NightOwl、EIMIE、代代代…… 関西殴り込みGIG！？ 今観たい関西インディーロックアイドル6選｜「偶像音楽 斯斯然然」第57回

代代代　狂狂狂で強強強

最後はニュースタンダードを掲げる5人組の少女隊、代代代。奇才・小倉ヲージによる不条理なポップセンスとカオスティックなソングライティングがとてつもない破壊力を帯びる“SOLID CHAOS POP”。ハードコアテクノやブレイクコアのソリッドなサウンドに乗せた、エッジィでシャレの効いた歌詞がバシバシ刺さってくる。

代代代 - OH! HAPPY DIE

自ら“最狂”なんて言葉を使って様になるのは、DIR EN GREYと代代代だけである。そんな“最狂”を謳う最新アルバム『The absurd is the essential concept and the first truth』はアイドル史上に残る問題作。ミニマルな電子音が駆け巡る先鋭的な実験音楽の塊といっていいだろう。ストリーミングで聴いた異様な音量の小ささは、かつて音圧至上主義に投げかけたジョン・フルシアンテのごとく、現在のコンプレッション強めのアイドルトラックへのアンチテーゼかと思ったのだが、ハイレゾ音源を買ってみたらまったく異なる音像でやられた。こういう聴き手を煙に巻くような戦法も実に代代代といったところだ。

代代代 - 融解

個人的なことを言えば、2019年の前体制終了を以って自分の中での代代代はひとつの到達点を迎え、それからしばらく離れていた時期もあったのだが、ひょんなことから観た現体制に恐れ慄いた。小倉ヲージのカオスポップをわしゃわしゃと少女たちが歌い踊るというイメージだった前体制から一変、それぞれが個を押し出す強度を持ったグループになっているではないか。

先日新宿BLAZEで行なわれた、ツアー＜不正＞でのバンドセットライブ。アイドルのバンドセットに関しては懐疑的になっているところもある。ロックだからといってバンドセットでやるのが正解だなんて思ってないし、バンドサウンド楽曲であっても生演奏を想定していないオケ制作なのだから、バンドセットライブにこだわる必要性はないだろう。ましてや代代代に関していえば、あの楽曲群を再現できるのか？という懸念もある。とはいえ、代代代のことであるから、中途半端なことは絶対にやらないだろうという期待もあった。

代代代 - ZZアリン（LIVE with Marmalade butcher）

いざ、ライブを観ればなんかすごいものを見てしまった感。終わった後にその衝撃をTwitterで綴るのも躊躇うほど、胸にしまっておきたくなる昂揚感に見舞われた。やらないだろうと思っていた「融解」あり、みんな大好き「ピラニア」からの「ZZアリン」のぶち上がりで思わず声が出た。メンバーの気合も十分すぎるほど伝わってきた。この日の演奏を務めたMarmalade butcher。初めましてのバンドだったけど、アンコールで1曲披露、テクニカルで適度に変態で、いいバンドでした。

ヒメカノンが病気療養のため、本ツアーを以って脱退となるわけだが、代代代はさらに強くなっていく、そう思えてならないでち。