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ホロライブ[ライブレポート]多彩な光景で進化を見せた全曲オリジナル曲ライブ
ホロライブ[ライブレポート]多彩な光景で進化を見せた全曲オリジナル曲ライブ
VTuberグループ『ホロライブ』から22名のメンバーが出演したホロライブ初となる全曲オリジナル曲のライブ<hololive IDOL PROJECT 1st Live.『Bloom,』>が、2月17日(水)に無観客・配信限定ライブ形式で開催された。
2020年12月に開催されたホロライブ2回目の全体ライブ<hololive 2nd fes. Beyond the Stage Supported By Bushiroad>からわずか2ヵ月。再び大舞台に挑む今回のホロライブのメンバーにとっては、全曲オリジナル曲という新たな挑戦と同時に、アイドルとして次のステップを踏むことになる大事なライブとなった。
今回コロナウイルスの影響により無観客形式となったが、昨年12月のライブと同様に、配信だろうと、ライブパフォーマンスから演出に至るまで、すべて最高峰のクオリティを見せてくれた。全曲オリジナル楽曲のライブということで、観る側も新たなホロライブの一面を体感することができた同公演のオフィシャルレポートをお届けしよう。
取材・文:森山ド・ロ
撮影:Ayo Kajino、Kota Hirano
Dreaming Days
星屑のような光の木漏れ日が真っ黒なステージに浮かび上がったと思った瞬間、白上フブキ、夏色まつり、紫咲シオン、百鬼あやめ、癒月ちょこ、大空スバル、兎田ぺこら、宝鐘マリン、天音かなたの総勢9名がステージ上に舞い降りた。「Dreaming Days」のイントロが流れると、一気にステージが煌びやかに、そしてまるでクライマックスかのような雰囲気が会場全体を包んだ。各々が全力で踊り、歌う姿が印象的で、9人という人数の中でもちゃんと息を合わせようとパフォーマンスする姿がまさにアイドルだった。
Candy-Go-Round
直前のMCにてTwitterでの世界トレンド1位が発表され、興奮冷めやらぬ会場をロボ子さん、夜空メル、アキ・ローゼンタール、湊あくあ、不知火フレアの5人のハーモニーが優しく響き渡る。5人のユニゾンが心地よく展開される「Candy-Go-Round」は、身体を大きく動かしつつ、細かい手の動きも特徴的で、見ているだけで元気が伝わるポップなアイドルソング。ピンク色の輝きがステージ全体を多い尽くし、中央で光り輝くカラフルな模様に合わせるかのように歌って踊る5人の姿が印象的だった。

さくら色ハイテンション!
ステージに突如、桜の花びらがヒラヒラと舞い始める。ゆっくりと姿を現したさくらみこが桜の演出に溶け込むかのように「さくら色ハイテンション!」を披露した。優しい始まりから突如ギターの激しい音が鳴り響き、ゆっくりと舞っていた桜の花びらも渦を作るように音に合わせて躍動する。“みこのエアギター!”と間奏に入ると、ステージ上を目一杯左右に走り回り、全力のエアギターを披露。さくらみこのまさにハイテンションが愛らしく表現されたパフォーマンスが見られた。
ぺこらんだむぶれいん!
兎田ぺこらの元気な歌声が、冒頭から響き渡る。「ぺこらんだむぶれいん!」は、ホロライブのオリジナル曲の中でも中毒性の高い楽曲で、1度聴いたら頭から離れなくなるような魅力が詰まっている。実際にライブを目の当たりにすると、中毒性は楽曲に限らずぴょんぴょんと跳ね回る振り付けにも表れている。楽曲から振り付けまで、兎田ぺこらの元気と人々を惹きつける魅力が詰め込まれたパフォーマンスに終始釘づけにされた人も多いだろう。

ぺこみこ大戦争!!
「桜色ハイテンション」「ぺこらんだむぶれいん!」からの「ぺこみこ大戦争!!」の完璧な流れを目の当たりにしたファンの共通認識は、“なぜ現場に自分はいないのか”に違いない。2人の関係性と特徴が存分に表れた「ぺこみこ大戦争!!」は、2人の掛け合いが織りなす2人にしか表現できない楽曲だ。ぺことみこの乱打に、メラメラと燃えるような映像のコンボが、まさに大戦争を表現している。ふわふわした動きから、徐々に激しくなる動きのメリハリが観ていて思わず楽しくなる時間が一瞬で流れた。
でいり〜だいあり〜!
トランペットの音が陽気に鳴り響くと、先ほどまでの可愛らしいアイドルの雰囲気から一転、夏色まつり、大空スバル、さくらみこ、白銀ノエル、宝鐘マリンの5人の力強い歌声が重なり合う。元気一杯の掛け合いが要所要所に組み込まれており、ソロパートが連なるところからサビに入るのと同時に一気にテンションが駆け上がる楽曲のパワーと、5人の息の合った振り付けは、観ていて自然と勇気が湧いてくる。

君と眺める夏の花
乾いた花火の音が聞こえると、背中を向けた夏色まつりの凛とした佇まいからパワフルな歌声が静寂を切り裂くように鳴り響く。太鼓の音と同時に、軽快なギターが刻まれる。夏らしい独特の爽快感が心地よく、思わず夏が待ち遠しくなってしまう夏色まつりの力強く透明感ある歌声が、とにかく楽曲にマッチしていた。打ち上げ花火の映像がステージに映し出され、楽曲の魅力を全力で演出する光景を前に、思わず夏を錯覚してしまった。
For The Win
未来的な音とどこか懐かしさが漂う絶妙な調和が癖になる、湊あくあのオリジナル曲「For The Win」では、思わず口ずさんでしまうキャッチーなメロディと、湊あくあの愛らしい歌声が存分に発揮されていた。小さい身体ながら、キレのある振り付けで、大きなステージの上でもしっかりと表現されたパフォーマンスは圧巻だった。間奏はしっかりと煽りを入れつつ、サビ前にはしっとりと優しく歌い上げるギャップがまさにアイドルそのもので、湊あくあのソロライブを通しての進化を垣間見ることができた。

ヒロインオーディション
誕生日、新曲披露と、この日サプライズづくめだったアキ・ローゼンタールが新曲「ヒロインオーディション」を披露した。アキ・ローゼンタールといえば、「シャルイース」の神秘的で独創的な表現者のイメージが根強いが、この日披露した「ヒロインオーディション」は、ストレートな可愛らしいラブソングだった。それでも表現者として唯一無二な彼女が歌うラブソングは、振り付けと相まってどこかミュージカルを錯覚してしまう。軽やかな動きと、独特の表現で観客の視線を釘づけにした。
BLUE CLAPPER
中継ライブで今回参戦した5期生の雪花ラミィ、獅白ぼたん、尾丸ポルカが「BLUE CLAPPER」を歌唱。特別なステージに舞い降りた5期生の3人が、ハードなポップソングを息を切らしながら全力で歌い上げる。MCを含めて、少し緊張したような場面も見られたが、それでも歌からダンスまで100%の力を出そうとパフォーマンスしているのがひしひしと伝わった。激しいダンスに加えて、ラップもしっかりと歌いこなす5期生のポテンシャルが全力でわかるステージだった。

今宵はHalloween Night!
ホロライブの楽曲の中でも根強い人気を誇る「今宵はHalloween Night!」は、夜空メル、紫咲シオン、癒月ちょこ、潤羽るしあの4人が世界観を演出しながらも、可愛いらしさが際立つキラーチューン。ハロウィンにちなんだ細かい振り付けは、この日の大舞台でも観ていて楽しくなる。4人の息の合ったユニゾンには、ずっと聴いていたくなる魅力が詰め込まれている。
Suspect
「今宵はHalloween Night!」から「Suspect」の繋ぎは、この日のサプライズと言っても過言ではない。映像演出だけではなく、プロのアーティストさながらのライブの仕掛けも織り交ぜていくホロライブチームに感銘を受けた人も多いだろう。ロボ子さん、アキ・ローゼンタール、百鬼あやめの3人の大人っぽい歌声と立ち振る舞いがステージ上でも輝いていた。淡いピンクの映像の演出に、クネクネと小刻みにステップを踏む3人のパフォーマンスがライブ演出を含めて、新境地を見せていた。

アザミナ
繋ぎの終着点はロボ子さんの「アザミナ」だった。あとのMCでもネタにされていたが、ロボ子さんのエッジボイスがあってこそと言っても過言ではない「アザミナ」は、ロボ子さんのボーカリストとしてのポテンシャルを最大限活かした楽曲だ。紫色の小粒の光たちがゆっくり上昇していく最中、1つひとつの動きに感情を込めながら歌うロボ子さんの姿が印象的だった。曲が進むにつれて感情は深みを増していき、それでも動きのペースは常に一定で、不思議な感覚になるロボ子さんらしいパフォーマンスだった。
Palette
アイドル衣装で初めて舞台に上がった4期生の常闇トワは、この日サプライズとなる新曲「Palette」を歌唱した。ホロライブ内でも屈指の歌唱力を誇る常闇トワの低音ボイス、ハリのある歌声は圧巻。会場の隅々まで鳴り響くほどの声量で、常闇トワらしい歌声が存分に引き出されていた。しっとりとした佇まいから感情を込める部分では、ダイナミックな動きで表現していくパフォーマンスを披露。アイドルでありボーカリストである彼女の活躍に確信が持てる時間となった。

至上主義アドトラック
エレクトロニックなサウンドが暴れまわる、夏色まつり、大神ミオ、不知火フレアの「至上主義アドトラック」は、キリッとした振り付けに3人の鋭くもパワフルな歌声が特徴的だった。宇宙空間のような映像演出の真ん中で、佇むかのように立ち振る舞う3人。その凛々しさとサビ前のハモリがとにかく綺麗で見惚れてしまった。終始カッコよさが際立つ楽曲とパフォーマンスに視線が釘付けになり、一瞬で楽曲が終わってしまったような感覚を覚えた。
STARDUST SONG
「至上主義アドトラック」に続けと言わんばかりに、青と白の光をベースに今度は不知火フレア、天音かなた、常闇トワの3人が「STARDUST SONG」をアクト。3人の声色にマッチした同曲は、要所要所で大人っぽいハーモニーが鳴り響くのが特徴だ。鬼気迫るサビでは、叫びにも似た熱唱と、星屑が相対的に揺れ動く。声色を含めて、この3人でしか表現できない唯一無二のパフォーマンスが存分に発揮された。

Ahoy!! 我ら宝鐘海賊団☆
この日も宝鐘マリンは、自身のエンタメ性を存分に発揮したパフォーマンスを披露。前回のライブで習得したアイドルステップを満遍なく披露し、独特のテンポと中毒性のある楽曲を堂々と歌い上げる。紙吹雪のような光の演出に、どデカイ文字の出現のギャップがとにかくインパクト抜群で、アグレッシブにステージ上を駆け回る姿が印象的だった。ライブを重ねるごとに成長していくパフォーマンスに、彼女の努力が垣間見える素敵なステージだった。
百花繚乱花吹雪
公開されている音源にはないライブverの三味線のイントロから白上フブキ、百鬼あやめ、大神ミオの3人の歌い出しを聴いた瞬間、一気に世界に引き込まれた。和楽器を多く取り入れた「百花繚乱花吹雪」は、思わず身体が動いてしまうほどのキャッチーで迫力あるサビが特徴で、和の演出がメンバーによって色変わりする。楽曲のスピード感と、映像の色変わりがとにかくめまぐるしく、目を引く振り付けも見ていて楽しかった。3人の息の合ったパフォーマンスと和との相性が抜群なステージを体感することができた。

#あくあ色ぱれっと
静寂のステージから湊あくあの優しい歌声が聴こえると、この日2度目となるソロパート「#あくあ色ぱれっと」を披露。キュートでどこか切ないポップソングを難なく歌いこなしていく。“あくあ色に染まれ〜!”という彼女らしい煽りも入れつつ、楽曲やライブのラストスパートに向けてファンの気持ちを盛り上げようとする姿勢が、まさにアイドルそのものだった。“I LOVE YOU”の文字がリズムに合わせて表示されると、彼女もまた腕を観客席に向けて愛情表現をくり返す。ソロライブも経験した彼女ならではのパフォーマンスが光るライブを見せてくれた。
キラメキライダー☆
カラフルな星々と光の演出が全面に表現されたステージに、ロボ子さん、天音かなた、白上フブキ、大空スバル、白銀ノエルの5人が「キラメキライダー☆」を熱唱。ライブの定番曲ではあるが、ライブによってパフォーマンンスするメンバーが異なるので、1つの楽曲で楽しみ方が何通りもあるのは、大所帯のホロライブならではの強みだろう。メンバーごとに声色が変わり、映像の演出も多彩だ。ロボ子さん、天音かなた、白上フブキ、大空スバル、白銀ノエルの5人は、同曲をしっとりと全力で歌い上げていた。

あすいろClearSky
アンコール前最後には、新たな公式曲「あすいろClearSky」を投下。今までの公式曲からまた一歩進んだホロライブが表現されている楽曲で、彼女たちの成長を切なくもダイナミックに表現。Aメロからサビの転調が特徴的で、ロボ子さん、さくらみこ、湊あくあ、夜空メル、アキ・ローゼンタール、常闇トワ、大神ミオ、夏色まつり、不知火フレアの総勢9名の合唱はまさに壮大だった。9つのスポットライトがこれからの道しるべかのように、綺麗に鮮やかに彼女たちを照らし続けていた。公式曲そのものが彼女たちのストーリーになっており、全員が大事に育て上げ、歌うたびに成長が曲を通して表現されていく。また新たな一歩を踏み出した彼女たちを歌った新公式曲で、アンコール前を壮大に飾った。
夢見る空へ
まるで流れ星のように光がステージ上を駆け抜ける。その度にカラフルな羽が舞い散る演出がとにかく綺麗で、その演出にアンコールの1曲目として公式曲「夢見る空へ」が乗っていく。百鬼あやめ、兎田ぺこら、大神ミオ、大空スバル、宝鐘マリンが見事に掛け合いながら歌いこなしていく。腕を前に出してぎゅっと抱きしめるような振り付けが特徴的で、振り付けとメロディが相まって胸が熱くなってしまう。最初から最後まで笑顔が溢れ、最大限の元気で歌う5人らしいパフォーマンスがとにかく光っていた。

Shiny Smily Story
全曲オリジナル曲で挑んだ<hololive IDOL PROJECT 1st Live.『Bloom,』>の最後を飾ったのは「Shiny Smily Story」。この日出演した5期生以外のメンバーが代わる代わるステージに登場する。全曲オリジナル楽曲で挑んだ真っ向勝負のライブで、それぞれができる限りのパフォーマンスを披露していたと思う。ライブに向けて日々成長してきた彼女たちにとって、全曲オリジナルライブは、ホロライブ全体が次のステップに進むためのステージでもあり、メンバーたちの新たな一面を見ることができた公演だった。
次のライブでは何を見せてくれるのか、これからも彼女たちの成長を見守りたいと思う。
関連リンク
※いずれも2021年3月17日23:59まで購入・視聴可能。購入後、期限内であれば何度でも視聴可能。

関連リンク
※日本・海外ともに2021年2月28日23:59まで購入が可能。