【連載】沖口優奈×「Fans' Dream Project」プロジェクトリーダー（前編）「わかりやすくファンを増やす世界観を作っていきたいんです」マジカル・パンチライン 沖口優奈「ここの責任者、出してください❤️」第16回：「Fans' Dream Project」プロジェクトリーダー（前編）

私たちにとって、ファンの人は欠かせない存在なので（沖口）

沖口：
今回、4月5日から始める「Fans' Dream Project」でもプロジェクトリーダーを務めるそうですね。

田中：
フェイスの執行役員をやっているので、そこで立ち上げた「Fans' Dream Project」のリーダーの役割をすることになりました。「Fans' Dream Project」は、フェイスで展開している『Fans'』というファンクラブのサービスをもっと世の中に知ってもらうためのプロジェクトになります。

沖口：
『Fans'』を広めるため？

田中：
そもそも『Fans'』というサービスは、Twitterをファンクラブにできるというものなんです。自分の部署ではもともと浜辺美波さんなどのファンクラブを運営しているんですけど、誰でも簡単にファンクラブを開設できる世界観を作れたらと『Fans'』が始まりました。ツイートする時に、誰でも見られる通常のツイートとファン限定のツイートを作ってもらって、限定のものは月額330円を払ってもらうと見られる仕組みになっています。今は事務所単位でも『Fans'』を活用してくださっていて、例えばオフィスオーガスタさんは、ファンコミュニティとして活用しています。こちらの会員は“Crew”（＝乗組員・仲間）と表現され、固定ツイートの下に、“このコミュニティは（同じ船に乗る乗組員・仲間のように）ファンの皆様にアーティストをより身近に感じて頂ける場所”というリンクが貼ってあるんですよ。それで、普段のツイートの合間に“乗組員”限定の投稿もツイートされるんです。俳優さんや女優さんだと、なかなかファンクラブを作って運営していくのが難しかったりするんですが、『Fans'』であれば成り立ちます。

沖口：
なるほど、Twitterをそのままファンクラブにできるんですね。

田中：
最近だとClubhouseが流行り出していますし、TwitterやInstagramって転換期だと思うんです。インスタはプライベートをおしゃれに見せるツールというか、あまりビジネス用ではない。フォロワーからお金をもらっての投稿もありますけど、そろそろ限界値が来ている。それに対してTwitterは、リリースとかライブ情報とかを出したりして、ビジネスライクな役割を担うことが多くなっている。なので、そこにファンクラブ限定の投稿があった方が利用されやすいのかなと思って始めたんです。アスリートの方も活用してくれていますし、それと『Fans'』は一般の方でもできちゃうんですよ。例えば、八月さんという方は、Twitterに寄せられたファッション系の質問に1日1問くらいずつ答えているんですが、すでに約2,000人のファンがいるんですよ。

沖口：
えっ、すごい！

田中：
八月さんって誰だかわからないですよね。でも、ファッションが好きというところで広がっていったんです。“20代の女性です。5,000円程度のバレンタイン用のギフトを教えてください。彼は30歳の営業職です”といった質問にひたすら答えているんです。

沖口：
私もコスメについてSNSで調べるんですけど、モデルさんよりも、コスメに詳しい美容部員さんのツイートの方が参考になったりします。

田中：
その方が信憑性がありますよね。

沖口：
そうなんですよ！　そういう風に何かについて詳しい人のツイートが読めるとなると、会員になって読んでみようかなって思います。

田中：
ゴルフのレッスン動画を会員限定で上げている人もいますよ。Twitterって毎日のようにフォロワーにタッチポイントがあるじゃないですか。他社では、ファンクラブ用のアプリを提供していたりもするんですが、そもそも毎日アプリを開かせることってすごくハードルが高いんです。PCのファンクラブサイトは、用事がないとアクセスしませんよね。でも、Twitterはタッチポイントを毎日作れるのでファンを増やせる可能性が高いんです。

沖口：
私もそうなのですが、ツイートをして、Instagramに投稿して、ブログを書いてってなると、使いこなせていない気がしますけど、Twitter1つでファンを広げていけるとなると、やる側もやりやすいと思います。

田中：
例えば、“雑誌のグラビアに載りました”と普通にツイートしたら、“ファン限定では、その雑誌にサインをしてプレゼントします”とつけ加えておくだけでいいんですよ。「鶯谷フィルハーモニー」というバンドでは、キャンプへ行ってZoomでまったり話しましょうみたいな企画をやってくれています。これってファン限定だからできることなんですよね。アンチも来ないので荒れることもないですし、アンチは330円払ってまで荒らしに来ないですから（笑）。ファンの中だけでコミュニケーションを取ることができるんです。

沖口：
素敵ですね！

田中：
さて、『Fans'』の話が長くなりましたけど、改めて、今回の「Fans' Dream Project」は、この『Fans'』をもっと世の中の人に知ってもらうためのものなんです。現在、『Fans'』では、5,000人の方がファンクラブを開設してくださって、ファンクラブの開設数ではNo.1になったんですが、これをもっともっと増やしたい。「ファンドリ」は、簡単に言ってしまえばオーディションですね。まずは第1期生募集という形でやろうと思っています。

沖口：
まずはオーディションをして参加者を募るってことですね。

田中：
はい。そして、お笑い第7世代のぼる塾さんやEXIT・兼近さんの吉本NSC時代の担当講師である放送作家の桝本壮志さんを始めとするエンタメ業界のいろいろな方に、1期生がファンクラブ運営のためのコツを学べるバックアッププログラムの講師をしてもらう予定です。そういう風にどうやってファンを獲得するのかを半年から1年かけて教えます。それで、例えば“ファンを500人獲得できたらあの事務所に入れますよ”という形にしたい。ファンが何人かというのは、その事務所によって違うんですけどね。“ウチは100人のファンがいればぜひ採りたい”というところもあれば、“1,000人超えないとウチは採りません”というところもありますので。ともかく、1期生として参加した人は、そこにチャレンジしてもらうことになります。キャッチコピーにもありますが、“ファンと一緒に、夢をつかむ”ことができる企画だと思うので、多くの人に参加してもらいたいですね。もちろん、「ファンドリ」で学んだ手法を活かして自分でやっていきたいというのであれば、個人で活動を継続してもかまいません。

沖口：
ファンの人と一体感ができるというか、ファンの人にも目標がわかるので、応援しやすいですよね。“ファンと一緒に、夢をつかむ”って、めっちゃ素敵です！　私たちにとって、ファンの人は欠かせない存在なので。

田中：
そうですよね。事務所に所属しないでアーティスト活動をしている人で、1,000人のファンがいれば、月額500円の会費にすると月に50万円の収入になりますよね。『Fans'』に多少の手数料を払ったとしても50万円近い収入があれば、食べていけます。そうなればバイトをせずに、自分の活動に集中できますよね。それによって、より良い楽曲が作れるかもしれないし、より良いライブができるかもしれない。ファンとしてもダイレクトに応援した方が理にかなっているんじゃないでしょうか。一言でファンといっても、“とにかく先行チケットが買いたい、限定グッズが欲しい”という人もいれば、“ベースから応援したい”という人もいます。そういうことを思ってくれているファンがいるのであれば、その人たちにちょっとずつ支援してもらえばいい。投げ銭で何百万円も支援してほしいというわけではないので、ファンの方も支援しやすいんじゃないでしょうか。また、アーティスト側が、事務所に所属したいと思った時に交渉の材料にもなると思うんです。“現在、自分にはこれだけのファンがいます。さらに増やしたいので、テレビに出演したいと思っている。事務所にはテレビの制作会社に営業してほしい”というような、具体的な話ができるはず。今の時代は、個人が事務所と対等に話し合いができる環境になりつつあると思います。それには、ファンを持った状態で交渉した方が有利ですよ。すでに月に50万円の収入がある状態ならば、事務所とも交渉がしやすいですよね（笑）。

沖口：
確かに（笑）。

田中：
なので、時代に即した“個”というものが尊重され、活躍できる新しい世界観を作りたいんです。

沖口：
ファンがいるってことが自分の武器になるんですね。

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