遠藤舞×槙田紗子［対談前編］激闘したアイドル戦国時代を振り返る「TIFの3日間は永遠に終わらないんじゃないか……そんな気持ちだった」遠藤舞×槙田紗子 対談前編

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20分くらいのライヴから戻ってきたら“黒すぎない？”って（遠藤）

――アイドル時代の特に印象的だったエピソードを教えてもらえますか？

槙田：
＜TIF＞は何かが起こるっていう感じがありましたよね。

遠藤：
紗子ちゃん、初回から参加してるよね？

槙田：
品川からです。

遠藤：
品川、懐かしい～。すごく手作り感がありましたよね。

槙田：
あの時、アイドリング!!!さんとかももクロさんが出たメインステージに、ぱすぽ☆もなぜか出られたんですよ。まだインディーズだったのに。それですっごく浮かれてた記憶があります。“やった～！”って（笑）。＜TIF＞って、フジテレビのアイドリング!!!さんの番組スタッフさんがやっているイベントじゃないですか。近いところにいたから、いろいろなことが見えたんじゃないですか？　制作側の話とか、耳に入ってきやすいだろうなって思ってました。

遠藤：
言ってみれば、テレビのディレクターがイベントを作っているので、やっぱり勝手が違うんですよ。例えば、ステージに出るまでの移動とか、ファンの人がいるところを通っていくんですよ。導線とかをちゃんと確保できていないんで、ステージへの移動中に全然会えちゃう（笑）。

槙田：
確かにそんな感じだったかも。お台場になってからも、けっこうそうでしたよ（笑）。

遠藤：
それが逆に風物詩になって、面白いってことになっていったんですけどね。

――おふたりは＜TIF＞がどんどん大きくなっていくさまを体感しているわけですよね。

槙田：
いつの間にか、何百組も出るイベントになって。

遠藤：
本にも書いたんですけど、2016年で、301組、1992名が出演しているんですよ！

――今では出られないアイドルも多いです。出られなかった子たちが、お台場近辺で自分たちのチラシを配っていたりもします。

遠藤：
そうそう！　お台場に集結しているアイドルの数って考えると、もっといるってことですよね。

槙田：
近くで別のイベントをやったりもしてますもんね。こっちにもお客さんがこぼれてこないかなって（笑）。

遠藤：
教え子でも、“ついに＜TIF＞に出られるんです！”って子がいるんですよ。今ではそういう催しになったんだなって、ちょっと嬉しくなりますね。

槙田：
“争奪戦イベント”みたいなこともやってますよね。逆に言うと、そんなふうにみんなが憧れるステージに、当たり前に立たせてもらえていたんだなって、改めて驚いたりもします。

遠藤：
それは初期からやっていた特権（笑）。去年はオンラインでしたよね。バーチャルの子たちも出ていて、またちょっと変わりましたよね。

――＜TIF＞といえば、出演者もファンも暑さとの戦いという側面もあります。

遠藤：
（ダイバーシティ東京プラザの）ガンダムの前のステージ、なぜかステージ上が銀だったの覚えてる？

槙田：
あ、暑すぎて膝をステージにつけられないみたいな感じでした！

遠藤：
最初の振り付けが、ステージに寝ている状態っていうグループがいて、本当につらそうだった。立っているだけでも暑くて大変なのに。

――フライパンの上にいるのと一緒ですね。

遠藤：
そうなんですよ。私、すごく日焼けしやすいんですけど、あのステージで20分くらいライヴをやって戻ってきたら、メンバーから“えっ!?　黒すぎない？”って言われました（笑）。日差しと銀の照り返しで、ダブルで焼けちゃうんですよ。日サロ状態（笑）。

槙田：
確かに絶対に暑いんですよね。マネージャーさんに“「ヒヤロン（冷却パック）」を買ってきてください”って毎回言ってました。「ヒヤロン」がないと、メンバーの誰かが怒り出す（笑）。

遠藤：
バタバタ倒れちゃって、運ばれてる子もいたもんね。

槙田：
熱中症と隣り合わせみたいな状況でやってましたよね。

――バックヤードは野戦病院みたいなんですね。

遠藤：
まさにそう！

槙田：
それに、＜TIF＞の時期って夏休みだから、ただでさえめちゃくちゃ忙しいんですよ。イベントって夏に集中するじゃないですか。“リリイベ、リリイベ、TIF、TIF、リリイベ”みたいな超過密スケジュールで。ぶっちゃけ、楽屋ではみんな死んでいました。

遠藤：
リハーサルも大変。コラボとかがあるので、双方でスケジュールを合わせて、湾岸スタジオにわざわざ来ていただいてね。リハーサルも分刻みで。そんな状況で、ほかのグループさんの振りを覚えなくちゃいけなかったりして、過酷でしたよね。もう修行（笑）。

槙田：
“今年もTIFが来るぞ！”というような気持ちでした、毎年。

遠藤：
“この3日間、永遠に終わらないんじゃないか……”そんな気持ちだったなあ。つらい、つらすぎる！みたいな（笑）。

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