AKIARIM[ライブレポート]新メンバーとともに揺るぎない情熱と意志を解き放った渋谷の夜
AKIARIM[ライブレポート]新メンバーとともに揺るぎない情熱と意志を解き放った渋谷の夜
AKIARIMが、3月7日(日)に渋谷TSUTAYA O-WESTにて1周年ツアー<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>の初日公演を開催した。本記事ではオフィシャルレポートをお届けする。
<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>渋谷TSUTAYA O-WEST(2021年3月7日)
結成以降、ライブデビューは新型コロナウイルスの影響で中止。自粛期間もさまざまな施策を試みながら8月のライブデビューより精力的に活動を行なっていた。
しかし、ライブデビューから半年での東名阪ツアー開催と勢いに乗っていた矢先、緊急事態宣言の影響で1月末からの東名阪ツアーは延期。
その影響で今回の渋谷O-WEST公演が初日公演として急遽追加された。
数日前には元eyesのChinatsu(鈴木千夏)と元Pimm’sのSaya(山口紗弥)の加入が電撃発表され、来場したファンは大きな期待と、4人に慣れていた分、少しの不安を抱えながらフロアで開演の時を待つ。
暗いステージに青い光の線が走り、お馴染みのSEが鳴り始める。赤と黒の衣装で登場するReina、mee 、Kotono、Ruka。
威勢よく“ライブハウスO-WESTへようこそ。AKIARIM行きます!”と叫ぶと、流れ出したオープニングナンバーはAKIARIMとしての初の楽曲となった「アリム」。
同公演はコロナ対策のため、声出しNG・マスクは必着と規制はあるものの、移動せずにその場で動くことは許されている。クラップ、ダンスとフロアもさまざまな楽しみ方で、歌とダンスに呼応し始める。
激しいダンスと感情的な歌声が特徴なロックナンバー「FLOWER」、疾走感あふれる「向かい風ファンファーレ」と冒頭3曲にしてクライマックスかのような勢いで畳みかけた。
その勇ましさとは裏腹にMCでは急にふわっとするメンバーたち。
順次自己紹介し“いつも想ってくれてありがとう”“その気持ち全部抱きしめるよ”と始まったのは、渋谷系を感じるサウンドに、切なさと温かさが同居したかのような「全部抱きしめるよ」。ギターカッティングとホーンの音にmeeのフェイクが癖になるファンク風な「エッフェル」。重低音な音とダンスが腰にくる「キミとボクのためのAnti-thesis」。ロックンロールで恋を歌えばこうなると言わんばかりの「Mr Darling」と、さまざまな曲調を披露する。
一転して人気曲にも関わらず最近ではレア曲となっている「北風と太陽」を投下。ジョジョ立ちの由来ともなったヴォーグダンスを取り入れた独創的なダンスと情緒的な歌が印象的な曲だ。
そして、AKIARIMの中でも随一ともいえるラブバラード「バタフライ」へと続く。
ここまでの10曲だけでも、王道ロックからポップサウンド、ファンクやラウド調の曲、そしてグッとくるバラードなど幅広い曲をパフォーマンス。かといって方向性が雑然としているということはなく、AKIARIMというユニットが感じられるのは、メンバーが歌とダンスを中心に“音楽をしっかりと大切にしよう”という意志を示しているからだろう。
またもやゆるゆるかつふわふわなMCで和んだ後は、「Goodmorning, 人生」「ミライト」とアッパーでキャッチーな2曲を立て続けに歌うと、間髪入れずに“後半戦行きます! 新曲用意しました!”と初公開の「ガムシャラカーテンコール」をアクト。サビのキャッチーさや大きな振りは、今後ライブで大きな盛り上がりを生み出すだろう。
そして、ここから王道ロックな「NEXTORY」、ミクスチャーロック寄りな「NO ANSWER」「カウンターアクション」と“激情型ロックアイドル”の真骨頂を見せつける激しい曲たちを立て続けに歌唱し、エモーショナルな歌声とダンスで、会場の熱量をさらに高めた。
少しの余韻の中、1本のスポットライトにmeeが照らされ、アカペラで“力強く 僕の背中を押す / don't give up! 「ALL IS WELL」 ”と歌い出し、曲が流れ出すとKotono、Reina、Rukaが勢いよく踊り出した。本編ラストナンバーは「ALL IS WELL」。
先述の「NEXTORY」はRukaが初めて作詞し、Kotonoが振り付けを担当。「ALL IS WELL」はmeeが作詞しReinaが振り付けをし、メンバー自身が楽曲制作にも関わっており、AKIARIMの曲を幅広くしたとともに新たな一面を見せている。
RukaからKotonoへ。KotonoからReinaへ。Reinaからmeeへ。そして、meeからフロアへ繋がって伸びていく手は、オーディエンスも含めてAKIARIMなのだというメンバーの想いが詰まっている。
フロアでは声が出せない中、クラップでアンコールが続く。その中飛び出してきたのは白と黒の新しい衣装を纏い、新メンバーのChinatsuとSayaを加えた6人のAKIARIM。
さまざまな要素・色を取り入れ、吸収し成長していくという白と、それぞれの確固たる意志や譲れないものを表した染まらない黒で構成された新しい衣装は、この6人を表現するにはぴったりだ。
ChinatsuとSayaが挨拶した後は、過去に前体制のFLOWLIGHTの始まりの曲として歌われ、AKIARIMの初ライブでも歌われた、始まりの曲「beginning」へ。ラストに“私たち6人とみんなと……”と「One」をパフォーマンス。全18曲を披露しツアー初日の夜を情熱的に終えた。
驚くべきことに、Chinatsuの加入が決定したのが2月26日。Sayaの加入が決定したのが2月28日と、実質1週間ほどでのステージデビューとなった新体制のAKIARIM。にもかかわらず、ぴったりと揃ったダンスや力強い歌声など、まるでずっと6人で活動していたかのような自然なステージングを披露。この日の彼女たちのパフォーマンスは、“新メンバーが加わることで壊れる部分があるのではないか”という、ファンの不安を見事に一掃していた。
前グループを知っている人はご存知な、Chinatsuの透き通った歌声やSayaのラップなど、2人の武器はまだ披露されていない。しかし、今後meeの変幻自在な芯の通った歌声、KotonoとReinaのキレのあるダンス、Rukaの存在感のあるアグレッシブなステージングに、新たな武器が加わると思うと、今後のAKIARIMがまた1つギアを入れて駆け上がっていくことは想像に容易い。
延期となった<AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】>は、4月3日(土)に名古屋CLUB UPSET、5月16日(日)に心斎橋 Music Club JANUSを経て、6月24日(木)にバンドセットで渋谷O-WESTに戻ってくる。
さらに成長した彼女たちのステージに期待大だ。
AKIARIM 1st ANNIVERSARY TOUR【MOST EMOTION GIGS】
渋谷TSUTAYA O-WEST
2021年3月7日(日)
01.アリム
02.FLOWER
03.向かい風ファンファーレ
04.全部抱きしめるよ
05.エッフェル
06.キミとボクのためのAnti-thesis
07.Mr Darling
08.北風と太陽
09.バタフライ
10.Goodmorning, 人生
11.ミライト
12.ガムシャラカーテンコール
13.NEXTORY
14.カウンターアクション
15.NO ANSWER
16.ALL IS WELL
EN1.beginning
EN2.One
新アーティスト写真
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