がる準備はいいですか!?”と呼びかける。Sayaが“来てくれてありがとう、見つけてくれてありがとう。この人生最後の最後まで自分貫いていけよ”とメッセージを送り始まったのは、この日初公開で、6人体制になってから制作が始まり、完全に今の6人のために用意された楽曲である「イキって生きろ!」。

ミクスチャーロックなBPM200超えの激しいサウンドに、《Shining day 所詮は世界のエキストラ このステージの主役は私 イキって生きろ》《傷つく事恐れ流した涙 悲しみの数明かりを灯し 粋って生きろ》と“誰のものでもない自分自身の人生を輝いて生きろ”というメッセージをエモーショナルに歌い上げる。そして、本格的にSayaのラップソロが入っておりAKIARIMにとってエポックメイキングな1曲となっている。Reinaが振り付けを担当したダンスも必見だ。

<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>渋谷TSUTAYA O-WEST(2021年6月24日)
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<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>渋谷TSUTAYA O-WEST(2021年6月24日)

見どころたっぷりの新曲のあとはドラム野崎にスポットが当たり、ドラムソロから間髪入れずに「NO ANSWER」へと続く。“いくぞ!”の掛け声とともにツーステップを踏むメンバーに合わせて踊るオーディエンス。間奏ではギター井手上誠が正に激情的にギターソロを奏でる。その勢いのままにAKIARIMでは珍しいEDM曲「カウンターアクション」へ。Ruka、Chinatsuが上着を投げ捨て、Reinaを中心に激しく踊る。AKIARIM結成以来、ライブで衣装を脱ぐことはこれまでなかったが、それだけ熱量も高まっていた証だろう。Sayaがリリックで煽り出し、飛べや踊れや、拳を掲げオーディエンスのボルテージもマックスへ。

meeのアカペラで始まったラストソングは「ALL IS WELL」。どこまでも伸びるロングトーンにメンバーでさえ驚きで笑ってしまうほどなのだから、オーディエンスはなおさらだろう。これまで14曲を全力で歌い踊ったとは思えない力強い歌声とダンス。激情型ロックを体現した曲で熱く本編を締めくくった。

アンコールで登場したメンバーの顔は晴々としていた。サポートメンバーを井手上誠、野崎真助、山下智輝(マニピュレーター)、中村泰造を改めて呼び込み、アンコール1曲目は代表曲とも言える「One」。Kotonoが井手上のギターと呼吸を合わせながら歌い始めるとメンバー、オーディエンスが1つになる。

AKIARIMはアイドルというカテゴリーにおいて随一とも言えるmeeのエモーショナルな歌声、Sayaのラップを筆頭に、Reinaのキレのあるダンス、Chinatsuのクリアな歌声、Rukaの情熱的なステージングなど各々の特徴があるが、バランスの取れたKotonoの存在がAKIARIMを1つにしているのかもしれない。

現在6ヵ月連続配信シングルリリース中だが、第3弾にこの日初公開となった「イキって生きろ!」が配信されること、7月よりほぼ毎週火曜日に無料定期ライブを開催することをお知らせし、この日2つ目の新曲「ALIVE」へ。「イキって生きろ!」と同じく“生きる”をテーマにしたこの曲は王道ロックなサウンドに明日への希望を込めたストレートな楽曲となっている。アンコールラストを「ミライト」で締めくくった6人に拍手が湧き上がり、歌とダンスで全力で音楽を表現した、タイトルどおりの“MOST EMOTION GIGS”な夜を終えた。

AKIARIMの曲にはさまざまなジャンルがあるが、どれも中心に歌があり、この日初披露となった「イキって生きろ!」「ALIVE」同様に“生きる”ということへのメッセージを感じさせる。そのメッセージはリスナーの拠り所になることもあれば、背中を押すこともある。そんな楽曲ばかりだ。そんな生きる力を持って彼女たちが、今後アイドルという人生をどう生きていくのか非常に楽しみだ。

<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>渋谷TSUTAYA O-WEST(2021年6月24日)
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<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>渋谷TSUTAYA O-WEST(2021年6月24日)

撮影:江隈麗志

AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】

渋谷TSUTAYA O-WEST
2021年6月24日(木)

01.アリム
02.NEXTORY
03.FLOWER
04.Goodmorning,人生
05.向かい風ファンファーレ
06.beginning
07.全部抱きしめるよ
08.春夏秋冬
09.バタフライ
10.エッフェル
11.Mr Darling
12.イキって生きろ!
13.NO ANSWER
14.カウンターアクション
15.ALL IS WELL

EN1.One
EN2.ALIVE
EN3.ミライト

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