遠藤舞×槙田紗子［対談後編］現役アイドルに伝えたい自分の道の作り方「“若いカワイイ”以外をどれだけわかってもらいたいのかはアイドル次第」遠藤舞×槙田紗子 対談後編

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アイドルとファンって似た者同士（槙田）

――遠藤さんの本でも言及していますが、アイドルになる子は、アイドル活動を通じて自己承認欲求を満たしている側面もあります。でも、この1年間は、コロナによって承認欲求を満たせる場である特典会やライヴがなくなってしまい、それによって辞めてしまう子も出てきています。

遠藤：
でも、頑張っている子は、相変わらずずっと頑張っていますよ。ライヴができないけど、ファンには離れていってほしくないから、配信を頑張ったりとか、志が高い子はいます。今はアイドルをやりたくてやっているという話をしましたけど、命をかけてやっている子と、そうじゃない子がいて、その差は激しいと思うんです。志が高い子は、毎日配信したり、遊ぶ時間を削って頑張ってますよね。今はコロナでこれまでのようなアイドル活動はなかなかできないと思いますけど、ここで頑張るかどうかで、その子の今後は変わってきちゃうのかなって思います。ある意味、試されているのかも。

槙田：
私もそう思います。今、ちゃんと頑張れている子は、本当にやる気があるんだなって思いますし、コロナで1人の時間が増えて我に返ることも増えたじゃないですか。そうすると、“なんか違うな”って思って辞めていく子もいるだろうし。でも、それはある意味、よかったのかなって思います。やる気がある子が、ちゃんと頑張っているところを見てもらえて、そうじゃない子は、違う道に進んで行って。それはそれでいいと思う。この1年で、いろいろとはっきりしたなとは思いました。

遠藤：
ある意味、ふるいにかけられたよね。

――遠藤さんの著書のタイトルにもありますけど、現役のアイドルの子は今が“若いカワイイ”の全盛期だと思っているでしょうから、そこを逃さずに頑張りたいという気持ちもあって、配信をがむしゃらに頑張ったりしているんでしょうけどね。“若いカワイイ”時期をどうやって越えて、次につなげるのかを考える必要があるのかと思っています。

遠藤：
別に無理する必要はないと思うんですけどね。“ここだよ”っていう線引きもないですし、無理に越える必要もないですし。紗子ちゃんもいろいろ相談に乗っていると思うんですけど、“やっぱり将来が心配だ”って思っている子が一定数いるんです。それこそ、20歳を過ぎてからアイドルを始める子は、ある程度大人なので、“やりたいことをやるってアイドルを始めたけど、じゃあ、あと何年続けられるのかなって考えると心配なんです”って。じゃあ、逆算して、“若いカワイイ”じゃなくなるのはいつなのか、それがなくなってきた時にどうするのかを考えながらアイドル活動をした方がいいんじゃないかとは思います。

――アイドルの活動期間の長さって、ファンとの関係性も関わってくると思うんです。ファンがその子に何を求めているのかというか。“若いカワイイ”だけを求められているのだとしたら、やはり年齢的な限界がどうしても出てきてしまう。だから、それだけじゃなくて、ほかの部分も求めてもらえるようにならないと、ファンと一緒に成長して、活動を継続していけないんじゃないかなと。例えば、Negiccoはメンバーが結婚してもファンが祝福もするし、離れることなく応援し続けています。もし長く活動したいのではあれば、ファンとそういう関係性を作り上げることが大切なのではないかなと思っています。

槙田：
舞さんのファンの方は、舞さんの人柄をわかって応援しているんだろうなって感じるんですよ。ファンの方って、アイドル本人と似た人がファンになるんですよね。アイドルとファンってすごく近いというか、似た者同士だなって思うんです。だから、“若いカワイイ”以外をどれだけ見せるのか、どれだけわかってもらいたいのかはアイドル次第……。私は超ゴリゴリのアイドルで、汚い言葉も使いませんって感じで、キャラをしっかり固めている子は、卒業したあとが難しいと思うんですよ。でも、そういう子は、意外とさっぱり辞めちゃったりもする（笑）。私や舞さんは、アイドルの頃から、思っていることを普通に発言できていたタイプだと思うんで、だからアイドルを辞めた後も、なんとなく“まあまあ……”って大目に見てもらえているところもあるのかな（笑）。同じにしちゃってすみません（笑）。

遠藤：
いえいえ（笑）。

槙田：
まずは“どういう活動をしているか”なのかな。

遠藤：
アイドル時代の行ないというか、方針が、辞めた後にもつながってくる感じは、確かにあると思います。

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