神宿 一ノ瀬みか[インタビュー]葛藤を経て手に入れた成熟と可能性「私はなんでアイドルをやっているんだろうと考えると、自分の肉体と思考を解放したいから」

神宿 一ノ瀬みか[インタビュー]葛藤を経て手に入れた成熟と可能性「私はなんでアイドルをやっているんだろうと考えると、自分の肉体と思考を解放したいから」

神宿 一ノ瀬みか[インタビュー]葛藤を経て手に入れた成熟と可能性「私はなんでアイドルをやっているんだろうと考えると、自分の肉体と思考を解放したいから」神宿 一ノ瀬みか 2021年春インタビュー

私たちはアイドルに人生を捧げているのに、このまま搾取され続けていくのは、私たちとファンのお互いにとってハッピーじゃなくなってしまう──神宿の一ノ瀬みかは、今回のインタビューで、1人のアイドルとしてかなり踏み込んだ発言をしている。本来、このインタビューは、4月12日(月)に恵比寿ザ・ガーデンホールにて開催される<神宿 Mika Ichinose “21th Birthday Live”>と、3月31日(水)に配信リリースされた「FANTASTIC GIRL」がテーマであった。もちろん、コロナ禍により急遽有人から配信へと切り替えた昨年のバースデーライブを踏まえての今回のバースデーライブにかける想い、また、昨今急激に音楽的進化を遂げている神宿がさらに深化したサウンドを聴かせている新曲について、一ノ瀬はじっくりと語ってくれている。その話の流れの中で、話題は彼女の人生観や神宿のアイドル観へと移る。“若さ”や“可愛さ”を求め続けられることによって陥ってしまう“女性アイドル”の限界点。今回のインタビューで彼女が明かした神宿のこれからの活動は、その限界点を超える1つの可能性を提示するものであった。一ノ瀬みかが口にした言葉の一部始終をお届けする。

一ノ瀬みか(神宿)

撮影:西槇太一
編集協力:村田誠二

ファンとネガティブな気持ちを共有することも大事

──YouTubeのトレーニング動画(「アイドルの10分全身脂肪燃焼トレーニング」)、観ましたよ。

一ノ瀬:
ありがとうございます。やってますか?

──昨日挑戦してみようと思ったんですけど、やると多分、今日ここに来られないなと思って(笑)。

一ノ瀬:
(笑)。マッチョのファンの人でも腹筋バキバキになるくらいのトレーニングだったらしく、失敗したなぁと思って。次はユルめなのを出そうかな。ユルめでもやらなそう(笑)!

──頑張ってやります!(笑) ついこの間、インタビューで塩見(きら)さんにお会いした時に、一ノ瀬さんは自分が試したトレーニングの効果を率先してメンバーにフィードバックしていると言ってました。

一ノ瀬:
そんな話をしてたんですか(笑)。

──動画では、自分に効果があったものだけを教えると言ってましたが、トライ&エラーはかなりしてきた?

一ノ瀬:
そうですね。いろんなトレーニングも日々試していますし、食生活もしかり、自分の肉体改造のためにいろいろ勉強はしてます。もともと筋肉とか骨格の勉強が好きで、テーピング法とかマッサージとか整体について少しカジっていた時期があったんです。上腕二頭筋とか三角筋とか、胸鎖乳突筋とか聞くと、“なるほど、そこがそうなのか、そこがそうなのね”ってなれるからのめり込めたのかな。

──すごいですね(笑)。独学ですか?

一ノ瀬:
独学です。専門的に教わるってことは、大学に入って柔道整復士の資格を取るってことだと思うので。今はやっぱりそこまでの時間は取れないから、整体師の方から教えてもらったこととか、ダンスの先生から教えてもらったこと、あとピラティスに通っていた時期に教わったことも全部採り入れて、“効果あったな”っていうことをメンバーにフィードバックしているんです。

──筋肉って、ダンスに必要な筋肉もあれば、見せるための筋肉もあったり、(トレーニングの)チョイスが大変なんじゃないかなと思ったりするんですが。

一ノ瀬:
まさにそうだと思っていて、筋肉は“大きくするのか”ってことと“伸縮性をよくするのか”ってことでトレーニング方法が変わってくるんです。大きくするってことは、例えばお相撲さんとか柔道の選手というイメージになりますよね。逆に、瞬発力っていう点では、例えば腕をシュッと挙げてピタッと止める!っていう動作においては、筋肉をギュッと固めて縮める時のスピード感をウマく保つために、筋肉をちょっとずつユルめていくことが必要になってくるので、トレーニングも普通の腕立て伏せじゃなくて、ちょっとずつ腕を縮めていく腕立て伏せが効果的だったりするんです。

──神宿はワンマンライブが多いので、持久力も必要になってくると思います。そのために、どういうトレーニングをしていますか?

一ノ瀬:
私は“プランク”ですかね。プランクっていうのは、床に両肘とつま先を立てて身体を床と並行に伸ばす姿勢です。

──むちゃくちゃキツいヤツですよね。

一ノ瀬:
それがけっこう体力がつくというか、有酸素運動ではないんですけど、身体の中心にある“丹田”が鍛えられて。丹田が鍛えられると体幹が強くなるんです。ステージでも、頑張って腕だけで動こうとすると疲れが早く来ますけど、丹田を使ってフワァ、フワァって柔らかく動けるようになると、そもそも余計な力が必要なくなるので、体力を長時間キープできるようになるんです。そういう意味でもプランクは重要ですね。私は3分、というか1曲分を1日5セットくらいやってます。

──3分!? しかも5セット!? それをいつやるんですか? 

一ノ瀬:
朝と夜やります。朝は、起きて白湯を飲んでカーテンを開けたらすぐにトレーニング!みたいな(笑)。

──この先、活動を続けていくにあたって、どうやって体力を維持していくかみたいなことも考えたりしますか? 例えば10年後とか。

一ノ瀬:
ああ~、そんなに長生きしないかなと思ってたんですよ。あまり長生きするような家系でもないので。

──一ノ瀬さん自身も、小さい頃に持病があったそうですね。

一ノ瀬:
そうなんです。で、家系的にも長生きじゃないので、この世にそんなに長くは存在していられないのかなと思っていたから、今までも早足の人生だったと思う。ずっと大人になりたかったし。でも、いざ大人になってみると、やっぱり違いますよね。

──どう違いました? 自分が思っていた大人と。

一ノ瀬:
思っていたよりもたくさん壁がありました。大人になるまで知識とパワーを溜め込んで、“そこからの人生、壁、ブチ破っていくぞ!”みたいな気持ちだったんですけど、やっぱりそうはウマくいかないよねってことがあって……人間関係もそうですし、ファンと自分との関係性も、自分自身との向き合い方もそうですし、いろんな壁にブチ当たるものなんだな~って思いますね。

──その壁は、いつもどのように乗り越えているんですか?

一ノ瀬:
場合によりますね。人間関係は自分1人じゃ乗り越えられないから、まず絶対に最速でメンバーに相談します。今までけっこう早足の人生だったからこそ、自分の本当の気持ち、さらにその内側にある深層心理に気づいてあげることができてなかったなって思うんです。でも、今はそれがわかったから、まずは気づいてあげるための行動を起こしていこうという意識にはなりましたね。

──世間がイメージしている“神宿の一ノ瀬みか像”と“日常の一ノ瀬みか”は、けっこう違う?

一ノ瀬:
家の中にいる時もみんなの想像どおりだと思う。昔は、確かに疲れたなと思ってゲームして、何も考えたくない、現実逃避したい、っていう時もあった。それは対人関係とかウマくいかないことがあって、逃げたくなっちゃった時。でも今は、逃げなくても大丈夫だなって思ってるな。たぶんその違いは、ファンやメンバーやスタッフとの交流で幸せを十分に享受できているから。だから家に帰ってきても頑張り続けることができるんだって思っていて。そういう変化はありました。

──いつ頃からその境地に?

一ノ瀬:
ちょっとずつではあるんですけど、コロナ禍になって1人になる時間がすごく増えて、寂しくて怖くて、そこから(2020年)7月3日(<神宿 全国ツアー2019-2020 “GREATEFUL TO YOU”ツアーファイナルシリーズ>KT Zepp Yokohama 延期公演)にやっとファンのみんなに会えて、そこで本当にみんなの愛情やいろんな感情を肌身で感じることができてすごく嬉しかったし、引っ張ってあげたいなっていう気持ちになったんです。

──昨年はコロナの影響で、生誕ライブも無観客での配信ライブとなりました。その時はどういう心境だったんですか?

一ノ瀬:
6月28日(<神宿 Mika Ichinose “20th Birthday Live”>)ですよね。最初はめちゃくちゃやる気まんまんでした。4月12日のYouTubeライブ(生誕生配信)の時点で、その時の私ができることを全部やろうと思ってパフォーマンスにぶつけたんですけど、やっぱり心の中には虚無というか、寂しいって気持ちがいるなぁと思って。でも、その時、そういうことは言えなくて、まずはできたこと自体に感謝したいなっていう気持ちもあるし、“本当にありがとう。みんなの声届いたよ”って言うしかなかった。ただ、こんな風に悲しいな、寂しいなと思ってるのは、たぶん私だけじゃなくて、ファンのみんなも一緒なんじゃないかと思ったから、ちゃんと言葉にするようにしようって思って。寂しいってすごくネガティブな気持ちだけど、でも気持ちを共有することも大事だよなって。だから2021年の生誕発表の時には、“寂しかった”って正直に話そうと思ったんです。

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